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ロザリンド5

とうとうこの物語の主人公が出てきます。

学園を1週間休み、グリフィス公領へウィル兄様とともに向かった。


初めて見るグリフィス公爵家はザ・城!って言う城だった。うちもかなり大きなお屋敷だと思っていたが、さすがに城と比べたらあれは家だ。これより大きな城は王宮しか知らない。王家とも血縁関係にある公爵家なのだから当然と言えば当然なのだが、正直住みにくそうだと思う。


中に入ってわかったのだが、公爵家は城が役所を兼ねているようだ。家に家族以外の領民や役人がうろうろするなんて落ち着けなさそうだ。


応接室に通され、待っていると、恰幅のいい40代半ばの男性があらわれた。


「新しいフランクリン伯爵か。私がフレデリック・グリフィスだ。この度のご両親のこと、ご愁傷様だった。」

グリフィス公爵はこちらをぎろりと睨むと、とてもご愁傷様とは思ってなさそうな態度で向かいのソファに腰かけた。


慰謝料をくれるということは両親の死は公爵家が原因だということだと思うのだけど、違ったのだろうか。とても謝罪をする態度には見えない。


「ロザリンド・フランクリンですわ。お初にお目にかかります。」

雰囲気に飲まれながらも、親からしつこく教えられた通りのきれいな挨拶はするりと出た。


「ウィリアム・フランクリンです。早速ですが、前伯爵夫妻の死につて詳しいことを聞きたい。」

さすがウィル兄様、全く飲まれていない。

ところが、グリフィス公爵の返答はちょっと信じがたいものだった。


「詳しいも何も、前フランクリン伯爵夫妻の死が確認された。それ以上も以下もない。」

「なぜですか!私はお父様とお母さまの遺体すら見ていないのですよ!」

「墓ならば作った。後でそちらに案内させよう。」

「そうではなくて!」


「ちょっと、ロージィ、座ろうか。」

なおも食い下がろうとした私をウィル兄様が引き戻した。

「公爵がこういう以上、これ以上のことを僕たちが知ることは不可能だ。」

確かに、公爵の方が身分が上なので、食い下がるのは不敬に当たる。しかし、実の両親が死んだとだけ聞かされて、詳しいことの説明すらないのだ。納得がいかない。


「ウィリアム殿の方がわかっておられる。やはり伯爵殿は若いな。慰謝料は払うのだ。これ以上の詮索はしてくれるな。」

「せめて、両親の墓を領地に作りたいので、遺体だけでも返していただけませんか?」

「墓は既にこちらに作った。墓を暴いてまで持って帰りたいというのか?」


私たちは引き下がるしかなかった。

どれだけ悔しくても身分差があり、耐えるしかない。

慰謝料を払うことで対外的に非を認めてくれただけ、まだマシなのだ。


明日両親の墓に行くということで今晩は止まることになった。


多分残酷表現ないと思うけど、判断基準がわからない・・・

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