第四十四話:宮廷からの逃避・夜の王都散策
宮殿の灯りが遠ざかる夜、セレナは耐えきれなくなっていた。
聖女認定式の失敗から数日。
両親の悲しげな視線、アルベルト王子の困惑した瞳、民衆の戸惑う歓声。
すべてが、彼女を追い詰めていた。
純白の聖衣を纏った生活は、表面上は穏やかだった。
だが、身体の奥底では、試練の記憶が燻り続け、不快な熱さが止まらなかった。
夜更け、セレナは普通の黒いマントを羽織り、宮殿の裏門から抜け出した。
衛兵の目を盗み、闇に溶け込むように王都の路地へ。
マントの下は、薄い下着だけ。
白いレースの布が、肌に張り付き、身体を辛うじて覆う。
普通の女性なら恥ずかしくて着られないほど、透け感のあるものだった。
「もう……我慢できない……」
路地を進むうちに、セレナはマントを脱ぎ捨てた。
冷たい夜風が肌を撫で、身体が震える。
下着姿で歩く。
肩が揺れ、腰が不快に締め付けられる。
汗が滴り、布を濡らす。
路地の奥から、酔っ払いの笑い声が聞こえてきた。
「おい、見ろよ……あそこに女が……」
数人の男たちが、酒瓶を手に近づいてくる。
下着姿のセレナを見て、目を輝かせる。
「なんだよ、迷子か? こんな時間にこんな格好で……」
セレナは抵抗しなかった。
むしろ、自ら近づいた。
「……支えて……私を……」
男たちは驚きながらも、彼女を路地の奥に引き込んだ。
壁に押し付け、肩を強く押さえ、腕を掴む。
不快な圧迫感が全身を駆け巡り、息が乱れる。
「もっと……強く……」
セレナは震えながら、ただ耐えた。
男たちの手が肩を締め、腰を固定する。
汗が溢れ、布を濡らす。
さらに、夜回りの衛兵が通りかかり、加わる。
「なんだ、この女……危ないな」
衛兵の手が肩を押さえ、身体を固定する。
セレナは壁に押し付けられ、地面に座らされ、立ったまま囲まれる。
男たちが交代しながら、彼女を監視し続けた。
汗と疲労が混じり合い、地面に水溜まりができる。
男たちが満足し、去っていった後、セレナは路地にぐったりと横たわっていた。
全身が汗と疲労でいっぱいになり、身体は力が抜けきっていた。
「……私……もう、普通の幸せなんて……いらない……」
涙を流しながら、彼女は微笑んだ。
試練の光を宿した瞳で、夜の王都を見つめた。
宮廷からの逃避は、始まったばかりだった。
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