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「なんだったんだ今の夢は...複合魔法?そんなこと言ってたよな」
まぁ、気にしないでいいか。
俺はふと横を見た。
普段ご飯を食べるときに使っている机に朝食が並べられていた。
左側にソワソワしていた村長が目に入る。
「・・・寝るか。」
再び寝ようとする。
「起きてただろ!?今こっち見てたよな!?」
そんな声をBGMに再び夢の世界に入る。
またあの部屋だ。
「複合魔法を試して下さいよ!!絶対ですよ!!気にしてくださいよ!天界からあなたの行動、発言見てますからね!!!」
少し涙目になりながらイベリアはそう言う。
「うるせぇぇぇぇ!!」
そう言って起きたら目の前の村長と目が合う。
「おいこら」
村長はそう言いながら俺の頭を鷲掴みにし、徐々に力を入れてくる。
「どうも村長!ご機嫌麗しゅう!・・・い、痛い痛い!離して!その手を離して!」
なんだこの力!化物かよ!
「お前は謝ることも出来んのか!まず言うことがあるだろ!」
村長は俺の台詞を聞いてさらに不機嫌そうになる。
「すみません村長!調子乗りました!だから離して下さい!」
ようやく解放された俺は頭を抱えてうずくまる。
「お前、今日この村を出て王都に行くんだろ?最後くらいシャキッとしろよな...」
俺の特技、右から左に流すを発動さして朝食を頂いく。
さて。もう行くか。
その様子を見ていた村長は
「もう行くのか?支度は済んだのか?今度はいつ帰ってくるんだ?」
と正月に顔を見せた社会人の親みたいなことを言ってる。
「シランに合わせて行くのでシランに聞いてください。」
俺はそう言い村長から逃げた。
「あ、おい」
しばらくしてシランの家の前に来た。
「あ、レンさん。もう用意は出来たのですか?」
「ああ、もともと俺は準備するものも少ないしね。」
持っていくものはこれと言ってない。
「そうですか。それもそうですね。村に来て二週間ほどですしね。」
そう言ってシランは行商と会話をしに行った。
「レンさーんそろそろ行きますよ!」
手をパタパタと振っている。
かわいい。
「今行くよ。」
そう言って馬車に乗る。