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エトランジェ  作者: 楓 海
10/11

成橋

 読んで戴けたら嬉しいです。(o^-^o)

 ボクと遥緋は何度も互いの口唇を求めあった。


 存在を確かめ合うように抱き合い触れ合った。


 玄関のチャイムが頻りに鳴るのが聞こえる。


 遥ひは、夢でも見ているような虚ろだった目が現実へと引き戻され、霞みとなってボクの腕からすり抜けて行った。


 遥緋が現実で目を覚ましたからだ。


 遥緋の足音が階段を降りて玄関へと向かう。


 誰だろう、ボクと遥緋の愛の時間を邪魔する無粋者目。


 暫くすると遥緋は来客と一緒に部屋に戻って来た。


 その来客は············成橋だった。


 なんで、こいつが·············?!


「それで、話って何? 」


 遥緋がぶっきらぼうに言う。


 遥緋は成橋にいい印象を持っていない。


 成橋の熱烈な視線を睨んでいると言っていた。


 同性愛者だと言う事を見透かされているとも思っている。


 このあからさまに歓迎していない態度は至極当然だろう。


 成橋は一通り部屋を見渡してボクの前に立った。


「絵を描くのが趣味なんだね

 凄く上手だ」


 当たり前この事をいうな、遥緋は天才だ。


 こいついったい何しに来た?


 目的は何だ?


 成橋がボクを見て言う。


「この絵は誰を描いたの? 」


 遥緋は不機嫌そうに答える。


「誰でもいいだろ、成橋の知らない奴だよ」


 こんなに気の無い事を言われても成橋はめげずに言った。


「最近調子が悪いみたいだけど、病気なの? 」


「さあな、原因不明で医者もお手上げなんだ」


 胸がズキンと痛む。


「で、話って何? 」


 遥緋は不機嫌なのを隠しもせず、畳み込むように言った。


 成橋は意を決したように遥緋に向き直る。


 ボクは何だか嫌な予感がした。


 成橋は遥緋を熱く見詰めて言った。


「気付いてるでしょう、いつも俺が君を見てるの」


 遥緋は肩を竦めて、それがどうしたと云う顔をした。


「好きなんだ」


「は? 」


 鳩が豆鉄砲食らったような顔で遥緋は成橋を凝視する。


 ボクの嫌な予感は的中した。


 ボクは目の前に突っ立っている成橋に手を伸ばし、首を絞めてやりたかった。


 クソ、なんて大胆不適な奴だろう。


 家に押し掛けて告るなんて。


 ここに姿を現せる事ができたら、部屋から叩き出してやるのに。


 この時ほど肉体が欲しいと思った事は無い。


 成橋は遥緋の視線を避けるように落ち着き無く目線を落とす。


「俺と付き合って欲しいんだ」


 遥緋の顔がみるみる険しくなる。


「お前は、オレをなんだと思ってる?!

 出て行け!!

 オレはお前が思ってるような人間じゃない! 」


 遥緋は成橋の手首を掴み、引っ張って部屋から叩き出そうとする。


 いいぞ、遥緋!


 もっと言ってやれ!!


 成橋は遥緋に引き摺られながら叫ぶ。


「ずっと好きだったんだ!!

 きっと大事にするよ!

 あいつみたいに君を泣かせる様な事はしない!

 あいつだろ?!

 君はあいつが好きなんだろ?!! 」


 成橋はボクを指差す。


 遥緋の動きが止まる。


「どうして、それを··················? 」


 成橋は遥緋の手を振り払うと言った。


「解るよ、見ていれば

 俺はずっと君を見てたんだ

 絵に描くほど好きでも、あいつは君を泣かすんだ! 」


 どうやら成橋はボクを実在する人間だと思っているらしい。


 遥緋の顔が更に険しくなって、ドアを開くと成橋を追い出しドアを閉め、開けられないようにドアを引っ張った。


「さっさと帰れ!

 二度と来るな!!」


 吐き捨てる様に遥緋が叫ぶ。


 暫くして、ドアの向こうで成橋が言う。


「心の底から好きなんだ

 だから、俺は諦めないから··········

 今日は帰るよ」


 成橋の足音が遠ざかる。



 読んで戴き有り難うございます❗゜+.゜(´▽`人)゜+.゜


 夕べ、夜中の2時半に目を覚ましてから寝てません。

 ただいま絶賛ヘロヘロです。

 く~~~~~~歳には勝てないって事ですかね。

 今から寝ようと思います。

 昨日、沢山感想戴いてルンルンだったのですが、楽しみの返信が書けません。

 感想下さった皆様、有り難うございます。m(_ _)m

 遅れてすみません。<(_ _*)>

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― 新着の感想 ―
[一言] うわぁ…なるはし…これは大変なことになりますね…ましてやさくにとっては悪夢でしかないですね…。さくが好きだ、と言ってもただの絵だろ?で奪われかねませんし…。どうやってさくとはるひ、お互いの気…
2023/05/24 16:25 退会済み
管理
[一言] いよいよ成橋くん、乗り込んできました。 さすがに鼻が利くと言うか、ライバルが一体何者であるか見つけるところが凄いです。 成橋くん、実は私のイメージは苗字が似ている成宮さん(相棒に出ていた人)…
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