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-ファントムレイジ- BETRAY Phantom/Rage  作者: ロニ・フィレンス
第二章 日本大統領暗殺編
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第二章38 任務招集

数時間前 ユスティス本部 総帥室


 「諸君、よく集まってくれた」


 広い総帥室に、曽我竜吾の低く響く声がこだまする。室内の空気が一瞬で引き締まり、集まった各部隊の隊長や副隊長達は、一様に姿勢を正す。

 その表情は数日前と打って変わり、戦場に向かう兵士のような緊張感が漂っていた。竜吾の放つ圧倒的な威圧感は、その場の誰一人として余裕を許すことはない。


 もしもここに天多がいたのならば、曽我竜吾を《王》と呼ぶ隊員が続出するのも納得だと感じるほど、彼の放つ威圧的な覇気は尋常ではなかった。


 竜吾が一度、全員を静かに見渡し、やがて低い声で告げる。


 「三日後の夜だ」


 冷静でありながら、冷徹な緊張感を漂わせた声に、集まった面々は息をのむ。


 「先日諸君に伝えた件についてだが、日本国内三カ所の会場にて行われることが分かった」


 彼の言葉に、隊員たちの表情がさらに引き締まる。


 「本来であれば我々のような裏の組織が動く案件ではない。しかしどうにも、その周辺で”白いフード”のグループが怪しい動きを見せているとの情報が入った。なれば話は別、奴らが動くのならば、我々ユスティスが動かなければならない。わかるな?」


 白いフードのグループ、つまりは信徒達が何らかの目的をもって行動しているのだと、誰もがその意味を即座に理解する。


 「会場はそれぞれ、都内で新たに作られた迎賓館、北海道のグランドホテル、大阪の文化会館の三か所。護衛対象が現れるのはそのうちの一か所、都内の迎賓館であることも判明している。複数個所での開催は、新大統領・古佐原蔭光を危機から守るための措置だろう。子供騙しだが……しかし————」


 竜吾の眼光がいっそう鋭くなり、その口調が一瞬、冷徹さを増した。


 「信徒の者共が護衛対象の現れる会場を知っているとは限らない。我々の目的は新大統領の護衛だ。だが、それに伴う被害を出すことは無論、あってはならぬ。故に、本任務では部隊を各地に配置し、少数精鋭にて各会場の内部、外部両方の防衛にあたる」


 竜吾は何もない空間にディスプレイを展開すると、作戦の概要を一枚にまとめた画面を開き、力強い声で竜吾は続ける。


 「まずは防衛部隊を発表する。北海道内部05部隊、外部02部隊。大阪内部08部隊、外部03部隊。東京内部06部隊、外部04部隊を配置する」


 その一言一言に、隊員たちは引き締まった表情を見せる。己の部隊が呼ばれた者たちは、それぞれに無言で背筋を伸ばし、どこか緊張した表情を浮かべる者、静かに次の言葉を待つ者、少し口元を引き締めてニヤリと笑う者もいた。


 「そして直接の防衛には、01と09を配置。また————」


 竜吾は一瞬、間を置いてから続けた。


 「————隊長不在の07部隊は、激戦が想定される東京上空で、ステルス機によるエーテル供給を中心とした直接支援を行ってもらう。……同時に、その間、藤宮隊長代理の直接戦闘を禁ずる」


 その言葉に、部屋の空気が一層張り詰めた。


 「それはいかなる場合であってもですか?」


 藤宮は確認を取るように口を開く。


 「無論だ。今の状態で武装械器を使わせるわけにはいかぬ」


 竜吾は一切揺るぐことなく、淡々と返事を返す。


 「では、これで以上とする。09の隊長以外は下がってよい」


 「「「了解」」」




 **********




 部隊長達が次々と部屋を後に死、重厚な扉が静かに閉じられると、総帥室に残されたのは曽我竜吾と09部隊の部隊長、影弓彦だけだった

 竜吾は椅子から立ち上がると、部屋の出口とは反対側、曽我竜吾の個室へと向かう扉に歩み寄る。弓彦は黙って彼の背中を見守り、竜吾が何かを言うのを待ち続けていた。


 竜吾が足を止める。

 僅かに視線を弓彦へと向けると、静かに口を開いた。


 「奴の武装械器をメンテナンスしておけ」


 「はっ。……は?」


 その言葉に、弓彦は驚きの表情を浮かべる。言葉を失った彼の目が一瞬だけ竜吾に向けられる。普段から冷静沈着な星影だが、今だけはその困惑を隠しきれずにいた。


 「言って聞く奴ではなかろう。状況次第で動くぞ、アレは」


 その声は、先程までの冷徹さと比べて、どこか優しさのような感情が混ざっているように感じられる。


 「構わないのですか?」 


 弓彦は再度、疑問を口にする。

 藤宮が武装械器を使う。その影響と危険性を十分すぎるほど理解する彼は、眉をひそめる。


 藤宮力也は曽我竜吾、ひいてはユスティスにとって危険な存在になりつつある。もしもその真の姿を知られれば、正義感の強いあの男は確実に反旗を翻すだろう。

 であるにもかかわらず、竜吾は依然として藤宮を始末することはない。それどころか、こうして彼の身に危険が迫ることを危惧し、常に何らかの策を講じている。


 竜吾のまなざしが弓彦を捕らえる。深い海底のような冷徹さを孕んだその瞳は、彼の疑問など最初から計算に入れていたかのようだ。


 竜吾が口を開く。


 「何を知ろうが、我が正義の駒に変わりはない」


 その言葉は、弓彦の心に深く刺さった。

 まるでその男が「駒」として完全に自分のものだというように、そう断言することで、全てを支配しているかのような圧力が星影には感じられた。


 「失うにはあまりに惜しい男だ。使用に伴う最悪を遠ざける必要性、理解できるな?」


 惜しみない信頼。曽我竜吾が誰に対しても対等に与えるそれを、弓彦は今まさに自分自身にも向けられていることを強く感じた。


 「承知」


 その一言と共に、弓彦は部隊長としての顔を取り戻すと、静かにただ頷いた。

お疲れ様です、フィレンスです。


今年も残り数日となりましたが、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。

私は、毎日今後の内容を頭の中で修正し続ける無限構想編をやっております。


おかしい……本来ならば既に三章に突入しているはずなんですがね……?

それどころかむしろ、何とか気合で今年中に100話まで間に合わせた感が凄いです。


……折角の記念すべき100話なのに何を話しているんだ私は。


さて、というわけで遅れました、「祝 100話到達!」ということで、何とかここまで続けることが出来ました!

リアル予定と調整しながら時間を確保している都合、日が経つにつれ更新頻度が牛歩になってしまいましたが、それでも高いモチベーションは維持し続けたままでございます。

それもひとえに、こうやって読んでくださる皆様のお陰です。本当にいつもありがとうございます。


ストーリー進行はかなり遅くなっていますが、本日の更新でようやく二章の前半部分が終わった段階です。ここからはいよいよ戦闘パートに突入します。とはいえ、予定どおりに進むのならばストーリーが大きく動くのは第四章ですので、進行自体はまだ急加速という段階ではないのであしからず。


次回の更新は、出来れば全体の内容が完成してから投稿したいと考えております。(いつになることやら……)

というわけで、後書きはここまでにさせていただきましょう。

それでは皆様、インフルエンザが流行っている時期ですので、体調にはお気を付けください。

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