ラブングル会戦 4
数分前・・・。
C-2輸送機 機内
「準備はいいかぁっ!?」
「応っ!!」
陸上自衛隊特殊作戦群百名による・・・。
「降下っ!降下っ!!降下っ!!!」
空挺降下が開始された。
目標は、ボルドアス軍の輜重部隊の殲滅及び退路の遮断である。
ブルフ平原北方15㎞ラカヌデンの森
「おい。全員居るか?」
連隊長神宮寺二等陸佐が小声で呼びかける。
「第1中隊異常なし。」
「第2中隊異常なし。」
「第3中隊異常なし。」
「よし。・・・ん?」
神宮寺の目に入ったのは、黄色の下地に黒のボーダー・・・、ボルドアス兵だ。
「撃ちますか?」
「待て、やり過ごせ。」
ボルドアス兵は特戦群を捜している。
「このあたりに何か落ちたと思ったんだが・・・。」
「気のせいだろ?それより早く戻らねえと厳罰が待ってんぜ。」
「そうだな・・・。・・・ん?」
ボルドアス兵が何かを発見した。
「(っ!!まずいっ!!)」
「何だこの箱?」
「(隊長!重機が!)」
「(分かってる!)」
ボルドアス兵が物資の入った箱を開けた。
「何だこれ?」
「大砲?」
そこには『ボローニングM2重機関銃』が納められていた。
「(仕方ない。)Zスリー、ファイブやれ!」
ササッサササ
「グゥッ!」「グァッ!」
隊員二人がボルドアス兵に忍び寄り、その首筋にナイフを突き立てた。
「クリア。」
「隊長・・・。」
「M2を奪われるわけにはいかんからな。」
二人の遺体の手を合わせ、所持していた銃を頭上に突き刺し合掌する。
「こいつら南に向かおうとしてました。おそらく、そう遠くない場所に野営地があるものと。」
「よし。敵陣に入ったら、射撃は禁止だ。ナイフとロープで制圧しろ。」
「了っ!」
「連隊、状況開始!」
ボルドアス軍輜重隊野営地・・・。
「見えた。」
「各班配置につきました。」
「敵の数は、ざっと五千といったところです。」
「問題ない。訓練通りにやれば良い。」
小銃を背に負い、ナイフとロープを手に取る。
「・・・。突入っ!!」
陸上自衛隊・殊作戦群百名がボルドアス軍輜重隊の野営地に侵入。これとほぼ同時刻、リオネンとリ
ゴーの一騎討ちが始まっていた。
「ウブッ!」「ゴァッ!」「グガッ!」「アガッ!」
忍者を思われる手際の良さで、すでに野営地の10%近くを制圧したが・・・。
「警鐘の横に二人。」
「Yフォー、シックス片付けろ。」
ゆっくりと忍び寄り刺突するが・・・。
「敵だッ!!」
バンッ カーンッカーンッカーンッ
ボルドアス兵の放った銃弾が運悪く警鐘に命中した。
「-ッ!!」
バンッバンッバンッ
腿に付けた11.4mm拳銃を取り出し、即座に三発撃ち射殺する。
「敵襲ーッ!敵襲ーッ!!」
ボルドアス兵が集まって来る。
「銃取れーっ!」
もはや掃討するしかない。
「付けーーっ剣ッ!!各自っ、自由射撃!各々の身を守れ!突っ込めーーっ!!」
「「「おおおおぉぉぉーーーっ!!!」」」