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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第4章 激突
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決戦 ラブングル街道2

MI-24・・・ソ連初の『攻撃ヘリコプター』であるが、地上制圧後、歩兵をヘリボーンで展開することが出来る『空飛ぶ歩兵戦闘車』とも言える機体であった。ラブングルに現れたのは空対空ミサイルを装備できる『MI-24V』であった。


「逃げろーーーっ!!!」


 4機編隊で来襲したハインドは2機がヘリ部隊を、もう2機が地上の自衛隊員に襲い掛かった。M2重機関銃が塹壕に展開した普通科隊員の最大火力なのに、ハインドの重装甲の前にはいとも簡単に弾かれる。


 なす術もなく逃げ惑う自衛隊を、一方的にいたぶるハインドの姿は、さながら捕らえた草食動物を貪り食うクロコダイルであった。


 自衛隊の撤退はすぐさまジュッシュ軍にも伝わった。


「自衛隊が負けた!?」


「何かの間違いでは!?」


 自衛隊に勝てる軍隊は居ない。そう思っていたルフト達は神宮寺や鎌田に詰め寄る。


「間違いではなんですよ。我々を食らう巨大なワニが現れたんですよ。」


「今はそのワニには敵わない。急いで公都まで避難してください。」


 何を言っているのか分からないが、真意は理解できた。自衛隊にとって予期せぬ相手と会敵し、そいつに追い詰められているのだと。


 ハインドを撃ち落すには、誘導ミサイル並みの破壊力が必要であった。だが、第1師団の第1高射特科大隊は、ボルドアスに航空戦闘の概念なしと言う事で本土に待機させていた。


 現在のタンタルス大陸でハインドを落とす事が出来るのは、第7師団の第7高射特科連隊が装備する『87式自走高射機関砲』のみであった。


 しかし、肝心の第7師団は開戦に間に合わなかった。


 ゼーベルムートの南30km・・・。

「ようやくまともな道に出たな。」


 秋山師団長は第1師団の苦戦などつゆ知らず、のんびりとしたペースで進んでいたが・・・。


「第1師団から緊急入電!ハインドに襲撃され壊走中との事!」


「ハインドだと!?」


 意気揚々とゼーベルムートに入城するつもりであったが、今はそう思っていた自分をぶん殴りたい。秋山はそう感じた。そして、一刻も早い対空支援を前線に届けなければならない。


「高射特科連隊!先行しろ!」


 87式自走高射機関砲を急行させた。


 第1師団と第12旅団、特戦群さらにジュッシュ軍もゼーベルムートに追い詰められ、追撃してきたハインドとボルドアス軍と激しい市街地戦に突入した。


 だが、市街地では大軍は身動きが取り図らい上、自衛隊はこれに慣れている。


「ヘリ部隊は撤退しました。あれから更に2機落とされたようです。」


「これで、ハインド4機と・・・。」


「ボルドアス兵15万を相手にしなければなりません。」


「第7師団が到着するまで、耐え抜くんだ!」

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