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<Ⅲ骨>

 河原が消えた。

 階段を一つ下りるように、瞬き一つで景色が変わった。

 下を見ると、ベッドが一台。オレが横たわっている。そっちのオレは薄青の服を着て、口に透明なカバーをつけていた。

 すぐに理解した。

 ベッドの上はオレの身体で、天井を漂ってるのがオレ幽霊。っつーことは、ここはやっぱり現世だ。

 幸い、霊安室ではなく、まして棺桶の中でもない。殺風景な白い部屋、病院の一室だろう。カーテンの向こうは明るい、今は昼のようだ。

 そして、オレの身体は息をしていた。

 ブラボー仏様。オレはまだ死んでない。

 死んでいないということは、霊魂が入れば元通り。つまりオレが身体に入れば一件落着。目が覚めたら、今までのことは臨死体験、ってことだろ?

 ……とはいえ、本当に戻れるのだろうか?

 ……上手く行き過ぎのような気もする。

 ……つーか、グダグダ言う前にやってみりゃいいんだよな。

 オレは不安を押し殺して、ゆっくりと高度を下げていった。

 鼻先十センチに死人のような青白い顔。あらためて見る自分の顔は、別人のようだった。


 意を決して、

 オレ幽霊はオレ身体に入り込んだ。


 心臓の鼓動。一拍ごとに身体が震えた。

 喉を通る空気。肺は風船、膨らんで、しぼむ。

 指に触れる滑らかなシーツ。血行が悪く、足が冷たい。

 背中に体重がかかって、少しひきつれた。

 一つ深呼吸をする。

 ――未練を残して死んだあなたに……。

 ほんの少しだけあの幼女に感謝した。あの一言が無ければ歩いて川を渡っていたかもしれない。

 折角なので、例の『チャンス!』を掛け声にして景気良く復活することにした。

 身体がついてくるかどうか、分からんが……。

 オレはタオルケットを剥がし、口にかぶさっていた透明なやつを放り投げ、ベッドの上にすっくと立ち上がる。

 意外にも普通に立ち上がれた。さっきまで死んでいたとは思えない体調の良さだった。

 気を良くしたオレは、そのまま景気付けを続行する。

 グーの拳を顎の横に。ドアを叩く直前の姿勢で、静かに、しかし力強く。顎に梅干を作りながら。

「トルネード……チャンス!」

 オレは今、復活した。

 タオルケットが飛んでいった。

 ついでにカーテンと枕も吹き飛んだ。

 ベッドが軋んで揺れた。

 窓ガラスが盛大な音を立てて割れた。

 地鳴りが部屋を揺らした。

 ――いや比喩で無く。

 ――マジで。

「は、はぁぁっ?」

 オレが復活した直後、病室は突如として大混乱に陥っていた。

 暴風が巻き起こっていた。凄まじい風音がしていた。あらゆる固定されていないものが、周りをぶんぶん飛んでいる。

 しかし、幸いなのかなんなのか、オレにはそよ風すらもこない。風が巻き起こっているのはオレの周りだけ。

 オレの復活を祝ってド派手なマンガ演出――とか言ってる場合じゃねえよなあ!

「何これ? 何これッ!?」

 予想外の出来事に果てしなくうろたえた。

 そしてオロオロと左右を様子を見守ること、約十秒。風は発生と同じく唐突に収まった。

「…………」

 病室は無茶苦茶に荒れていた。

 オレはぽっかりと口を開けたまま、その惨状を見渡した。

 破れたカーテン。割れた蛍光灯と窓ガラス。ベッドの位置は九十度変わっていた。

 これはもう、オレが張り切って暴れたようにしかみえない。内弁慶の引きこもり野郎が、母親に何か酷く無神経なことを言われて、自室で思うさま暴れた後。そんな感じの悲惨な光景だ。

 『不思議な風が全部やりました。オレは関係ありません』なんて言って、誰が信じてくれるだろうか。

 真実は時に無力だ。

 とにかくオレは当面の問題を考えないといけない。

 オレはベッドの上に胡坐をかき、目を閉じ、腕を組んで、唸る。

 ……少なくともカーテンと蛍光灯と窓ガラスは弁償だよな。病院のカーテンって、特殊な加工がしてあったりするのか? 蛍光灯と、窓ガラスは……結構高いよな。壁の傷は勘弁してもらえるか? 他には、ベッド、タオルケット、シーツ……。

