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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第3章 継戦の限度
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クローディア救出作戦 1

 神宮寺達は手配した車両の到着を待って、作戦を開始した。


 第一段・・・神宮寺等六名は果実商に扮しラブングル街道を、ルフト等二十一名は車両と共に別ルートでボルドアス領内に侵入する。


 とある検問・・・。

「止まれ。」


 神宮寺達がボルドアスの役人に止められる。


「積荷は何だ?」


「旬の果実でさぁ。」


 神宮寺の言う通り、荷車には、桃・マスカット・メロン等がビッシリと詰まっていた。


「免税札はあるか?」


「へい。これでさぁ。」


 免税札は偽造した物であるが、日本が持つ活版技術で本物と見まごうばかりの見た目になっていた。


 しかし、万が一バレてしはえば神宮寺達の極刑は免れない。


「・・・。」


「・・・。」


「・・・。通っていいぞ。」


「へい。」


 無事に通過した。


第二段・・・帝都潜入後、商品を売る傍らで情報を集める。


 その後も幾つもの検問を通過し、神宮寺等は帝都『ボルドロイゼン』に入った。


「十日がこんなに長く感じたのは初めてだったな。」


「検問の数ですが、百から数えるの辞めたくなりました。」


「そう言うな。ここからが本番だ。」


 神宮寺の言う通り、救出班の役目は、クローディアの居場所を突き止め救助する事にある。


 そのためには、どんな断片的なものでも情報が欲しかった。


 だが、商品の売れ行きだけが良く、有力な情報が一つも入ってこない。一度ジュッシュ公国に戻り別の

商人に扮し再度潜入しようと思ったとき・・・。


「オヤジ、その桃七個売ってくれ。」


「ご機嫌がよろしいようで、なにかあられたのか?」


「いやぁ、最近ジュッシュの将軍を捕らえてね。その報酬で儲けてね。」


「その将軍というのは?」


「クローディアとか言ったっけ?今はボルドアン城の北に収監されているらしいぜ。」


「そうですけぇ・・・。へい、お待ち。」


 軽快な足取りで男は去って行った。


「・・・。城の北側か。」


 商品の果実は全て売り切れた。


「隊長。今夜決行しましょう。」


「そうだな。準備しろ。」


 クローディア救出に際し、用意したのは高機動車と軽装甲機動車だけなく、9mm拳銃、M4カービンとそ

れらのサプレッサー、サーマルゴーグルも完全密閉の状態で積荷の中に隠し、持ち込んでいた。


 第三段・・・所在地の判明後、その日の真夜中に行動する。


 夜・・・。

 梯郭式ていかくしきの城壁の南からロープクライミングで侵入する。


「銃火器の使用も出来るが、極力控えろ。無視できるものは無視しろ。」


 サプレッサー付きのカービンと拳銃を持ち、サーマルゴーグルを掛ける


「行くぞ。状況開始!」


 ボルドアン城 北の塔


 クローディアは寒い塔内で気を集中させていた。外に居るボルドアス兵の気配が次々に消え、その奥か

ら別の気配が近づいてくるが、石の壁と鉄の扉に遮られているのと、何より、衰弱している彼女には、それ以上のことは分からなかった。


「ここだな・・・。」


 扉の前で気配が止まった。


 カシャンッキィイイイン


 重く錆付いた扉が開かれそこから姿を現したのは・・・。


「ひぃいいっ!!」


 赤い一つ目とした人の形をした何かだった。


「クローディアさん落ち着いて!自衛隊です!」


「自・・・衛・・・隊・・・?」


「助けに来ました。」


 神宮寺はクローディアを背負う。

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