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妖怪30 30秒で

「外にいる大型魔獣もそうだし、色々決めないことがあるんだからな?」

 それが決まるまでは逃がさない。そう言わんばかりというか逃がす気は皆無のようだった。

「外のあれは何だよ?」

「グラスウルフの上位種のようですね」

「名前はポチよ」

 余計な情報だった。どちらにしても。

「そこに控える少女は?」

「盗賊とかゴブリンを殲滅した時に拾った少女ですね。門番に言われましたが奴隷商に返すか引き取るかの二択ですね」

「妥当なラインだな」

 少年としては余計な荷物が無い方が良いのだ。この場合不必要なのは自身と口裂け女以外である。

「言っていることは極全うだな」

「それ以外の発言をしたつもりはありませんがね」

 それでと、言葉を切りながら少年は問う。

「俺達は平穏に暮らすつもりです」

 でも、と。

「あなたは俺達を使うつもりですね?」

「当たり前だろ」

 首は飛ばなかった。むしろ、お互いに平然としていた、

「いい度胸ですね。カレンさんがいなかったら即殺していますよ」

「殺されるつもりはなかったけど面白いなお前」

 指を引いていた少年と腕を引いていた中年。それだけですべてがわかりそうなものだった。

「まあ、利用するつもりはない。でも、お前ら異世界人の知識は色々使い道があって引っ張りだこなんだよな」

「選択肢は二種類なんですね」

 利用するかされるかだけだ。

 そもそも、異世界人という理由で利用価値はある。それが備わる異能であれ知識であれだ。


「皆殺しか皆殺されるか」


「なんでそんな結論になるんだ?」

「あなた達は俺達を縛る。確実にね。どんな理由かはわかりませんが縛りにかかってくる。縛る理由はわかっています。俺達の戦力というよりも可能性ですね。だからと言って言うがままになると思いますか?」

 首をぐるりと回して歯を剥く姿は平静を通り越した狂気を含んでいた。


「ああ、ここで戦闘になってもいいんですよ。俺達は誰が味方で敵かもわからない。だから、敵になってくれてもいいんですよ?」


 心底ごめんだとランスロットは思った。

 ここで頷くのは自殺志願者でしかない。そして、彼彼女等はそれを実現してしまう力がある。

「この化け物どもめ」

「俺達を利用しようとしなければいいだけの話です。ちなみに俺は弱いですよ。ステータス的に言うなら一般人と変わらないでしょうね」

 そんな言葉すらもブラフなのか真実なのかあやふやだ。

「クロ君」

 とは口裂け女の言葉だ。

「あなたなら収めてくれると・・・」

「「三十秒よ」

 何がとは問う必要もない。

「ここ」の破壊時間だ。

 高レベル冒険者がいることを含めて三十秒で破壊できると言っているのだ。

「交渉です」

 少年は言った。

「俺達に関わらないでください」

 彼等が望むのは普通の冒険者として生きること。

「それは無理かな」

 組織が望むのはこれから生まれるであろう英雄の誕生だ。

「分かり合えないようだな」

「だから、皆殺しになると言った」

 一瞬即発。破裂した瞬間にすべてが終わる。

 だから、彼等は先延ばしを選ぶ。




短くてすみません!

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