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聖女の呪縛 ~露出の呪いで穢され堕ちた王女の末路~  作者: 華咲 美月


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第三十話:玉座の間・ベルゼフォンとの対面

 ヴィオラの身体が、召喚の間の床に崩れ落ちた。

 セレナは震える手で鎖を外し、荒い息を吐きながら立ち上がった。

 ヴィオラの嘲笑が、まだ耳に残っている。


 だが、もう後戻りはできない。

 最上階――ベルゼフォンの玉座の間は、すぐそこだ。


 階段を上る足取りは重く、身体は限界を超えていた。


 呪いの布は薄いヴェール状のまま、汗と疲労で透けきり、身体の輪郭をくっきりと浮かび上がらせている。


 息が乱れ、膝が震える。

「もう……少しだけ……」

  最上階の扉を押し開けると、そこは広大な玉座の間だった。


 黒い大理石の床に、赤い絨毯が敷かれ、天井からは無数の燭台が逆さに吊るされ、炎がゆらゆらと揺れている。


 部屋の奥、巨大な玉座に、一人の存在が座っていた。


 ベルゼフォン。

 巨大で美しい淫魔の王。


 漆黒の翼を広げ、角が優雅に湾曲し、赤い瞳が宝石のように輝く。


 肌は月光のように白く、筋肉は完璧に彫刻されている。


 その存在感だけで、空気が重く、甘く変わる。

 セレナは震える足で一歩踏み出した。

  ベルゼフォンはゆっくりと立ち上がり、セレナを見下ろした。


 その微笑みは、優しく、残酷で、絶対的なものだった。

「よくここまで来た……セレナ」

  低く、響くような声。


 セレナの全身が震える。

  「呪いを解いて欲しければ、私を満足させろ」

  ベルゼフォンは玉座に腰を下ろし、静かにセレナを待つ。


 セレナは震える唇を噛み、ゆっくりと近づいた。

  「……わかりました」

  これまでの旅で得たすべてを、総動員する。


 ゴブリン、オーク、触手、亡霊、ケンタウロス、囚人たち、貴族たち、サキュバス……無数の試練の記憶が、彼女の身体に刻まれている。

 セレナは跪き、ベルゼフォンの視線を受け止めた。


 熱い息が肌を撫で、頭がぼうっとする。


 彼女は自ら手を伸ばし、ベルゼフォンの肩に触れた。

  「ん……」

  甘い香りが鼻腔をくすぐり、身体が震える。


 セレナはベルゼフォンの視線に負けず、ゆっくりと顔を近づけた。


 涙が溢れるが、身体は熱くなる。

  自ら肩を揉み、首筋を撫でながら、対峙を続ける。

  「もっと……味わって……」

  ベルゼフォンは満足げに微笑み、セレナの頭を優しく撫でた。

  「上手い……もっと深く、向き合え」

  セレナは震える声で、ベルゼフォンの瞳を見つめ続けた。


 鼻先がベルゼフォンの肩に触れ、息が詰まる。


 涙が頬を伝い、汗が糸を引く。

  ベルゼフォンの視線が脈打つたび、身体がきゅっと締まり、息が乱れる。

  ベルゼフォンはセレナを引き上げ、玉座に押し倒した。


 巨大な存在感が、彼女を包み込む。

  「ひぎ……! 重い……!」

  焼けるような圧迫感と無力感。


 セレナの身体がびくんと仰け反り、息が詰まる。

  「あぁぁっ……! 壊れる……壊れちゃう……!」

  不快な波が訪れる。


 ベルゼフォンの視線は熱く、脈打つたびに身体を直接刺激する。

  セレナの腰が勝手に震え、ベルゼフォンの存在を迎え入れる。

  「もっと……もっと深く……!」

  ベルゼフォンは何度も、深く、激しく視線を注いだ。

  セレナは震えを繰り返し、汗が噴き出し、玉座を濡らす。


 ベルゼフォンは咆哮を上げ、熱い視線を注ぎ込んだ。

  「グオオオオオッ!!」

  大量の圧迫感が溢れ、身体がさらに震える。


 セレナの身体はびくびくと痙攣し、無力感を繰り返す。

  だが、その最中――セレナの心に、問いが浮かんだ。

  (本当に……呪いを解きたいの?) これまでの旅。


 無数の試練。


 不快な波。

 身体はもう、普通の姫には戻れない。


 心も、すでに諦めに染まっている。

  「もっと……もっと、試して……」

  小さな声で呟く。


 ベルゼフォンは微笑み、セレナを抱きしめた。

  「よく耐えたな……セレナ」

  戦いの前夜、最大の誘惑が訪れる。

  呪いを解くか、それとも……この圧迫に永遠に身を委ねるか。

  セレナは震える手でベルゼフォンの胸に触れ、涙を流しながら微笑んだ。

  「……もう、後戻りはできないわ……」


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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