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クロスロード物語  作者: 雪之丞
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3/114

0-2.その他 etc


 その他、ウンチク話などの抜き出し版も用意しました。

 ※今後も随時、内容は書き足していくことになります。




●教会【組織名】


 大陸には無数の宗教が存在しているが、そんな中で国教と定められ最大の勢力を誇るのが愛と喜びを司る美の女神ヘレネを祀るヘレネ教である。

 一応、国教は決まっているが、それが原因で他宗教が弾圧されるようなことは無く、人々には信仰の自由が認められている。そのため、他にも多くの信仰が存在しており、大地と豊穣を司る農業の女神ファトラ、勇気と幸運を司る戦う者の守り男神アレス、知識と真理を司る魔術の神マギ、契約と制約を司る茨の王エレナなどが有名。


 教会組織は治療院の収入と多方面からの寄付によって運営されており、弱者救済の為の様々なボランティア活動や、社会的弱者の生活環境向上のための品物の無償配布、その他、治療師の育成や文字の読み書きなど基礎的な学問の指導など、様々な面での人々への奉仕といった各種功績が認められていて、それだけに地域との結びつきが強いことでも知られている。


 ◯修道士/司祭(牧師)


 教会組織に所属している者は一般に修士や司祭と呼ばれることになり、一級治療師の資格を持つ司祭ともなると独立して教会を任せられる事になるのだが、地方都市や農村などで一級治療師が居ない場合には(居ないことのほうが多いのだが)、二級以下の資格しかない治療師が代表者を務める事になり、そういった人物は司祭ではなく牧師と呼ばれる事になる。そのため、司祭が居ない教区では基本的に蘇生治療を行うことが出来ないので、その教区では原則として死んだらそれまでということになる。


 王都にあるような司祭が複数いるような規模の大きい教会では司祭をまとめる司祭長が教会の代表を務める他、王都の中央エリアにある教会本部や大聖堂には、教会組織の幹部にあたる主教や大主教や枢機卿といった雲の上な人々がいたりするのだろうが、本作においてはあまり関係はないはずなので、とりあえず深く考えないでOKだ。


 ◯治療院【施設名】


 治療師の仕事場であり怪我をした者が運び込まれてくると身分相応の対価を『お布施』として収める事で治療魔法をかけてもらえる。

 治療費(お布施)は怪我の大きさや手間のかかり方、相手の資産の有無などによって変動し、多くの場合において事務担当の者によって計算され、司祭の最終調整(人によって増やしたり減らしたりする)を経て、さほど負担でないと感じるだろうレベルで徴収されることになる。

 なお、治療費の踏み倒しは犯罪扱いされ、いつまでも払わない場合には犯罪者として処罰されてしまうが、何かしらの事情があった場合などは司祭の裁量によって教会への奉仕活動などによって穴埋めさせることが許されている。


 ◯治療師【職業名】


 教会に所属する修道士は聖職者であるだけでなく治療師であることも求められ、日々、高度な治療魔法を扱うための座学を学んだりして修行を積んでおり、最終的には一級治療師資格を得るための条件となる大魔法『死者蘇生』を修める事を目標としている。死者蘇生を修め、一級治療師の資格をもつ司祭となると教会を任されることになり、その地域の守り神となるべく残りの人生を捧げる事になる。


 そういった求道者的な生き方を選んだ修士系治療師とは別に、再生治療を行える事が条件の二級治療師を最終目標として日々腕を磨いている独立系治療師も多数存在しており、そういった人物は教会と契約して治療院で治療行為を行うことで対価を得ているのだが、修士と違って教区の移動に特に制限などもないため、一つの教会に縛られることはなく自由気ままに所属先を変えたりすることが出来るようになっている。

 そういった独立系治療師も教会の治療院を主な仕事場所として活動しているのだが、彼らにとっては教会での仕事の方は副業であり、本業は多くの場合には冒険者であり、教会の外で治療魔法によって仲間を救う事が主な仕事となっている。


