2-e.ここまでの解説
ここまでの人物紹介/用語集/解説などの追記分です。
本文だけで十分わかったという人は次の話に進んで下さい。
●エルク【人物名】
クロスが所属しているクロスロード東区にあるヘレネ教会を管理している司祭。
齢八十を軽く超えているのであろう長寿な黒エルフで、褐色の肌に長い耳、背中まで長く伸ばされた銀色の髪といった容姿をしており、総じて美形の多い種族によるものなのかえらく若く見える整った容姿に加えて、身長は160㎝程度と、見ようによっては女にも見間違わんばかりな細身の男性である。
そのお陰でクロスと並ぶと画面の背景に薔薇が浮かぶ事になる。(花とゆめ的な意味で)
クロスロードに住み始めて五十年近くが経過しているらしいが、司祭になる前はアーノルドと組んで冒険していた時期があるらしく、その当時には相棒などと呼ばれていた。
クロスの上司として、色々と危なかしく見えるクロスのことを気にかけている。
●エドワーズ【人物名】
エルクの知り合いの薬師で、クロスロードの東区に医院を開いている。略称のエドの方の名前で呼ばれる事の方が多いが、それは本人の希望でもある。
強度のストレスから体調を崩したクロスの主治医となり、色々と薬を処方したりアドバイスをしたりすることになる。冒険者ギルドに薬草収集を依頼している依頼主でもあり、東区の冒険者ギルド所属者は、エドの処方した傷薬や毒消し草を手に日々を過ごしていたり、迷宮や塔にもぐる日々を過ごしている。
薄い髪に団子鼻アゴまで覆い尽くした髭に樽のような丸い体形と、まるでドワーフのような体形をした初老の爺さんであるが、これでも一応は人間である。
美形しかいない話ではないのだと証明してくれる最後の良心。
●自称クロスのパパ【人物名?】
正体不明の謎の人物。真っ当な生き物でないことだけは確かなのだが、本人曰く魔族なのだそうで、クロスロードにやってきたおもちゃを見つけて以来、事ある事におちょくったり弄んだりして遊んでいるらしい。被害者にとっては最大級の頭痛の原因。
作者にとっても一番の悩みの種な人物であるので、このシリーズがなろうから消えたら主にこの人のせいだと思っといて下さい……。
●大森林【場所名】
クロスロードから北に伸びる道を進むと、大陸の中央部には不毛の大地(荒野)が広がっている。そこを経た先にある辺境域の入り口に広がっているのが地平線の彼方から反対側の地平線にまで伸びるレベルで視界を埋め尽くす深い森、通称“大森林”である。
不毛の荒野を旅する者達からは“緑の絶壁”とも呼ばれており、大森林の壁の向こう側に、無数の亜人達や幻獣達、そして魔獣達の住処が広がっているとされている。
大陸北部の辺境域はこの大森林によって包まれており、その中には最低限でも火山や湖、深い渓谷や岩肌をむき出しにした谷間、草原なども存在しているとされているのだが、このエリアには人間の集落が存在していないため、詳しいことは分かっていない。
人と友好的な種族であるエルフやドワーフの故郷も大森林の奥にあるらしいのだが、大抵の場合に家出同然に森を後にして追放者となった者たちばかりが人の街に出て来ているため、大森林の集落で暮らしているエルフやドワーフ達までもが人間に友好的であるとは言い切れないのかもしれない。ただ、森の入口を訪れる商人達と取引を行なっているのは、この二種族だけであり、そういった意味でも最も人と付き合いのある亜人であることは間違いないのかもしれない。
●薬師【職業名】
ケガの治療などは教会に併設された治療院で十分に行えるのだが、病気の治療となると治療魔法では効果が殆どないため、薬師の出番となる。症状を診断し、病状に合わせた薬を処方するのが主な役目となるのだが、患者の多くが治療師と薬師の役割の違いを把握出来ていない場合が多く、互いに紹介状を書いて患者を行き来させるケースも多い。そのため、本作のエドの診察のように、内蔵の疾患の治療に治療師の手を借りるケースも多く、複雑な事情のある患者の治療の場合には、薬師は司祭と二人三脚で対処に当たるケースも珍しくない。
●黒エルフ【種族名】