 被害総額と先月の家計を比較したところで、真っ赤な数字がずらりと浮かんだ。

 ……い……いや、……楽勝だ。

 ……全然、楽勝だ。

 この程度の修羅場は、何度も潜ってきた。最後の余力は、未来を削って出せばいい。できるかできないかで言えば、それはできる。

 ……なんとかなる、と思う。

 顔はどんどん俯いていくが、気持ちは前向きのつもり。

 オレは現実を受け入れる覚悟をし、目を開けた。

 何か黒いものがいた。

 オレはソレと、ばちりと目が合った。

「あ……、い……入間さん」

「嘘だろ」

 ベッドの下から、さっきの死神幼女が顔を出していた。

「ど……どうもです」

 死神の風体をした幼女がずりずりと這い出てくる。背中の鎌が床と擦れて嫌な音を立てている。

 おどおどとした仕草で立ち上がり、黒いローブについた埃を払った後、ペコリとお辞儀一つ。ゴチン。顔を上げる時、後頭部を鎌にぶつけた。

「い……いたた……え、っと、……あ、あらためまして、こんにちは、入間、弘蔵さん、ですね。私は営業部二課の小林骨魅、です。えっと、えっと、こ、この度はJ銀千年キャンペーン《トルネード・チャンス》にご当選おめでとうごじゃ、います」

 オレは一旦腕を解いて、小林骨魅を右手で制止する。

「――小林さん。その前に幾つか確認したいことがある」

「はっ、はい!? ご質問、ですか?」

 前に出していた右手を戻して、腕を組みなおす。しかし何から問うべきか、オレは迷った。

 ――ここは何処だ。

 ――お前は何故ここにいる。

 ――さっきの暴風はなんだ。

 ――オレは……生き返ったのか。

 とにかく、足場から固めていくべきだろう。

 となるとまずは……、

「さっき小林さんと会った場所は、あの世ってことでいいんだよな?」

「えっと、はい。大体そのようなもののところです」

 小林の目が泳いでいる。直感した、こいつきっと分かっていない。

「不安になる言い方だな……」

「えっ……あ、すみません今思い出します、ので、ちょっとお待ちください」

 小林は黒ローブの下に手を入れて何かを探し始めた。

 床の上に大量の物がぼろぼろと落ちる。キャンディ、チョコレート、ハンマー、釘、ペンチ。……なぜ、大工道具? 長期戦になりそうだった。

「あれ? ……ど、ど、どこに入れたっけ? ――って、これじゃなくて……。あ、え、ええっと」

 ローブにそんな沢山の物を収納するスペースは無いように見える。多次元の便利ポケットでもあるのだろうか。

 それから一分後、小林はようやく目的のものを見つけた。

「――こ、これ、あったぁっ」

 黒い手帳だった。ちらりと見えた表紙にはドクロマーク。それ以外は特徴の無い手帳だったが、体格が幼児並の小林が持つと、ちょっとした辞書サイズにもみえる。

「菓子と道具が落ちたぞ。拾わなくていいのか?」

「ふぇ? ……あ、わわ、すみません」

 小林は床の上の菓子と大工道具を慌てて拾う。

 それから手帳を開いて、

「…………」

「…………」

「なんのお話でしたっけ?」

「小林さんはアホの子ですか?」

「す、すみません……」

「さっき、お前と初めて会った場所の話だ」

「あ……そ、そうでした。場所、場所……これかな? 『今風に言うと、ログインフロア』です。……意味はよく分かりません」

 オレにも分からん。

「それで、ここはこの世でいいのか? オレはちゃんと生きてんのか?」

「うん。じゃなくって、えと、はい、そうです。『今風に言うと、リアルワールド』で『あなたの意識が、あなたの脳にある状態』……ふぇ」

 小林は涙目になっていた。本当に意味が分からないんだろう。勿論、オレにも分からん。

「役に立たないアンチョコだな。もう今風に言わなくていいからしまっとけ」

「でも私、物覚え悪いので……説明とか難しいことは……」

「じゃあそれ見てもいいから、おまえが分かる言葉で話してくれよ」

「う、うん。……じゃなくって、はい。分かりました」

「それで、質問に戻るが、お前はなんでここにいる。あと、さっきの風はなんだ」

「ええっと、ジェ、J社千年キャンペーン《トルネード・チャンス》で、私があなたの担当になったので……。さっきの風は、ポルターガイスト現象を原理に、あれ、で、えっと、なんだっけ……」