 なお、地方の教会で牧師を務める者の多くは、怪我や年齢などの理由から引退した元冒険家の独立系治療師達であり、そういった再就職先の斡旋や相談なども教会は行なっているため、少しでも待遇の良い条件の再就職先の情報を求めて、現役のころから教会の治療院で副業を行っている独立系治療師は多い。

 また、彼らは人生を人々への奉仕に捧げる道を選んだ修士系治療師のことを尊敬、あるいは敬愛しており、多くの場合に名前でなく修士、あるいは修士様と呼んだりしている。

 本作でもクロスが仲間から修士と呼ばれているが、あれは尊称であり、そういった呼び方をしている人物たちが独立系治療師であり、本業は冒険者な治療師達なのである。






●人間【種族名】

 他種族の血が混じっていない純血種の者、あるいは他種族の混血率が二割を切ってる者を総じて『人間』と呼んでいる。大陸で最大規模を誇る種族で大半の王族や貴族が人間であるため大陸の支配者層と考えてもいいのかもしれない。なお、混血率はギルドカードなどを作成した際に細かい数値を確認することが出来る。




●亜人/デミヒューマン【種族名】

 多くの場合に人間でない種族の者を指す言葉あったが、近年では他種族の混血率が高い者のことを指す言葉でもあり、その場合には蔑称として捉えられることもある。純粋な人間以外の種族、エルフ族やドワーフ族なども亜人と呼ばれており、亜人の血を色濃く持つ者を総じて亜人と呼んでいる。

 人間の血が混じっていない純粋な亜人以外に対しては蔑称としての亜人、あるいはデミヒューマン(人間もどき)といった使われ方を長らくしてきたが、そういったハーフエルフや◯◯ハーフなどの混血種の亜人達の中でも、特に魔族の血の混じったデーモンハーフは『魔人』と特別な呼び方をされていて、過去には特別に蔑まれ、酷い扱いを受けていた時代もあった。




●黒エルフ【種族名】


 褐色の肌を持つエルフでエルフ族の中でも魔族の血が混ざっている種族だとされている。

 通常のエルフよりも高い身体能力や魔力を持っているが、過去の“悪魔狩り”の時代において相当数の数が討伐されてしまったために、エルフ族全体で見た場合には希少種ということになるのだろう。

 通常のエルフと同様に、大陸北部の辺境域に広がる“大森林”の奥地に無数の集落が存在しているらしく、時折、クロスロードから森の入り口付近にまで訪れる行商人(キャラバン)隊と接触していることが確認されている。

 なお、黒エルフと普通のエルフは過去に争っていた時代もあったが、“悪魔狩り”の時代に狩り立てられそうになっていた彼らを匿ったりしていたことで確執は自然となくなり、今では互いに同族と見なすほどに混血化が進んでいる。そのため多くの場合に黒エルフと普通のエルフは同じ“エルフ”として捉えられることになるのだが、そのことをむしろ誇りに感じているようだ。




魔人(デーモンハーフ)【種族名(俗称)】

 黒髪や金色の瞳、縦に割れた瞳、尖った耳、血のように赤い唇、奇妙に整いすぎた容姿、病的に白い肌などは総じて魔族の血を引いている存在の証であり、多くの場合に黒髪を持つ種族は魔人と蔑まれ、特別な扱いを受けて迫害されて続けてきた。

 悪名高き“悪魔狩り”が横行した暗黒時代においては、魔族の血を少しでも引いているというだけで忌避されたり狩りだされたりして、激しい拷問を受けた上で惨たらしいく殺されるという暗黒の時代があった。

 これは魔族の血の恩恵であるとされている際立って美しい容姿と比較的強い肉体、そして極めて高い魔力関連の能力をもつ種族である魔人への忌避感と、その裏側にある単純な僻み、妬み、恐れなどが原因とされている。

