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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第3章 継戦の限度
28/74

救出作戦 立案

 日本 防衛省・・・。

「ジュッシュの特戦群から装備の要請が。」


「内容は?」


「軽装甲機動車2、高機動車2、野戦病院キッドと燃料、弾薬です。」


「そんなに多くの装備、一体何に使う気だ?」


「なんでも、外交交渉における重要人物が誘拐されたので、その救出作戦に使用するとのこと。」


「それはもう、我々だけの問題でなくなっている。とにかく首相に問い合わせろ。」


 首相はこの案件を国会に提出。審議の結果、野党の反対を押し切る形で採決を下した。


「首相。それで国民は納得しますか?下手をすればボルドアスに我が国の存在を知らしめることに-」


「そんなことは百も承知だ。だがジュッシュ公国には戦闘を肩代わりする代わり、食料を提供してもらう

との公約であろう?なら守らねばならん。日本の存在が知られる事など、国民が数万単位で餓死する事に

比べたら大した事ない。」


 後日、特戦群の要求した装備、そして工事車両、物資・燃料を満載した『おおすみ型輸送艦』3隻と

『補給艦ましゅう』はゼーレフォンを目指し、横須賀を出港した。


 ゼーベルムート

「犯行はおそらくボルドアスの刺客。クローディアが連れて行かれたとすれば、敵の帝都『ボルドロイゼン』だな。」


「ここから帝都には馬でどのぐらいの日数を要しますか?」


「だいたい10日と言ったところか。」


「だとすると、およそ500kmです。」


「帝都に行くには、ラブングル街道を通るのがもっとも早く着くが・・・。」


「検問ですか?」


「はい、至る所に。商人以外の通行人から多額の通行税を巻き上げています。」


「なぜ商人は免除されるのですか?」


「帝国の商業機関が発行する免税札を持っているのです。」


「・・・使えそうだな。」


「は?」


「何とかして、その免税札を偽造して帝都に侵入しましょう。」


「大丈夫ですか?ばれたら極刑ですよ?」


「なんの、どうにかなります。それより侵入ルートになりそうな道は?」


「ランスニ川に架かる主要な橋は、先の会戦でカノン砲を通すのに補強しているでしょう。」


「我々の車両も余裕で通れるな。だが帰路でしか使用できないな。車両隊は迂回する必要があるな。」


 救出作戦は一度怪しまれた時点で失敗とされる場合が多い。その後は警備が厳重になったり最悪の場

合、対象が殺害される場合もある。よって一回で成功させねばならず、準備は完璧に仕上げておかなけれ

ばならない。


 輸送艦隊だ到着するまでの三日間で、作戦内容は大方決まった。

1、部隊は商人に扮する『救助班』と『回収班』に分かれ帝国領に侵入する。

2、神宮寺等、救出班は果実商に扮し帝都に入った後、情報を集める。

  ルフト等、回収班は街道を大きく迂回しボルドロイゼン郊外で待機する。

3、救出後は信号弾(要人確保)、赤色発炎筒(我この位置)で合図を出す。

4、回収後、全速でラブングル街道を南下。道中の検問は全て強行突破する。

5、本作戦における武器の使用制限は全解除される。


 三日後、神宮寺の手配した車両がゼーベルムートに到着した。

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