「アンチョコ」

「あ、はい。えっと『ポルターガイスト現象により、あなたの周囲の人々を、竜巻のようにまとめて巻き上げるため』のものです」

「なんだその意味不明で傍迷惑な風は」

「トルネード・チャンスの、その……トルネード・チャンスについて説明しても……いいですか? 一応マニュアルに載ってるので……」

 オレは小さく頷いて説明を促す。こうなれば聞かないわけにはいかないだろう。

 小林は黒ローブの中に手帳をしまうと、今度は分厚い書類を取り出した。やはりどうやって入っていたのかは不明だ。

 表紙には《お客様対応マニュアル J社》と日本語で書かれていた。他にも何か細かい字が見えたが、オレには読み取れなかった。

「そ……それでは、『J社千年キャンペーン《トルネード・チャンス》について説明します。このチャンスは、あなたに生き返ってもらいます』」

「スマン――いきなりだが、オレが生き返ったのは、そのなんとかいうキャンペーンのお陰なのか?」

「はい、サイン……いただきました」

「詐欺だ」

「あの……い、え、すみません」

「……とりあえず、話を聞こう。どんな条件なんだ? 人間が簡単に生き返ったらマズい気がするよな」

「……えっと、一応簡単、ではないみたいです。『今回生き返りのご費用を、通常価格、《七十億文》のところを、キャンペーン価格の《五十億文》でご提供いたします。そして更にダブルチャンス。J社開局千年記念、身体修復のサービス付き』……そっ、そんなキャンペーンだったんですね」

「知らなかったのかよ」

「す、すみません。勉強不足で……えっと、あと、『担保は乙の魂』って書いてあります……」

「乙? そこにはオレの名前が入るのか」

「えっ、あ、そうですそうです」

「オレの魂か、さっき確か五十億って言ったよな、信じられねえけど。……それでレートは一文、千二百円だったよな? ってことは……」

「ろ、六兆円です」

 兆。ちょう。チョウ。チョウ。チョ……。

「まっ、ちょっ、兆かよ! つか、オレの魂が六兆円?」

 億でも充分無茶だが、兆の桁はキレが違う。そんな鋭い速球、オレには受け止めきれない。

「さ、査定は別の課なので、理由は分かりません」

「まあ、あの世の査定だしな……、続きは?」

「……えっと、『負債は乙が自力で返済してください。方法は簡単です。沢山の魂をあの世に送ることで、返済額分を稼ぐことができます』……あれれれ?」

 手帳を見る目が丸くなった。

「あの世に送る?」

 まあ、細かいところは省くとしても、肝心なところはオレも理解できたと思う。

 暴風と、あの世と、沢山の魂。

「そりゃ――無理だ」

「……ふぇえええっ!?」

「金額以前に人殺しは無理だろうが」

「ひっ、ひとごろっ……わわわ私も、聞いてないですよお」

 小林は肩を震わせて、もう泣いていた。

「だからあの世に送るって、おまえ言葉はアレだが、さっきの暴風でオレに人を殺しまくれって言ってるんだろ?」

「……はいぃ、むむむ無理です、私も無理ですっ。あ、えあ、ああと、そう、そうだ、ちょっと上司に確認しますう……」

 懐に書類をしまい、携帯電話を取り出して何処かにかけ始める小林。

「その必要はない。小林骨魅くん」

 しかし、その動作は途中で止まった。

 小林の視線はオレの背中側――病室の入り口に向いていた。

「――――ッ!」

 オレの背筋に鳥肌が立つのは一秒とかからなかった。

 気配や殺気といったものを、オレは十八年の人生で感じたことがなかったし、今も感じてはいなかったが、少なくともこの声には冷えピタと同じ成分が含まれているに違いない、とは直感した。