 近年、亜人の中でも特別に強い魔力をもった魔人の存在価値が見直されてきており、あからさまな迫害や弾圧は極力控えるよう国を挙げて指導されており、教会も積極的に魔人を内部に取り込んで、魔人や亜人は人間にとって敵ではなく、特別に役立ってくれる有り難い種族であると周知させようと努力している。




●魔族

 人間(亜人を含む)を誘惑し堕落させる邪悪な存在として、大陸における全ての宗教の教義において『絶対悪』と位置づけられている“神の敵対者”であり“総力をあげて滅ぼすべき者たち”である。そのため“魔族を狩る”またはそれに準ずる行為に協力する事は、王国民の“聖なる義務”とされており、魔族を崇めたり、その力を振りかざしたり、その教義に触れたりした人間は『異端者』と認定されて問答無用で宗教裁判にかけられることになる。なお、“悪魔狩り”への協力は“絶対の義務”とされており、それに逆らうだけで犯罪者扱いされることになる。






●エレナ【神名】


 契約と制約を司る神で、茨の王の別名と契約の神としての在り方で知られている。エレナの司祭は契約に基づき茨の力による制約(ギアス)をかけることを生業にしており、神の力による茨の戒めは『エレナの輪冠』あるいは『茨の輪冠』と呼ばれており、主に奴隷商人が奴隷の手首などに刻んだり、犯罪者に再犯防止のために首に刻んだりしている。

 クロスの四肢に刻まれている封印は通常の封印を四重にかけている状態であり、封印の強度は重ねることに乗算されていくことになるので、万が一にでも戒めが発動したならものの数秒で発狂しかねないほどの苦痛を与える事になるだろう。




●サリエル【神名】


 医療と死の両方を司る神にして悪魔。かつて天上の世界にのみ存在していたとされる卓越した医療の術を下界に教え広めただけでなく、治癒の奇跡をも分け与えた事で罪に問われ、その罰として神格を剥奪されて堕天し、悪魔に堕とされたとされている。

 地上で生きる者達にとっては医療の術と治癒の力をもたらしてくれた医療の道の神であるのだが、それと同時に恐ろしい神罰の力による惨たらしい死をもたらす悪魔でもあるとされている。そんな二面性をもつ存在であるせいか、魔神としてのサリエルは別名で赤月の魔神とも呼ばれており、教会の紋章である白十字や治療院の紋章の赤十字などは、そんな神と悪魔の二面性を元にデザインされたマークだとされている。

 悪魔に堕ちたとされているため、崇めることは悪魔崇拝になってしまうので明確な教会というものは存在していないのだが、医療の道を志す者でサリエルの名前を知らない者はおらず、医の道に生きるものがサリエルに誓うという行為には、自らの医師としての誇りそのものに誓うという行為になる。






●“魔王”クリムゾンアイ【人物名】


 魔族の王、魔王の称号で知られている最強の魔族であり、かつての大陸の支配者。人魔大戦の末期に、ノーザンクロスの居城において死んだとされているが、ノーザンクロスの消滅に伴い当時の資料の多くが失われてしてしまっており、魔王に関する記録など、詳しい資料は何も残されていない。

 名前の由来になった真紅の瞳が最大の特徴だとされているほか、“裁く者”の二つ名をもつ伝説の武器を保有していたと言われていたり、あらゆる魔法や攻撃を飲み込む“闇の衣”と呼ばれる鎧を身にまとっていたとされていたりと、色々と真偽の怪しい噂話には事欠かない人物である。

 最強最悪の魔族らしく、その力の前には天空竜ですら手を出せなかったと言われており、一説には天空竜がバベルの頂上で地上を監視しているのは魔王の復活に備えているためだとも言われている。それほどに天空竜が恐れ、警戒しているような存在であるという一点だけでも、魔王と呼ばれる存在の脅威レベルの高さが窺い知れるというものなのだろう。




