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ミトスター・ユベリーン  作者: カズナダ
第2章 必要なもの
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番外編 いずも女子会

 査察団がゼーレフォンから横須賀に向かう三日間。

 本編ではホルステが梅津に質問攻めをしていることろです。

 いずも居住区・・・。

 ルフトとクローディアは横須賀基地に到着すまでの間、女性隊員専用の生活区画で寝泊まりする事になった。


「なんで栄光あるジュッシュ公国近衛兵団団長であるこの私が!異国の一般乗組員と同じ寝床を使わねば

ならんのだ!?」


「仕方ないよお。元々男ばかりの船に女性が来ることなんて殆ど無いんだし、これも自衛隊なりの最大限

の配慮なんだと思うよ?」


「それもそうだが・・・。だがお前も見ただろ?すれ違いざまにこちらを見てくる男共の眼!不愉快極ま

りない!おまけに人を三十代だと・・・!?まだ二十六だ!!」


「それについては同感だけど少し落ち着こうよ。それにいくら顔にシワがあるからってにじゅ-ご

ふっ!」


 ルフトはクローディアの口を塞ぐように枕を顔面目掛け投げつけた。


「もういい!!寝る!!」


 完全にご機嫌斜めだ。


「やれやれ。」


 呆れて言葉も出ない。


「あれ?クローディアさん?」


「えっ?」


 聞き覚えのある声。間違いない、星野だ。


「ここ星野さんの部屋だったの?」


「私達、かな?この部屋を使っているのは私を含めて三人だから。」


「そうなんだ。」


「それにしても、つい最近退艦したのにまた来るなんて、どこか具合でも悪くなったの?」


「違うよ!そんなんじゃないよ!」


 不覚にも、さっきまで姉をからかっていたのに、すぐさま星野にからかわれた。


「しーっ!隣の人起こしちゃうよ?」


「大丈夫だよ。どうせ寝たふりだから。」


「どうせって何だよ、どうせって?」


 ルフトがゆっくりと体を起こす。


「ほらね?あっ星野さん、この人が私の姉のルフト!」


「ジュッシュ公国近衛兵団長・ルフトだ・・・。」


「いずも衛生科員の星野です。」


「姉様、殺気を抑えて-」


「お前に向けたものなんだよ!」


「ひいぃっ!」


 クローディアは反射的に星野の腕に飛びついた。


「あの~。何かあったのですか?」


「お前には分らんだろうな!二十六にして妹から「顔に皺がある」と言われた私の気持ちが!!」


 怒っているのか、泣いているのかが分からない。


「二十六って私よりも若いんですね。」


「えっ?」「へっ?」


 姉妹から気の抜けた返事が返ってきた。


「えっ、じゃあ星野さんって歳いくつなの?」


「三十二だけど?」


 ルフトは年下と思っていたのが、まさか六つも年上であることに開いた口が塞がらなず、クローディア

も年上だとは思っていたが、予想以上に離れていたことでルフトと同じ状態に陥る。


「あら?私、変なこと言った?」


「かっ仮に三十二なら教えてくれ!どうやったらそんなに若くみせられるのんだ!?」


「私にもどうか!」


 それ以降、この部屋の住人による『美容に関する講師会』は三日間に渡り続けられた。

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