 悪役<ヒール>ボイスが背後から耳にピタリ。……秒殺の鳥肌モノだ。

「返済額は百万人分の魂。期限は五日。J社興業組合、大浄化キャンペーン《トルネード・チャンス》で間違いない」

「か……課長……」

 恐る恐る振り向いたオレは……、思わずそのままベッドの上から落ちそうになった。

 病室の入り口に、銀縁メガネの背広のおっさんが立っていた。

「普通のおっさんじゃねえか!」

 市役所市民課の奥で、最近メタボリックを心配していそうな、あらゆる場所が弛んだ普通の『おっさん』だった。ハンカチで額を押さえる仕草など堂に入っている。

「……そいつ、同じ職場の人間か?」

「えっ、ええっと、営業三課の課長さんで、鬼、じゃなくって、田中……下の名前忘れちゃいました……」

「人間ではない。悪魔だ。入間弘蔵くん」

 声だけなら、メガネなインテリ、高級スーツをクールに着こなし――チョット冷たい感じがするけど、そこが魅力、と女性職員に密かな人気の、できる男、だ。

 しかし揺るんだ容姿とあわせると、ただの不気味生命体になる。

「――どうした? 頭など抱えて」

「す、すまん。悪気はないんだ。悪魔、悪魔か」

 田中課長は少し悲しげに眉を落とすと、地味色のハンカチをしまった。

「小林の説明で、勘違いをさせてしまったようだ。君の行為は殺人にはあたらない」

「……証拠がなければ、犯罪にならないって話じゃないよな?」

「たっ、田中かちょうー……、人殺しはダメですよお」

 頬をタルタル震わせながら、田中課長はクールボイスで続ける。

「真実、殺しではない。《トルネード・チャンス》で、あの世に送るのは、この世に未練を残した、霊魂たちだ」

 オレはしばらく田中課長を見つめた後、小林を半眼で睨んだ。

「……ふぇ?」

「ざけんな。びっくりしただろうが」

 まだ話がつかめないのか、オレと田中課長を交互に見る小林。

 まあオレも早とちりしたのだが……。

「え、っと? ……霊魂? 浮遊霊とか、地縛霊とか? ですか?」

「そいういうことだろ」

「《トルネード・チャンス》のP型トルネードは、強力な送還能力を持つ反面、物質的な影響が出てしまう。しかし被害については、こちらで対応させてもらう。安心したまえ」

 田中課長は懐から細長いものを取り出した。折りたたみ式のナイフのようだった。

 パチリと開くと鎌になった。

「鎌かよ」

 手のひらサイズの鎌を一振りすると、室内に大量の星がきらきら散った。

 星は人の形になり――ベストに半ズボンの小人になった。頭には三角帽子を被っている。

 三秒数える間に、病室はユルい顔の小人で溢れていた。

「わぁっ、すごいすごい。かわいいー」

 小林のあどけない瞳の中に星が舞っている。両手を胸の前で組んで、頬を赤くしながら縦ノリ気味。こいつやっぱりアホだ。

 小人たちは、被害箇所に取り付いた。

 壁にハシゴを立てかけ、ハケでペンキを塗っている。傷が消えた。

 床に散乱した窓ガラスを箒で集め、ちりとりでさらっている。みるみる綺麗になった。

 破れたカーテンを縫っている。縫い目が見えない出来だった。

 エイホーエイホー、とベッドの位置を直している。オレの視界が九十度回った。

 病室が逆回しのように、元の形を取り戻していく。

「……無駄にファンタジーだ」

 よく見ると小人の耳は少し尖っていた。

 なんとも言えない心持で小人たちの作業を眺めていると、田中課長がつくろうように「過程は歪んでいるが、結果に問題は無い」と小さく漏らした。このビジュアルを少しは気にはしているらしい。

 作業はものの十分もしないうちに終わった。

 オレが最初に見た病室に、見た目は殆ど変わらない。暴風が吹き荒れた部屋とは、とても思えなかった。

 ピシリと整列する小人。小林が小人の頭を撫でて「えへ、ごくろうさまー」と労っている。

 小人達は、お辞儀をしてから、星になって消えた。

「その魔法みたいのは、人前でやっても大丈夫なのか?」

「見た目は小人だが、実際は過去の事象に干渉し、実在を修正する高度な時間精霊で――」

「いや、原理は説明されても分からんから。……とにかく大丈夫なんだな?」

「問題ない。最初から何も起こらなかったことになる」

 田中は鎌を畳んで懐にしまう。

 病室の弁償はしなくていいらしい。内心ほっとした。

「先ほどのトルネードで八体の霊が送還された。残りは九十九万九千九百八十二体だ。四日と二十三時間三十二分以内に送還したまえ。もちろん六兆円用意しても構わん」

「無茶言うな」

「あとでP型トルネードの運用について、詳しい説明を受けたまえ」

「……ああ、小林に?」

「がっ、頑張りますっ」

 不安だった。

「――最後にもう一つ。君は霊には不慣れだろう。そこで今回はサポートするための《専門家》を用意した。この後、直接行きたまえ」

 と、一枚の紙を渡された。丁寧に地図が描かれている。文字が丸い。田中課長のポテンシャルは、計り知れない。

「ところで、小林骨魅くん」

 はいはいなんですかっ、と小林は背中の鎌を振って田中課長に近寄った。

「忘れているだろうと思って言っておく。こちらに来る前、お前は既に営業三課に転属されている。つまりお前は私の部下だ」

「……ふぇ? ぶ、部下ですか?」

「《トルネード・チャンス》の企画書をちゃんと読んでおけ。いいか、契約を取った社員はそのまま営業部三課に転属し、お客様の返済支援を――」

「は、はい。知ってますっ。て、転属、ですよねっ」

 慌てたように両手を胸の前で振る小林。

「知っているなら、あとはお前がやれ。物質修復は覚えているな?」

「……た……た、田中課長みたいに、かわいくありませんけど……」

「では、頑張りたまえ」

「はっ、はぃぃ!」

 大きくお辞儀。勢いで鎌が後頭部をぶつかり、鈍い音がした。うずくまって、ぷるぷる震えている。

 田中課長は踵を返すと、病室のドアを開けた。

「――入間弘蔵。チャンスを拾ったこと、後悔するなよ」

 去り際。

 田中課長はオレに向けて鋭い目線を投げていった。

 敵意のこもった眼差しだった。その種類は、憎しみだと感じた。

 意味は――、分からなかった。

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