褐色の肌を持つエルフでエルフ族の中でも魔族の血が混ざっている種族だとされている。
通常のエルフよりも高い身体能力や魔力を持っているが、過去の“悪魔狩り”の時代において相当数の数が討伐されてしまったために、エルフ族全体で見た場合には希少種ということになるのだろう。
通常のエルフと同様に、大陸北部の辺境域に広がる“大森林”の奥地に無数の集落が存在しているらしく、時折、クロスロードから森の入り口付近にまで訪れる行商人隊と接触していることが確認されている。
なお、黒エルフと普通のエルフは過去に争っていた時代もあったが、“悪魔狩り”の時代に狩り立てられそうになっていた彼らを匿ったりしていたことで確執は自然となくなり、今では互いに同族と見なすほどに混血化が進んでいる。そのため多くの場合に黒エルフと普通のエルフは同じ“エルフ”として捉えられることになるのだが、そのことをむしろ誇りに感じているようだ。
●通貨【その他】
話の中でときどき通貨の記述があるが、単位などがちょっと分かりづらいと思うので日本円換算での金額も合わせて表記しておこう。
鉄貨(i):一円 / 大鉄貨(I):十円
銅貨(c):百円 / 大銅貨(C):千円
銀貨(s):一万円 / 大銀貨(S):十万円
金貨(g):百万円 / 大金貨(G):一千万円 / 白銀貨(P):一億円
通常は鉄貨、銅貨、銀貨の三種を使う事が多く、金貨は滅多に使われることはない。お店で使う場合などに、大銀貨でも嫌な顔をされることが多いのに、非常識にも金貨などを出されても、とてもではないがお釣りを返せる店はないと思われる。そのため、普通は価値の低い通貨に両替をして使うのだが、両替はギルドなどで何かのついでに行う事が多いほか、専用の両替屋等も存在しているので、そちらを利用することも多い。
一般的に白銀貨は大規模な商業上の取引などでしか使うことはないが、近年ではこのような大きな額面の購買はギルド経由の書面上で決済することが慣例になってきているので、商売で白銀貨を使うことは減ってきている。
作中でのクロスロードの一般的な各種相場は食料品などの日常必需品は比較的安めで、平均報酬は総じて高め。ただし、若干、インフレ気味な物価基準になっており、各種装備品は低級や通常品質の品は総じて安目だが、高品質(HQ品)はかなり高く、マジックアイテムは桁外れに高いといった感じ。
……え? 分かりにくい? それじゃあ銀貨一枚で一万円と覚えておけばオッケー!
●品質表記【その他】
各種装備品の品質を一定にするために王国統一基準が決められており、それにより低級と高級の両極端な品質には品質の明記が義務付けられている。
・低級(Low Quality:LQ品)
通常の品質を満たせていないいわゆる失敗作。食い詰め者のための装備品として、使えないことはない程度の品だけが市場に出回っている。相場の半額以下、場合にはよっては一割程度まで安くなるが、LQの表記は伊達ではないことは使ってみれば良く分かる事だろう。
こういった品はたいていまともに手入れや陳列などもされておらず、いつか溶かそう程度の扱いで樽などに誇りをかぶった状態で突っ込まれているというのが常である。
・高級(Hight Quality:HQ品)
高級品の基準を満たした出来の良い一品。通常の品よりも高い性能を誇る一品物であり、総じて値段は高くなる傾向にあるが、命を預ける以上は性能には代えられない。HQ品を日常的に使っていることがベテランの証のようなものなのだろう。
こういった品は特別に目立つ場所に飾られて大事にされているのが常であり、見るからに高そうな品と一目で分かる場合が多い。
通常品質の品は特に表記などはされていないが、LQの最低ラインをクリアしているが、HQのラインには届かなかった品々である。普通は、こういった品の中からHQにギリギリ届かなかった高品質系な品を探すのだが、これが出来るのが目利きの証とされている。
……次の章からは女性キャラ(みんな大好きロリBBAもいるよ!)も出てきますので、あともうちょっとの辛抱なんじゃよ……。