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漆
結局、優志が女の子と仲良くなる良い方法は見つからなかった。
うん、やっぱり本人が普通に話しかけられるかが重要なようだ。難しい。
そろそろいい時間になったので、今日はもうお開きとなった。
店から出てみると空はもう薄暗くなっていて、俺たちがどれほどの時間駄弁っていたのかを知る。
「今日は相談に乗ってもらってサンキューな!あんまし良い案はなかったけど・・・・・・」
「もうこればっかりは優ちゃんの勇気次第だね」
「頑張れよ、優志!!それで、いつ決行するんだ!?」
「いや、紅葉、まだ早いから!!もうちょっと様子みてから・・・・・・とか、とにかくまだ!!」
乗り出すように聞いてみると、優志は顔を真っ赤にしてあたふたし始めた。今度こそは、とはいつも思うのだが、大好きなバスケもして好きな女の子に恋をして・・・・・・それが良くても悪くても精一杯青春してるんだと思う。