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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第3章 継戦の限度
32/74

クローディア救出作戦 2

 第四段・・・救出後、赤色信号弾で回収班に合図し、妨害を排除しつつ素早く回収に向かい脱出する。


 塔を出て、北の城壁からリペリングで降下する。


「信号弾、撃て!」


 『要人確保』の意味を持つ赤く輝く光球が出現し、月下の帝都を照らし出す。


 その光はボルドロイゼン郊外に待機するルフト等、回収班も確認できた。


「信号弾確認。」


「来たか。」


 回収班が動き出し、南門の前まで来た。


「グスタフ・・・、撃てっ!」


 パチュン ボガァァン


 カールグスタフ84mm無反動砲より発射された榴弾が南門を破壊し・・・。


「突入っ!!」


 軽装甲機動車と高機動車各二両が城下町に高速で侵入した。


「敵襲ー!敵襲ー!!」


 当然気付かれる。ボルドアスの帝都であるためすぐに兵士が集まってくる。急いで回収しなければ全滅

もありえるのだ。


 城下の一角の空家・・・。

「発炎筒を焚け!」


 空家に逃げ込んだ救出班は回収班が到着するまで籠城する事になった。


「武器使用自由!各員の持てる火力を持って回収班到着までねばるのだ!」


 空家の二階から、こちらを包囲するボルドアス兵約二百人に対し、M4カービンの弾幕を浴びせる。


 しかし・・・。


「大砲がこっちを狙っている!」


 ボロボロの空家に砲弾など撃ち込まれでもしたら、ひとたまりも無い。妨害を試みるも敵歩兵の戦列射撃に阻まれる。「もはやこれまで」と思った。

 その時・・・。


 ドダダダダダダダダダダダダダッ


 『M2重機関銃』の銃声が物凄い速さで近づいて来る。


 数分前・・・。

「赤煙確認!右だ!」


 車列が入った道の先に、敵集団が大砲を準備しているのが見えた。


「M2ッ大砲を狙え!撃たせるな!!」


 軽装甲機動車に取り付けたM2で砲兵を含め、敵歩兵を一掃し後、救出班が立て籠もる空家の前に停車し

た。


「早く乗って!」


 救出班全員の乗車が確認された。


「出せっ!出せっ!!」


 車列はもと来た道を逆走、追撃する騎兵もなぎ倒し南門を突破。


 特戦群は見事、クローディアの救出に成功した。


クローディア救出作戦

 救助部隊

 ・被害なし


 ボルドアス

 ・死傷 三百

 ・南門 小破


「私生きてる?」


 クローディアはルフトの腕の中に居るにも関わらず、事態を飲み込めていなかった。


「私の声が聞こえていないなら、お前は死んでいる。」


「・・・ちゃんと聞こえる。・・・じゃぁ、生きているんだ。」


 クローディアは、ようやく安らぎの時を得られた。


「首筋に注射痕、右腕に切り傷。壊死しかけているので消毒します。」


 隊員の一人がクローディアの治療をしようと、応急箱から消毒液とガーゼ、包帯を取り出す。


「少し沁みます。」


「うぐ・・・!」


 消毒液を吹きかけた後、傷口にガーゼを当て包帯で巻き押さえる。


 一行がゼーベルムートに帰還する頃には、東の空が僅かに赤くなっていた。

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