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悪夢を振り払え〜あなたを魔王にはさせません!〜  作者: ねこおう
第4部 クズ達のレクイエム編(タイトル変更)
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526話 ニューズの意思確認

 リサヴィは一度ギルドを後にして、その日の夕方、再びギルドにやって来た。

 着いて早々にモモに応接室に案内された。

 その場にはニューズの他、あの魔術士と神官も揃っていた。


「お久しぶりです!リサヴィの皆さん!」


 ニューズのリーダー、ヤックに続いて、戦士のソウオン、盗賊のリイも続く。

 サラ達がニューズへの挨拶を済ませると魔術士が声をかけて来た。


「話は聞いた。ぜひ協力させてくれ」


 神官も続く。


「俺もだ。お前達の頼みだ。断れるかよ!」


 一通り挨拶が終わったところでモモがにっこり笑顔で口を開く。

 

「リサヴィの皆さんの希望通りのメンバーを揃えることが出来ました!」


 サラ達が「ニューズを希望したのはあなたでしょう」と突っ込む前にヤックが口を開いた。


「俺達を誘ってくれて嬉しいです!」

「「「……」」」


 ヤックを始め、他のメンバーも嬉しそうな表情をしていたのでサラ達は訂正するのをやめた。

 

 

 ヴィヴィがニューズに真剣な表情で言った。

 と言っても仮面で顔は見えないが。


「ぐふ、既にモモから話を聞いていると思うが、相手にする魔物はデスヴァイパーだ」


 その後にサラが続く。


「あなた達よりもランクが上の非常に危険な相手です」

「は、はい、聞いています」


 ヤックが少し緊張した面持ちで答え、他のメンバーが頷く。

 サラが彼らの意思確認を行う。


「もし、少しでも無理だと思うのでしたら今のうちに辞退してください」


 ニューズは間を置かずに答えた。


「やります!」

「ああ!」

「是非一緒にやらせてください!」


 サラは彼らの顔を見回してから言った。


「わかりました」


 サラの答えを聞いてニューズはほっとした表情をするが、サラの話はまだ終わりではなかった。


「では、向かう前にあなた達の腕を確認させていただきます」

「「「えっ?」」」


 彼らが驚いた表情をするのに構わずサラは話を続ける。


「あなた達の意思はわかりました。しかし、連れて行くかはまた別の話です。あなた達がいくら希望しても私達が実力不足と判断したら一緒に依頼を受けるのは遠慮してもらいます」

「ぐふ、無駄死にさせるわけにはいかないからな」


 サラとヴィヴィの言葉は彼らの心に火をつけた。


「望むところです!」

「「おう!」」


 サラ達の話を聞いて魔術士が口を開く。


「確かにそれはいいな。俺達にとっても早くお前達の力を知るに越した事はない」

「そうだな。実戦で足手纏いだとわかっても手遅れだからな」


 皆の話を聞いてモモが場所の提供を申し出る。


「そういう事でしたら訓練場をお使いください」

「いいのですか?」

「もちろんです。ただ、皆さんは目立ちますので……そうですね、人の少ない早朝、明日の朝はいかがですか?その間は設備の点検中とでも言って立入禁止にしてもそれほど問題にならないでしょう」

「私達はいいですが、って、いいですよね?リオ」


 サラが念のためにリオに尋ねる。

 

「いいんじゃない」


 リオは他人事のように答えた。

 その態度にサラは内心むっとしながらも何事もないようにニューズ達に顔を向ける。


「あなた達はどうですか?」

「俺達は問題ないです!」

「はい!」

「いつでもいいです!」


 更に魔術士、神官も「問題ない」と返事をする。


「ではそれでお願いします」

「ぐふ、その後すぐ出発だな」

「そうですね。それでいいですか?」

「「「はい!」」」


 ニューズが即答し、神官、魔術士にも異論はないようだった。


「ではそのように手配します」


 そう言ったモモに魔術士が尋ねる。


「ちょっと確認だが」

「はい?」

「そいつらが不合格だった場合、俺らはどうなるんだ?」

「「「!!」」」


 魔術士の言葉に神官が真っ先に反応した。


「おいおい!そんなの決まってんだろ!そいつらの合否に関係なく俺は行くぞ!」

「俺もそのつもりだが、念のための確認だ」

「はい、それは……」


 モモがリサヴィに顔を向けて答えを求める。


「はい、お願いします」

「ぐふ、お前達はCランクだからな。自己責任だ」

「ですねっ」


 リサヴィの返事を受けてモモが答える。


「という事ですのでお二人ともよろしくお願いします」

「ああ」

「おう!」


 こうして明日の早朝にニューズの腕を確認した後、そのまま別荘へ向かう事になった。

 なお、報酬についてだが、通常のCランク依頼と同程度となった。

 報酬について話をした時のモモは「ギルマスに頑張って交渉しました!」と誇らしげな顔をしたが、サラは難易度から考えてその報酬では少ないと思っていた。

 だが、また「お金に汚い」と言われるのも嫌なので同じ考えであるはずのヴィヴィが文句を言わないかと期待したが、当のヴィヴィは何も言わなかった。

 その代わりと言ってはなんだが、アリスが「あっ」と声を上げた。

 しかし、報酬のことではなかった。


「あれっ、どうなりましたっ?ハモリクズっ!」


 その言葉を聞いて魔術士と神官が心底嫌そうな顔をした。

 

「ハモリクズ?」


 あの場にいなかったニューズが首を傾げる。

 それを見てサラが彼らに簡単に説明した。

 

「……そんなクズがまだマルコにいるのか」

「リサヴィがせっかく一掃してくれたのにしぶといな!」 

「リイ、私達はそんなことしてません」


 サラが無表情で訂正するのを見てリイは怯える。

 

「す、すみません!サラさん!」

「ぐふ、それでモモ、ハモリクズはどうなった?」


 モモは申し訳なさそうな顔で言った。

 

「すみません。彼らの行方はわかりません。まだマルコにいるかどうかも」

「そうですか」


 神官が補足する。


「俺らはあれから会ってないぞ。なあ?」

「ああ。あの巨乳……新米パーティに絡んでるとか?」

「彼女達でしたら今朝、ギルドに来ましたがその時は何も言ってませんでしたね」

「そうですか」

「ぐふ、まあ、いないならそれでいいだろう。クズの事で頭を使いたくないしな」

「ですねっ」



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