第十七話:砂漠のキャラバン・砂嵐の中の試練
盗賊ギルドの隠れ家から逃げ出したセレナは、灼熱の砂漠へと足を踏み入れた。
太陽が容赦なく照りつけ、砂が熱く足裏を焼く。
空は青く澄み渡り、視界の果てまで黄金色の砂丘が続く。
呪いの布は、灼熱の環境に反応してさらに薄く、ほとんど身体を覆わない透けたヴェールへと変わっていた。
細い金糸のような紐が肌に食い込み、歩くたびに不快な締め付けと熱気が全身を苛む。
汗が肌を伝い、砂が張り付き、身体全体が黄金色に輝いていた。
「熱い……熱すぎる……」
息が荒く、視界が揺れる。
汗が全身を濡らし、息苦しさが募る。
もう、歩けない。
膝が折れ、砂の上に崩れ落ちた瞬間、遠くから馬の蹄の音が聞こえた。
キャラバンだった。
隊商の男たちが、ラクダと馬車を連れて近づいてくる。
砂漠の旅人たち。
屈強な体躯の男たちが、セレナの姿を見て目を細めた。
「こんなところで女が一人……死ぬ気か?」
リーダーらしき男がラクダから降り、セレナに近づく。
彼女は震える声で訴えた。
「助けて……ください……水を……」
男は静かに頷き、彼女を馬車に引き上げた。
「助けてやるよ。ただし、代償は身体だ。一晩、俺たちの荷物番として働け」
セレナは首を振ったが、呪いの布が脚を絡ませ、逃げることさえ許さない。
男たちは彼女を馬車に固定し、キャラバンを進めた。
日が沈み、夜の砂漠に砂嵐が襲いかかった。
風が咆哮し、砂がテントを叩く。
隊商の男たちは大きなテントに集まり、セレナを中央に座らせた。
薄いヴェールの布は砂と汗で重く張り付き、身体の輪郭がくっきりと浮かび上がる。
「嵐が収まるまで、ここで待機だ」
男たちがセレナを囲み、じっと見つめる。
視線が重く、逃げ場のない監視の目。
テント内の空気がむっと熱くなり、息苦しさが募る。
男たちは順番に彼女の周りに集まり、肩を押さえ、腕を掴み、腰を固定した。
「あぁ……! だめっ……見られてる……!」
不快な圧迫感が全身を駆け巡り、身体が震える。
砂嵐の音が外で咆哮する中、テント内は男たちの息遣いとセレナの震える声で満たされる。
「もっと……強く……!」
小さな声が漏れた。
セレナはもう抵抗せず、自ら身体を預けるようにしていた。
男たちが交代しながら、セレナを囲み続けた。
砂と汗にまみれ、身体が汚れていく。
テント内の視線が、彼女を休む間もなく包み込む。
砂嵐が収まるまで、一晩中。
セレナは汗と砂にまみれ、ぐったりと横たわっていた。
全身が疲労と熱気でいっぱいになり、身体は力が抜けきっていた。
「……もっと……囲んでほしい……」
震える唇から漏れた言葉に、自分でも驚いた。
涙が溢れる。
だが、心の奥底で、微かな諦めが大きくなっていた。
「普通の姫だった頃の私……もう、思い出せないわ」
セレナは震える手で身体を抱きしめ、砂漠の夜明けを待った。
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