表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第3章 継戦の限度
35/74

宣戦と開発

「さぁて、うるさい奴は消えたし、これからどうしよう?」


「でっですが殿下、ベルナールが言っていた事も一理はあると存じます。」


「そうなのよねぇ。単純に無視できって言うのがもどかしいわ。」


 ベルナールの予想が正しければ、今後の方針は慎重にしなければならない。

 だが・・・。


「まずは、失った兵力の補充からね。最低でも、兵士20万・大砲700問・戦列艦60隻ぐらいはほしいわ

ねぇ。」


「属国からの徴兵徴収で人員・資材は入手可能ですが、国力の低下は否めません。」


「国力を盛り返すのに丁度良い国があるじゃなぁい?」


「・・・ジュッシュでしょうか?」


「ニホンよ。」


「!!先程世迷言と-」


「大砲を使わず帝都の門を粉砕する、なんてジュッシュの連中にはできっこない。ニホンと言う国が手を

貸しているに決まっているわ。」


「なるほど、ニホンさえ叩き潰してしまえば、ジュッシュなど赤子の手をひねるも同然という事ですか?

流石は王女殿下。」


「それに、奴等は愚かにもこの私『リーエンフィール=ボルドアン』の顔に泥を塗った。生かしておくわ

け無いじゃない。征服後は、ニホンの王や貴族どもは全員処刑、民は奴隷とし一切の権限を与えるな!」


「はっ!御心のままに!!」


 ボルドアス帝国の日本征伐。日本からして見れば一部逆恨みと取れる部分もあるが、日本もボルドアス

もどんな理由が有ってもお互いに本土を攻撃したのだから、宣戦布告を受けてもおかしくなかった。


 ボルドロイゼン 兵器開発局 研究部部署・・・。

「部長、コイツを見てください!」


 下っ端が部長のソリュードに、幾つもの金属の筒を見せる。


「こんな小さな筒に何をそんなに興奮している?」


「小さいと侮っては駄目です!コイツには革新的な技術が盛り込まれているんです!」


「そうか、そこまで言うのなら、どんなものか教えてもらおうか?」


「はいっ!」


 幾つかの資料を取り出す。


「まず、こいつの中から火薬に含まれる硫黄と硝石が見つかりました。この中に火薬を詰め弾丸で蓋をす

るようにした状態が発射前となります。」


「中の火薬を爆ぜさせ、その力で弾丸を押し出す。だがどのように点火する?」


「筒のこの部分です。この部分ですが、帝国で採用しているパーカッションキャップとほぼ同一の機構で

した。」


「何!?じゃあ複製が可能という事か!?」


「理論上ではそうなりますが、この筒を完全に再現するのは不可能です。」


 薬莢の調査記録をしまい、新兵器と思われる図面を取り出す。


「ですが、コイツの機構を参考にした新型実包と新兵器の開発を打診します。」


「・・・銃身が多いな。」


 ガトリング砲と記されたその兵器は従来の戦術を一蹴する物であった。


「毎分200発の発射速度だと!?戦列射撃や騎兵突撃がまるで意味を成さんではないか!」


「この技術を応用し、歩兵が携行出来るまで収縮すれば・・・。」


「素晴しい。実に素晴しい!すぐさま開発を開始しろ!」


 特戦群が拾い損ねた薬莢が、ボルドアス帝国に軍事技術に大きく貢献してしまった。


 この、ガトリング砲の実射試験は5,6年後を目処に開発を進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