表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の呪縛 ~露出の呪いで穢され堕ちた王女の末路~  作者: 華咲 美月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/52

第二話:王都脱出と初めての試練

 夜の王都は、昼の華やかさとは違って、裏路地ではひっそりとした静けさに包まれていた。


 セレナは黒いマントをしっかりと羽織り、フードを深く被って王宮の裏門を抜け出した。

  呪いの衣装はマントの下で、彼女を静かに苛んでいた。


 歩くたびに布が肌に擦れ、身体全体が不快に締め付けられる。


 息を殺して路地を進むが、足音を立てないように気をつけると、布がさらに肌に張り付き、動きがぎこちなくなる。

  「こんな姿で……街を歩くなんて……」

  涙がにじむ。


 聖女として育てられた自分が、こんな異様な格好で夜の街を進むなんて。


 心が締め付けられ、足取りが重くなる。

  裏路地を抜けようとしたその時、酒場の裏口から酔った男たちの笑い声が聞こえてきた。

  「おい、見ろよ……あそこに女がいるぜ」

  五、六人の男たちが、酒瓶を手にふらふらと近づいてくる。


 月明かりの下、マントが少しずれて、セレナの異様な姿がはっきり見えてしまった。


 布が身体を不自然に強調し、動きにくい格好になっている。

  「なんだ……こんな時間にこんな格好で……」

  一人が驚いたように声を上げる。

  セレナは後ずさろうとしたが、呪いの衣装がまるで意志を持ったように脚を絡ませ、動きを封じる。


 膝がガクンと震え、その場にしゃがみ込んでしまう。

  男たちは驚きながらも、彼女を取り囲んだ。

  「へぇ……すごい格好だな。こんな時間にこんなところで……」


「迷子か? 大丈夫か?」

  セレナは必死に首を振った。

  「ち、違います……私は……ただ、通りすがりで……」

  声が震える。


 だが、男たちは心配そうに近づいてくる。


 一人がセレナの腕をそっと支えようとした。

  その瞬間、彼女の身体がびくんと震えた。


 ただ触れられただけなのに、全身が熱くなり、不快感と恐怖が一気に押し寄せる。

  「ひゃっ……!?」

  「大丈夫か、お嬢さん……?」

  男の一人が心配そうに声をかけ、セレナを壁にそっと寄せかけた。


 片手で肩を支え、彼女を落ち着かせようとする。

  「あぁ……や、やめて……!」

  セレナは必死に抵抗するが、身体は震えが止まらない。


 肩を支えられるだけで、心臓が激しく鳴る。

  「お嬢さん……本当に大丈夫か?」

  男たちが心配そうに声をかけ、セレナを優しく支える。

  セレナは涙を流しながら、震える声で呟いた。

  「……ありがとう……」

  彼女は小さく頷き、よろよろと立ち上がる。


 心に、微かな温かさと、消えない不安を残しながら。


 セレナは男たちに背を向け、夜の闇へと消えていった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

よろしければブックマーク登録、広告下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この酔っぱらい、よくいる竿役かと思ったら何やかんやええやつやん……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