●“勇者”シャルロット【人物名】


 伝説の勇者で、人魔大戦を引き起こした張本人とまで言われているが、その割にはつい最近まで名前すら分かっていなかったという存在自体が謎に包まれた救世主的な人物。パートナーに助けられて、二人で魔族の王、クリムゾンアイを討ち取ってノーザンクロスを滅ぼしたとされているのだが、その街一つを吹き飛ばした出来事の正体が、小さな女の子であるという一点だけでも信憑性をなくすに十分な要素が詰まりまくってしまっている。

 そんな訳で、多くの人々にとっては、ごく当たり前の話でしかないはずなのだが、シャルロットとは、所詮は物語上の架空の人物であり、実在するはずもない、ただの創作物上のキャラクターの一人でしかなかったはずなのだが……。極希に、ジェシカのように架空の存在があたかも実在しているかのように信じ込んでしまっている困った子供も居たりするため、大人たちの頭痛の種にもなってしまっているのかもしれない。






●通貨【その他】


 話の中でときどき通貨の記述があるが、単位などがちょっと分かりづらい。

 日本円換算での金額も合わせて表記しておく。


  鉄貨(i):1円

 大鉄貨(I):10円

  銅貨(c):100円

 大銅貨(C):1,000円

  銀貨(s):10,000円

 大銀貨(S):100,000円

  金貨(g):1,000,000円

 大金貨(G):10,000,000円

 白銀貨(P):100,000,000円


 通常は鉄貨、銅貨、銀貨の三種を使う事が多く、金貨は滅多に使われることはない。

 お店で使う場合などに、大銀貨でも嫌な顔をされることが多いのに、非常識にも金貨などを出されても、とてもではないがお釣りを返せる店はないと思われるため、普通は価値の低い通貨に両替をして使うのだが、両替はギルドなどで何かのついでに行う事が多いほか、専用の両替屋等も存在しているので、そちらを利用することも多い。

 一般的に白銀貨は大規模な商業上の取引などでしか使うことはないが、近年ではこのような大きな額面の購買はギルド経由の書面上で決済することが慣例になってきているので、商売で白銀貨を使うことは減ってきている。


 作中でのクロスロードの一般的な各種相場は食料品などの日常必需品は比較的安めで、平均報酬は総じて高め。ただし、若干、インフレ気味な物価基準になっており、各種装備品は低級や通常品質の品は総じて安目だが、高品質(HQ品)はかなり高く、マジックアイテムは桁外れ(べらぼう)に高いといった感じ。


 分かりにくいなら、おおよそ 銀貨1枚 ≒ 1万円 程度の価値と覚えておいてください。






●品質表記【その他】


 各種装備品の品質を一定にするために王国統一基準が決められており、それにより低級と高級の両極端な品質には品質の明記が義務付けられている。


・低級(Low Quality:LQ品)

 通常の品質を満たせていないいわゆる失敗作。食い詰め者のための装備品として、使えないことはない程度の品だけが市場に出回っている。相場の半額以下、場合にはよっては一割程度まで安くなるが、LQの表記は伊達ではないことは使ってみれば良く分かる事だろう。

 こういった品はたいていまともに手入れや陳列などもされておらず、いつか溶かそう程度の扱いで樽などに誇りをかぶった状態で突っ込まれているというのが常である。


・高級(Hight Quality:HQ品)

 高級品の基準を満たした出来の良い一品。通常の品よりも高い性能を誇る一品物であり、総じて値段は高くなる傾向にあるが、命を預ける以上は性能には代えられない。HQ品を日常的に使っていることがベテランの証のようなものなのだろう。

 こういった品は特別に目立つ場所に飾られて大事にされているのが常であり、見るからに高そうな品と一目で分かる場合が多い。


 通常品質の品は特に表記などはされていないが、LQの最低ラインをクリアしているが、HQのラインには届かなかった品々である。普通は、こういった品の中からHQにギリギリ届かなかった高品質系な品を探すのだが、これが出来るのが目利きの証とされている。



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