王都到着
「寝る前のこと忘れたんですか?」
シランは頬を膨らませながら答える。
「あ〜。お話しませんか?だっけ・・・。」
そんなこと言ってたなぁ
「ええ、そうですよ。お話というのはですね。」
今度は目をギラギラさせながら答える。
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な、長ぇ・・・。
シランずっと喋ってるじゃん。
どんなけ馬車暇してるんだよ。
シランのお話の相手(聞き手)になって五時間ほど経過したとき、二日目の野営場所に来た。
「・・・ということなんです!レンさん!凄くないですか!可愛いですよね!」
「シラン!野営場所に着いたぞ!」
俺は全力で馬車から逃げ出す。
それから食事をし就寝準備をした。
「じゃあ今晩も僕達が代わりつつ見張りをするのでゆっくりおやすみください。」
リーダーのタイハクが言う。
「じゃあ、レンさんさっきの続きなんですけど!」
「あー!!ハイタクさん!俺も見張り手伝いますよ!馬車で凄く寝たせいか寝れないので!!」
「え?いや、雇い主を見張りにつけるなんてそんなこと出来ませんよ!」
「そんなこと言わないでくださいよ!僕と君の仲じゃないですか!」
「いえいえそんな、気にしないでゆっくりおやすみください!」
タイハクはシランのことを横目でチラッと見てニヤニヤしながら答えた。
「あ!?ちょっとまってください!原因わかってますよね!?見殺しにするんですか!?」
「さ、俺らは見張りに着くぞ!」
「そうですね。」
「うんうん」
タイハクに続いてソメイ、カンヒが逃げるように答える。
「レンさんあれ話しましたっけ!そうですね・・・」
あぁ。一人になりたい。
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夜が明け次の日の朝がやって来た。シランの話はあの後三時間ほど続いた。
ちなみに王都につくまで昨日の状況が続いたのは言うまでもない。
「やっと王都が見えてきましたよ!!」
御者さんは叫ぶようにみんなに言う。
あぁ・・・。やっと解放されるんだ。
おしり痛いし、耳痛いし。
「そういえばシラン王都に着いたらまずポーション売りに行くのか?」
「そうですね。まずは納品してお金を作らないと。」
とりあえず俺たちは王都に入った。