あぁ家に帰りたい
「んんっ」目が覚める。
真っ白の天井、真っ白の壁、机も椅子も白、見渡す限り白だけ。私が寝かされているソファも白。
「ここは?」
「あっルリリン、目が覚めた?ここは、ヒューマ国軍の未成年尋問だよ。」
そのお気楽な声にイラッとしながら記憶をあさる。
「尋問終わったのですか?」と、問いつつポケットからフェルモンガードを取り出し飲む。
「終わったよ~~。裏も取れたしエル君の証言が正解。」
「私いなくて出来るじゃないですか。」
「うん?君は、手紙を書く係りだよ。」
「・・・・・・。わかりました。さっさっと書いて帰りますから、尋問報告書をください。」
「はいどーぞ。」
万年筆と質のいい紙を渡される。
「はぁ。」とため息を一つ。
ペンを動かす。
~~~~~~~~~~2分後~~~~~~~~~~
「これでいいですか。」
「ルリリン何時もながら、早いね。えぇと、【アベスカ伯爵どの 貴殿の嫡子たる、イザーク・アベスカ
は、水妖の海に触れるという愚かなる大罪を犯しました。貴殿の嫡子の身勝手な行動により、怪我人が一名でました。よって、ヒューマ国最高法規、第357条 妖魔の地といえども、パスポートおよび国への報告なしに、つま先といえども国外に出てはならない。(要約)より、十年の懲役または、100万の罰金をお支払いください。また、怪我人(未成年により名前の保護、住所の保護)に、1億の賠償をお支払いください。
追伸、ヒューマ国軍名義の口座にお支払いください。
ヒューマ国軍 リリアス隊 リリアス・ルマ公爵代理 ルリア・コバルト】うわ!いつもながら毒舌だね。」
「しりません。帰っていいですか。」
「電話。」
「・・・・・・・・・悪魔。」
にこやかに、
「なにかいった?ルリリン」
と微笑む上司ことリリアス・ルマ公爵に
「私何も申していませんが?御耳が遠くなられたのですか。もう貴方様も28ですからお年が来られたのかもしれませんね」と心配そうに微笑む。
「性格悪!」と呟くリリアスを無視して電話を取り
「もしもし、ヒューマ国軍リリアス隊 リリアス・ルマ伯爵代理ルリア・コバルトです。えっ、はい、分かりました。では。」がちゃんと電話を切る。
「どうしたの?」
怒りを押し込めて
「アベスカ家は、ヒューマ国上層部に、金の横渡ししているからお咎めなし。ただ口止め料として怪我人には、100万払ってミルグ家とともに引っ越すそうです。」と言う。
「ルリリン表現をもっとおとなしく。女の子が。金の横渡しとか言っちゃだめ。」
すぅーーーーーーーはぁーーーーーーーー。
と深呼吸をする。
「私、帰っていいですか。」と尋ねたが帰れたのは、これから、一ヶ月後だった。