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エトランジェ  作者: 楓 海
9/11

やっと·····················

 読んで戴けたら嬉しいです。(*≧∇≦)ノ

 あの日を境に遥緋(はるひ)は学校を休みがちになった。


 日に日に弱って行ってるように見えた。


 歩く姿に生気が失われ、眠ってばかりいる。


 輝く様に白く艶やかだった肌はかさかさにくすんで、さくらんぼのように熟れた口唇は今は荒れて皮がむけひび割れていた。


 時だけが無情に流れ、遥緋は毎朝ベッドから起き上がると逢いに来なかったことを責めるように、恨めしそうな目でボクを見た。


 ボクだってどれほど逢いたいか············。


 その日は体調が良かったのか三日振りに学校へ出掛けて行った。


 でも途中で体調を崩したのだろう昼頃に帰って来た。


 カバンをベッドに放り投げるとそのままベッドに倒れ込んだ。


 どれくらい経っただろうか、目を覚ました遥緋は長い間辛そうな顔でボクを見詰めた。


 泣きそうに顔を歪め、遥緋はよろよろと立ち上がると縋るように絵のボクに額を押し付け、カンバスを撫でた。


 頬ずりを繰り返し、涙でカンバスのボクは濡れる。


 ボクに逢えない事がこんなにも遥緋を苦しめているのかと思うと申し訳ない気持ちで胸が張り裂けそうになる。


 涙の感触が温かくて切ない。


 ボクもどうしていいか解らない。


 なのに遥緋は辛そうに息を乱し、ボクの頬に頬を摺り寄せ、ボクの口唇に口唇を押し付けた。


 キス················?


 喜びよりも驚きと混乱がボクの内側を占める。


「·········逢いたい················」


 遥緋は声を絞り出すように言った。


「···················」


 このまま床に蹲ると寝息を立て始めた。


 考える余裕など無かった。


 ボクは直ぐに遥緋の意識に繋がった。


 目を開いた遥緋はボクを見ると直ぐに両腕をボクの背中に回して、思い切り抱きついて来た。


 息ができないくらい強く抱き締めるから、ボクは喘ぎながら言った。


「ギブギブ、息できない」


 遥緋は少しずつ力を緩めながら囁くように言った。


「逢いたかった··············」


 ボクはただ一言ごめんと言うのが精一杯だった。


 遥緋はボクの肩に顎を載せ耳元で言った。


「どうして?

 もうオレのこと好きじゃない? 」


「そんな事··········ある訳無い············」


「じゃあ、どうして? 」


 ボクはその問いに真実を言う事ができない。


 どうして言えるだろうか、自分はパラサイトのように遥緋の命を削ることで存在していると。


 今遥緋の生命力は尽きようとしている、それは総てボクのせいだと。


 それを告げたら、ボクは遥緋の信頼を失い、軽蔑される。


 そんな事になったら、ボクは存在の意味を失くしてしまう。


 ボクは人間のように自分から存在を断つことはできない。


 ただ苦しみの中に閉じ込められ、永遠に近い時を過ごすことになるだろう。


 ボクは言った。


「好きだよ、遥緋

 この気持ちは永遠に変わる事は無い」


 遥緋はボクの服をぎゅっと握り締め肩に額を押し付けた。


「オレも···············」


「え············? 」


 ボクは驚いて遥緋の身体を引き離して、顔を覗き込んだ。


「今、なんて·············? 」


 遥緋はほんのりと頬を赤く染めて上目遣いでボクを見る。


 ああ、そんな顔反則だよ。


 一瞬悶えそうになったけど、かろうじて耐えた。


 遥緋は言いずらそうに言った。


「オレも好きって言ったんだ」


 は?


 ボクは思考力を失い、言葉の意味を理解するのにやや暫くかかった。


 そして出た言葉は情けなさを極めた。


「だって、ときめかないって······」


 遥緋は視線を落とした。


「安心するんだ、朔と居ると··········」


 少し甘えた声で遥緋は言った。


「好きになるのにそれ以上の理由はいらないだろ? 」


 遥緋を思い切り抱き締めた。


 全身に喜びが溢れる。


 この瞬間をどれほど待ち侘びただろう。


 必死で遥緋を支えようと頑張っていたから遥緋の心の変化に気付きもしなかった。


 こんなにも嬉しい驚きに全身が震える。


 遥緋の腕が優しく抱き返す。


 頬と頬が触れ、遥緋の口唇が触れてボクの頬を滑る。


 遥緋の口唇がボクの口唇を捕らえてそっと包み込んだ。


 遥緋························。


 自然と目が閉じると頬が暖炉の炎を浴びたように熱くなる。


 頭が真っ白になって何も考えられなくなって、喜びと倖福感が全身に染み渡ってとろけそうだった。


 時間が止まってしまったように感じる。


 遥緋への愛しさがまるで爆発を起こしたように溢れて気が遠くなりそうだった。







 読んで戴き有り難うございます❗゜+.゜(´▽`人)゜+.゜


 出掛ける用事がズレにズレて今日になりました。

 その間、夜中に時間設定をして投稿しようと、タブレットに打ち込んでいたのですが、いつも時間設定するの忘れて、夜中のとんでも無い時間に投稿してしまうんですよお。。゜(゜´Д`゜)゜。

 今日はもう諦めました。( ´Д`)=3

 今、朝の四時半ですが、更新します。笑笑

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― 新着の感想 ―
[一言] 憑き物・・・ そんな感じなのでしょうね。 遥緋、大丈夫かな。 朔の絵は何画なのでしょう? 水彩画だとかなり気を使わなければ、長期間の保存は難しいですが、油絵なら保存状態が良ければ数百年も持ち…
[良い点] ふたり思いが通じ合って良かったけれど、どうなるのかなあ? ハッピーエンドは無いのかな、
[一言] はるひ、告白できてよかった…そしてさくも想いが実って本当に良かったです…。でも、これで終わりじゃないんですよね、きっと。まだ後2話…どうなってしまうのでしょう…はるひの体調も心配ですし…緊張…
2023/05/22 09:33 退会済み
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