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聖女の呪縛 ~露出の呪いで穢され堕ちた王女の末路~  作者: 華咲 美月


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第三話:隣国への街道・盗賊団との遭遇

 朝の陽光が木々の隙間を優しく縫って差し込む頃、セレナは王都を遠く離れた街道を歩いていた。


 すでに二日目の旅。


 夜通し歩き続けた身体は重く、足元が少しふらつく。


 それでも、止まることはできなかった。

 止まれば、昨夜の記憶が――見知らぬ人に支えられた不安な瞬間が――頭をよぎってしまうから。

「はぁ……はぁ……」

  息を切らしながら、セレナはマントをぎゅっと握りしめた。


 だが、その瞬間、呪いが再び反応した。

  「――っ!?」

  急に不快な締め付けが全身を駆け巡り、マントの下で衣装が少し変化した。


 黒い革紐がさらに細く、短くなり、身体を不自然に強調する形に変わってしまう。


 紐が肌に食い込み、歩くたびに布が擦れて、動きがぎこちなくなる。

「いや……また、こんな……!」

  セレナは慌ててマントを押さえたが、もう遅かった。


 布は肌にぴったりと張り付き、歩くたびに不快感が走る。


 恥ずかしさと恐怖で顔が熱くなり、足取りがさらに重くなる。

「どうして……どうしてこんなに落ち着かないの……?」

  聖女として清く生きるはずだった自分が、こんな異様な格好で街道を歩いている。


 心が締め付けられ、涙がにじむ。

  森の入り口が見えてきた。


 木々が密集し、人気のない道。


 少しでも人目を避けられるかもしれない。


 そう思って足を速めた瞬間――


「へぇ……こんなところで女が一人で歩いてるじゃねぇか」

  低い笑い声が響き、木々の間から十人近い男たちが現れた。


 革鎧に身を包み、剣や斧を携えた盗賊団。


 リーダーらしき大柄の男が、セレナを上から下までじっと見た。

「高級な旅人か? こんな辺鄙な街道で一人で歩いてるなんて、迷子か?」

  「いや……違います……私は……」

  セレナは後ずさったが、呪いの布がまるで意志を持ったように脚を絡ませ、バランスを崩してしまう。


 その場に膝をつき、マントがずれて異様な姿がはっきり見えてしまった。

「うわっ……すごい格好だな」


「こんなところで一人旅かよ……危ねぇぜ」

  男たちが一斉に近づき、セレナを取り囲んだ。


 抵抗しようと腕を振り上げるが、すぐに両腕を後ろに回され、縄で縛られる。

「放して……! お願い……!」

  泣き叫ぶが、盗賊たちは意外にも笑うだけだった。

  「暴れるなよ、旅人。俺たちゃ悪い奴じゃねぇ。ただ、ちょっと驚いただけさ」

  セレナは野営地へと連れていかれた。


 森の奥、焚き火が赤く揺れる場所。


 中央に大きな木があり、そこにセレナはそっと座らされた。


 両手を後ろで縄で結ばれ、動けない状態。

「まずは落ち着けよ。こんな格好で一人旅なんて危ねぇぜ」

  リーダーの男が静かに声をかけ、セレナの肩にそっと手を置く。


 その瞬間、彼女の身体がびくんと震えた。


 ただ触れられただけなのに、全身が熱くなり、不快感と恐怖が一気に押し寄せる。

「ひゃっ……!」

  「大丈夫か? 顔が赤いぞ」

  男たちは心配そうにセレナを見守る。


 セレナは涙を流しながら、震える声で呟いた。

「……ありがとう……」

  やがて縄を解いてもらい、セレナは野営地を後にした。


 身体中に不快な熱さと、消えない不安を残しながら、森の闇へと進む。

「どうして……私、また、こんな気持ちに……?」

  涙を拭い、セレナは闇の中を歩き続けた。


 旅は、まだ始まったばかりだった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
盗賊団にも同情されるの、ある意味屈辱的というか……
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