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悪夢を振り払え〜あなたを魔王にはさせません!〜  作者: ねこおう
第5部 旅の終わり編

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910/913

910話 不気味な依頼

 リサヴィはピグウを購入した街まで戻って来た。

 この街には探索者ギルドがあり、サラは探索者ギルドに魔王ンベイについて記した手紙をナナルに送る依頼を出した。

 探索者ギルドはナナルのいる神殿都市ムルトにはないので、というかエル聖王国には一つもなく、南方都市国家連合にも数が少ないため探索者ギルドだけで手紙を運ぶとなると時間がかかり過ぎる。

 そこで探索者ギルドは冒険者ギルドまで運ぶところまででそこからナナルのところへは冒険者ギルドに依頼するように指示した。

 ギルド間は魔道具“転送くん”で一瞬で運ばれるため、時間がかかるのは探索者ギルドから冒険者ギルドへ運んで依頼手続きすることとムルトの冒険者ギルドから第二神殿への配達だ。

 ちょっと面倒なので依頼料は結構取られたが(冒険者ギルドへの依頼料含む)金には困っていないので提示された料金をそのまま支払った。

 サラは「出来るだけ急いで」と念を押した。

 それでちょっとだけ肩の荷が下りた。

 この後、カルハンのいくつかの街を経由して都市国家バイエルへ向かう予定だ。

 魔王ンベイが支配しているという都市国家ソドムラへ向かうにしてもバイエルは通り道なのだ。

 バイエルに着く頃にはナナルからの返事が来ているはずなのでその内容を見て次の行動を決めるつもりだ。

 サラはこの話をリオにしたが、幸いにも反対されなかった。

 賛成するとも言わなかったが。



 前回、泊まった宿屋へ泊まろうと向かっている途中でサラはいくつもの視線を感じていた。

 実は街に入ったときから視線を感じていたのだが、探索者ギルドを出るとその数が更に増していた。

 これまでであればそれらはクズ冒険者達でメンバーの引き抜きや依頼のおこぼれを貰おうと根拠のない自信を胸にすぐさまやってくるところだ。

 それが今回はない。

 ただ、その説明は難しくない。

 この街には冒険者ギルドがないから冒険者がほとんどいない。

 他の冒険者に寄生して糧を得るクズ冒険者にとって活動しにくい場所なのでいないのは当然と言えた。

 では、彼らは探索者なのだろうか?

 確かに冒険者パーティ、リサヴィの名はカルハンの地にも知れ渡ってはいるがカルハンの探索者達がサラ達の姿を見ただけでリサヴィだと気づくとは考えにくい。

 それにやはり不自然な行動の説明がつかない。

 リサヴィを監視している者達は一体何者でその目的は何なのか?

 

(……わざと監視していることを気づかせているわけではないわね。単純に実力不足なだけね)


 サラは監視する者達の一人にさりげない仕草でチラリと見た。

 装備からすると冒険者か探索者のようだ。

 監視者達の視線に気づいたのはもちろんサラだけではない。

 リサヴィの中で一番最後に気づいたアリスがその中の一人へ顔を向けた。

 その者はアリスと目が合うと一瞬「しまった!」というような表情をした。

 その後の決断は早く、監視するのをやめて笑顔を浮かべながら近づいて来た。


「呼んだか!?アリエッタ!」

「誰がよっ!?」


 サラはその言葉を聞いて彼(彼ら)はサラ達がリサヴィだと知っていて監視していたのだと確信する。

 丁度良いと理由を尋ねることにした。


「私達に何か用ですか?」

「ん?なに言ってんだ。そっちが呼んだんだろうが。なっ?」


 そう言って彼はアリスに「話を合わせろ」と目をぱちぱちして合図する。

 しかし、アリスはその合図に気づかなかったようだ。


「呼んでませんっ。気持ち悪い視線を感じたから見ただけですっ」

「ざけんな!」


 アリスが事実を口にすると彼は激怒した。


「それは俺じゃねえ!他の奴らだ!」

「他の奴ら、ですか」

「あ……」


 彼は「へへっ」と笑って誤魔化そうとした。

 もちろん、失敗した。

 彼は仕方なさそうな顔をしながら言った。


「まあ、いいか。もう誰か報告してるだろうしな」

「報告?」


 そこで彼はニヤリと笑って取引を持ちかけてくる。

 サラに向かって手を差し出して言った。


「金貨一枚だ」

「……」

「それでお前達を監視していた理由を話すぜ」

「……」

「ぐふ、払ってやったらどうだ」

「ですねっ」

「あなた達が払えばいいのではないですか?」

「ぐふ、お前を指名しているのだ。横取りは反感を買うと“前職“で身を持って知っているのではないか」

「おいこら!何が前職だ!?」

「おっ、やっぱあの噂は本当……って、そんな怖え顔すんなよ。ほれほれ」


 彼はサラに再び金を催促する。


「……」


 サラは仕方なく支払った。

 彼はその金を懐にしまいながらニコニコ顔で話し始めた。


「実はな、お前らリサヴィを探している奴がいてな。現在地と出来れば目的地を調べろって依頼が出てたんだ。それも結構な額だ」

「依頼?誰ですか?」

「さあな。依頼書に依頼者の名前が書かれてるほうが珍しいだろ」

「確かにそうですね」

「ぐふ、先程リサヴィを探していると言ったな。個人ではなくリサヴィなのか?」

「ああ、そうだ。リサヴィだ」

「ぐふ、私達をこの街で見つけたのはたまたまか?」

「それもあるがよ、依頼にこの辺りにいるはずだって書かれてたんだ」

「「「「……」」」」


 ここまで一言も発していなかったリオが初めて口を開いた。


「その依頼は探索者ギルドか冒険者ギルドか?」


 そこで一旦言葉を止めてから続ける。


「それとも闇ギルドか?」

「「「!!」」」


 彼はリオの問いに薄笑いで返した。


「俺はここで降りるが他の奴らはお前らの後をつけてくるかもな」


 そう言って彼は去って行った。


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