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聖女の呪縛 ~露出の呪いで穢され堕ちた王女の末路~  作者: 華咲 美月


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第四十九話:最終決断・王国の別れと新たな人生

 堕落貴族の楽園の地下ホールは、夜毎の宴が終わった後も、静かな余韻に満ちていた。

 セレナは赤と黒の絨毯の上に横たわり、身体を震わせながら息を整えていた。


 鞭痕がまだ赤く残り、蝋の跡が肌に模様を描き、汗が滴り落ちている。

  肩は赤く腫れ、息をするたびに震えが走る。


 周囲では仮面を外した貴族たちが満足げに笑い合い、互いに寄り添い続けている。


 楽園の主が近づき、優しくセレナの頬を撫でた。

  「永遠にここにいろ、黄金の旅人。お前はこの楽園の永遠の客だ」

  セレナはゆっくりと目を開け、微笑んだ。


 その笑顔は、聖女の清らかさではなく、試練を耐え抜いた静かな決意を宿していた。

  「……ありがとう。でも、私は……まだ旅を続けたいの」

  主は少し残念そうに頷いた。

  「いつでも戻っておいで。ここは、お前のための場所だ」

  セレナは立ち上がり、楽園の主から与えられた黒いマントを羽織った。


 下には、過激な革紐の衣装。


 肩を締め上げるバンド、腰を固定する紐、鎖のチョーカー。


 すべてが、彼女の新しい「日常」だった。

  その夜、セレナは楽園の一室で、静かに手紙を書いた。

  父上、母上、そして王国の民へ。

  私は自分の道を選びました。


 もう、王国には戻りません。


 聖女の座は、私には相応しくありません。


 その座は、別の清らかな候補者に譲ります。

  どうか、新しい聖女を祝福してください。


 私は……試練に染まり、無力感に囚われてしまいました。


 それが、私の選んだ道です。


 永遠に、貴方たちを愛しています。


 セレナ・エル・リュミエール 手紙を封じ、楽園の使いに託した。

  セレナは静かに部屋を出て、楽園の出口へと向かった。


 王国に手紙が届いた日、宮殿は深い喪失感に包まれた。

  父王は手紙を握りしめ、涙を流した。


 母后は静かに泣き、アルベルト王子はただ黙って空を見上げた。


 民衆は英雄の失踪に困惑し、しかし新たな聖女の誕生を待つしかなかった。

  セレナは完全に自由になった。


 楽園を拠点に、時折外へ出る。

  過激な衣装で村や町を訪れ、わざと視線を集め、旅人たちに囲まれるのを耐え抜く。


 森では魔物に、街道では盗賊に、野原では旅人に。


 どこへ行っても、彼女は「黄金の旅人」として噂され、多くの者が彼女を求めるようになった。

  「これが……私の幸せ」

  セレナは夜空を見上げ、微笑んだ。


 純白の聖女だった過去は、もう遠い記憶。


 今、彼女は自由に、試練のままに生きる女だった。

  楽園に戻るたび、貴族たちに囲まれ、圧迫と視線で試され続ける。

  そして、また外へ出て、新たな試練を求める。


 セレナの旅は、終わらない。

 永遠に続く、黄金の旅人の物語。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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