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聖痕: 暗香
登録コード: A-96N
魔道具: 不正の剣(暗香)
魔道機: 反魔法、……
同化率: 96%
スキル (4/5)
1- 感覚を極大化
* 思考を加速させます。
2- ■剣 -Error
3- ■■■■■ -Error
4- ■■■■■ -Error
5-
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最新アプリのエラー
所々モザイクになっているスキルを見ると、聖痕の能力がそのまま受け継がれたわけではないようだ。
聖痕と体の主が違うからか
1番を除いて他のスキルが使えない状態だ。
消した方が良いのでは。いや…でも1番はまだ大丈夫だし。
生まれつきの才能である魔道機とは違って、スキルは後から身につく。
「本物」のゲートに参加できない1年生がスキルを持っているのは珍しいことだった。
消すのはもったいない…必ず取り戻せるはずだ。
ジエンがアプリを見ながら考え事をしているその時、急に携帯が鳴った。
ピロリン!
メッセージを確認したジエンの表情が固まった。
[今すぐ校長室に来るように。-セルフィス-]
「嫌われても仕方ない。」
体は残留マナで成績はビリのジエンは校長から嫌われていた。
* * * * *
巨大な木製テーブルと巨大な液晶テレビスクリーン、高級アロマキャンドルまで。校長室にある備品は全て贅沢なものばかりだった。
「面談はこれで2回目だよな?」
校長セルフィスはジエンの上と下を見た後、書類を見せつけた。
「これは?」
書類を見たジエンの声は慌てていた。
「政府の方に提出する支援金を返す申込書類だ。」
「支援金を返すのは退学した学生に下される処分なですよね?」
「正確には退学になる学生に下す処分だ。俺は君がどうやって入学できたか人事担当を呼んで調べたいほど納得いかない。」
セルフィスは見下す喋り方で話し続けた。
「聖痕学、歴史学、演技学、ポーション学、マナ応用から魔道学まで。君がこれらの科目の中でFをもらっていないものがあるのか。しかも組手はFだった。特技と認められて入学したあの剣術の事だ。君はアルカナの恥だ。
セルフィスが窓を開けた。
暑い日差しが照りつけ、アルカナの敷地とあそこに建てられた象徴的な銅像が見える。
「我々アルカナは大英雄エバンが卒業した歴史のあるアカデミーだ。いつもアカデミー系のトップであり、それは今も変わらない。外側から見えるイメージと言うものを知ってるか。エリートのイメージを!」
大英雄だなんて、恥ずかしい。
自伝が図書館に並ぶ英雄。ジエンは前世でも今のアカデミーを卒業していた。
あの時のアカデミーの名前はアルピアだったが。
ジエンは自信満々な顔でセルフィスを見た。
「俺はアルピ…アルカナに相応しくない学生だということでしょうか。」
「えへん、やっと話が通じるようになった。君みたいなビリがアルカナの看板を背負っていると…校長である俺も面目が立たないのだ。」
面目か。
さっき大英雄だと顔を立ててあげたのは俺だ。
記憶を取り戻したジエンは慌てていた以前とは違って余裕をもって対応した。
「支援金はもう一銭も残さず全部使いました。」
セイバーは能力。つまり、生まれつきの聖痕を持ち、人類を苦しめた災難や「ゲート」を制御するために命を懸けなければならない。
当然のことだが、いつも人材は不足している。
それで政府はいろんな支援をしている。莫大な財産を持つ貴族には税金の一部を免除し、
ジエンのような賤民にはサラリーマンの給料3ヶ月分ぐらいにあたる900万コインを支援してくれた。
ジエンには大金だが、セルフィスには大したことない金額だ。セルフィスはチッと舌打ちをした。
「どうせ金は政府が出してくれるものだし、それは俺が気にすることではない。あっはっはっ、俺とは関係ない。」
「俺を退学させたいのも校長先生の仕事です。」
「そんな態度をしたっていい結果は出ない。自分の姿を見てみろ。セイバーを志望する学生の体と言えるのか?デブのように太っている。」