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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第4章 激突
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タンタルスの発展と日本の軍拡

 西暦2025年 12月

 終戦後間もなくして、日本はジュッシュ公国とサデウミス集合国家と正式な国交を樹立し、追随する形でバロダイレ共和国やアストラン共和国を言った他のタンタルス大陸の国々を国交樹立を成した。

 また、共通貨幣として『日本円』が導入された。


 バロダイレ共和国・・・。

 ボルドアス帝国と吸収したことにより、同国に課せられた多額の賠償金をバロダイレ共和国が各国に支払わなければならなくなり。その為、ボルドアン城の調度品が日本に売却され、その買取金が当てられた。


「あぁ~あ。すっからかんになっちゃったね?」


「全部合わせたら国一つ買ってもお釣りが残るぐらいあったのに。」


 リーエンフィールもレッソンも、自分たちが今まで過ごしてきた絢爛豪華な王城がみるみるうちに質素になっていく様を清々しい気持ちで見ていた。


 日本滞在中は皇居で日本国の皇族とわずかな時を過ごしていたともあって、金や銀で飾らない美学と言う物にもわずかながら興味がわいていたが、それ以上に、長い戦争が終わったことに安堵したのが大きかった。


「ふぁ~ん。ちょっと疲れちゃった。おやすみ『レン』。」


「・・・。おやすみ、『リン』。」 


 日本との講和条約に『三権への干渉』を禁じられているが、日本に言われるまでもなく政治から身を引き、時の流れるままに過ごそうと思っていた。リーエンフィールはようやく自由になれた。


 サデウミス集合国家 アーゼナルガルド・・・。

 物々交換経済から貨幣経済に移行による『ハイパーインフレ』を引き起こすのではないのかと思われたが、元首エンドリューの優れた采配で目立た混乱もなく、それでも緩やかな成長を続けていた。


 日本の現状唯一の石油産出国なだけにこの国には経済援助を積極的に行いODAで学校や病院などの公共施設を建てて国の地盤固めを着々と進めていた。


 ジュッシュ公国 ゼーベルムート・・・。

 開戦当初は日本と友好的な関係であったものの、戦後処理を巡って公王シュヴァーベンと一部の大臣から『日本を排除しよう』とする動きが見られた。なので、特戦群100名をゼーベルムートに、第12旅団を完成したばかりのサンジェロワ航空基地に駐屯することになった。されにゼーレフォンに護衛艦3隻が常駐すると言う徹底ぶりであった。


 ルフト、クローディア、リオネンの三人は『祖国への忠誠』と『日本への恩』に板挟みとなっていた。


「はぁ・・・。どうします、これから?」


 三人はルフトの家に集まって、各々の気持ちを素直に打ち明けていた。


「日本につくかどうかですか?」


「日本にはいい顔しつつ、隙あらば-」


「それを察したか、サンジェロワに駐屯しているが?」


 ルフトもリオネンも表面上では日本に友好は感じではあるが、本心では不信を抱いている。


 だが、クローディアだけは違った。


「私は本心から日本を信頼しています。彼等は公約通りにボルドアスと戦ってくれました。その間にも公国民の為に尽くしてくれています。日本との同盟は公国の発展に不可欠です。日本に険悪な態度は慎むべきです。」


 決死の説得、公国民の意思の尊重を重んじるルフトもリオネンも少しは納得した。


 日本国 防衛省・・・。

 ボルドアス戦の経験から自衛隊の戦力拡充計画が持ち上がった。

1、人員を現在の25万人から60万人に拡大

2、既存兵器の増産

3、強襲揚陸艦や航空母艦の新造

4、上記配備に伴う、『F-3』をベースとした新型艦載機の設計、開発

5、C-2を発展させた、新型4発輸送機『C-3』の設計、開発


 大東亜戦争勃発前の軍拡に匹敵する規模の計画、承認も推進もそう簡単にはいかないが、日本を敵と認識する国が、この世界には沢山いるかもしれない。その国がいかなる力を持っているか分からない現状、日本の国力で実現できる最大限の戦力を持たねばならなかった。


 新たな戦火が降りかかる前に。

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