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聖女の呪縛 ~露出の呪いで穢され堕ちた王女の末路~  作者: 華咲 美月


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第十一話:闇森入り口・ゴブリンの巣窟

 冒険者パーティの焚き火の明かりが遠ざかり、セレナは一人、闇森の入り口に立っていた。


 黒々とした巨木が空を覆い、足元は湿った土と落ち葉で覆われている。


 月光すらほとんど届かない深い闇。


 冷たい霧が肌を刺し、息が白く凍る。


 だが、それ以上に彼女の身体を震わせるのは、呪いの衣装だった。

「――っ!」

  再び不快な熱い波が全身を駆け巡る。

  首輪付きの布が一瞬で形を変え、緑色の葉を模した極端に小さな布へと変わってしまう。


 布は身体をほとんど覆わず、肌に食い込み、動きのたびに不快な締め付けを与える。


 蔦のような細い紐が腰に巻かれ、歩くたびに肌を強く圧迫する。

「こんな……森の中で……」

  セレナは両手で身体を隠そうとしたが、呪いの影響で腕が思うように動かない。


 布は薄く、肌が透けて見え、不快感が全身を支配する。


 彼女の身体から放たれる奇妙な気配が、霧の中に溶け出し、森全体に広がっていく。

「……ククク……」

  低い笑い声が響き、木々の間から無数の小さな影が現れた。


 ゴブリンだった。

  小柄で醜悪な顔、緑がかった肌、鋭い牙と爪。


 十、二十……瞬く間に数十匹がセレナを取り囲んだ。


 赤く濁った目が、彼女の姿をじっと見つめる。

「いや……来ないで……!」

  セレナは後ずさったが、呪いの紐が脚を絡ませ、逃げることさえ許さない。


 ゴブリンたちは一斉に飛びかかり、彼女を地面に押し倒した。

  「ギャアア!」


「クケケ!」

  小さな手が彼女の腕を掴み、身体を押さえつける。


 鋭い爪が肌を軽く引っ掻き、痛みが走る。


 数匹が同時に彼女を囲み、縄のように絡みついて動けなくする。

「ひゃっ……! やめて……!」

  抵抗するが、ゴブリンたちは数が多い。


 両手両足を押さえつけられ、身動きが取れなくなる。


 布がずれて、身体がさらに不快に締め付けられる。

  ゴブリンたちは交代しながら、セレナを巣窟の奥へと連れていった。


 薄暗い洞窟の中で、彼女は吊るされ、地面に押し倒され、四つん這いにされる。


 一日中、休むことなく監視され、狭い空間で囲まれ続ける。

  「ギャア!」


「もっと動くな!」

  ゴブリンたちの奇声が響き、彼女の周りを飛び回る。


 不快な臭いと湿った空気が、息苦しさを増す。


 肌に触れる冷たい爪と小さな手が、次々と彼女を押さえつける。

  最初は泣き叫んでいた。


 だが、何時間も、何度も繰り返される圧迫と監視の中で、抵抗する気力が少しずつ薄れていく。

  夜が深まる頃、セレナはぐったりと洞窟の地面に横たわっていた。


 全身が汗と疲労でいっぱいになり、身体は力が抜けきっていた。


 ゴブリンたちは満足げに去っていった。

  「……もう……限界……」

  震える唇から漏れた言葉に、自分でも驚いた。


 涙が溢れる。


 だが、心の奥底で、微かな諦めが広がり始めていた。

「……ごめんなさい、父上、母上。もう、普通の姫君には戻れないかもしれません……」

  セレナは震える手で身体を抱きしめ、闇森の奥へと消えていった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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