表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自縄自縛  作者: 茶子
10/16

眠る君

 透き通る色は黒に満ちる。

 無駄な息を吸い、吸えず、吐く。

 吐いて、ごぽりと鼓膜を揺さぶる音を、陰鬱にくぐもらせ、響かせる。

 動く気にもなれない、指先一つ動かすことも億劫だ、ただただ表せる世界の全ては、「億劫」だった。

 何時しか息も忘れて、おれと云う事すら忘れて、眠りに藁を見る。

 それでも一つだけ、億劫を凌駕して見せるおれの意地が、この懐に在る。

 ドロドロに混ざり、蜷局を巻いて、絶えず毒の様な息をふしゅうと吐き出し続ける、何とも取れない雑音、混濁。

 それがぐるるるると威嚇の様な呻きを漏らす度に、おれは心臓に抱いた其れを、強く強く抱きしめ、呑み込んだ。

 抱きしめれば抱きしめる程に心臓に食い込み、締められ、抉られ、ぶしゅうと血やら何やらがおれから漏れる。

 おれはその飛び出す自分さえも夢中で腕を掻き、懐に取戻し、慌てふためいて眠りを続けるのだ。

 嗚呼なんて滑稽だろうか、この嘆きは一体何度目だ。

 嗚呼、この無様な地獄は一体何時終わるのだろうか、いや終わらなくていい、終わらなければ、おれは永遠にこの無様な繰り返しを夢に落ちることができる、落ちてていいんだ、おれは救われる。

 それはどんな我が儘か、偽善に似せた醜悪か、それはおれが一番よくわかっていて、おれが一番ひねくれている。

 うるさいな、放っておいてくれよ、おれは今とても幸せなんだ。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