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624話 結界再起動

 冒険者達を仕留めたガルザヘッサが魔術士ギルドの者達が隠れたリムーバルバインダーの元へ戻ってきた。

 そしてリムーバルバインダーに爪を立てる。


『きゃっ!』

『だ、大丈夫だ!こいつは頑丈だ!ちょっとやそっとじゃ破れない!』

『お、おう!』

『もうやだー!来るんじゃなかったっー!』

『落ち着け!もう喋らず助けが来るまでじっとしてるんだ!』

『『……』』


 もし、彼らの魔装具があらゆる機能をオミットした廉価版魔装具だったら荷物入れに魔物の攻撃をを防ぐほどの強度はないためとっくに破られ、先に旅立った冒険者達と同じく樹海へと引き摺られていったことだろう。

 とはいえ、ガルザヘッサの攻撃は強力だ。

 盾の機能を持つ頑丈なリムーバルバインダーといえど攻撃が続けばいずれ破られるだろう。

 リムーバルバインダーが破られたとき、それが彼らの命運が尽きる時でもあった。



「それでどのくらい経ったのかわかりませんが皆さんが助けに来てくれたので……!?」


 最初に救出された魔術士ギルドの男Aは話している途中でリオが短剣を取り出すのが目に入った。

 何をするんだろうと思った瞬間、尋ねる暇もなくリオは短剣を樹海へ向けて放った。

 彼には適当に投げたように見えた。

 その短剣が樹海から音も無く飛び出したガルザヘッサの眉間を貫いた。

 ガルザヘッサは悲鳴一つ上げることなく街道に転がると動かなくなる。

 即死だった。


「新手よ!!数は十体以上!」


 カレンの女盗賊が声を上げる。


「どうやら逃げた奴らが応援を呼んできたみたいね!」

「返り討ちよ!」


 サラが魔術士ギルドの者達に声をかける。


「すみませんが声をかけるまでまたリムーバルバインダーの中に隠れていて下さい」

「「「わ、わかりましたっ」」」


 魔術士ギルドの者達は戦いの様子をリムーバルバインダーの目を通して見ていた。

 次々と現れるガルザヘッサを圧倒的な強さで仕留めていくリサヴィとカレンの姿を見て思った。


 彼らは一緒に来た冒険者達とはレベルが違う!


 と。

 一緒にやって来た冒険者達はBランクやそれに近い実力を持つCランク冒険者であった。(Bランクに近い云々はCランク冒険者達の本人談)

 彼らの中でガルザヘッサを一撃で仕留めた者はほとんどいなかった。

 しかし、リオ達は一撃必殺の勢いでガルザヘッサを葬り数を減らして行く。

 ガルザヘッサの援軍は絶えずやって来るもののそれ以上の早さで倒していく。

 魔術士ギルドの者達は最初のときとは違い恐怖はなかった。

 リムーバルバインダーの中で安心して声がかかるのを待つことが出来た。

 十分ほどしてリムーバルバインダーが外から軽く叩かれた。

 リムーバルバインダーから出て辺りを見渡すとガルザヘッサの死体は倍以上に増えていた。



 リオとヴィヴィが倒した魔物からプリミティブを慣れた様子で素早く抜き取っているのを感心して見ていた魔術士ギルドの者達にカレンの女リーダーが声をかける。


「すみませんが結界装置が故障していないか確認をお願いできますか。また襲ってきては面倒ですので」

「あ、はい。わかりました」


 魔術士ギルドの三人が結界装置の動作確認をする間、カレンのメンバー、サラ、そしてアリスは周囲の警戒をする。

 幸いにも結界装置はどれも故障はしておらず、プリミティブを交換するだけで作動しそうだった。

 周囲を警戒しながらその様子を見ていた女盗賊が装置から取り出した、恐らくウォルーのものと見られるプリミティブをマジマジと眺めてから呆れた顔で言った。


「クズ達はよくこんなバカなこと考えたわよね」

「まったくです」


 魔術士ギルドの者達も使用済みのプリミティブを見ながら頷いた。

 結界装置を再起動する前にプリミティブを抜き取ったガルザヘッサの死体を起動した結界内に残らないように樹海へと捨てる。

 あとは魔物が処分するはずだ。

 その作業が終わり、結界装置を起動させると周囲が結界で覆われた。

 


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