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悪夢を振り払え〜あなたを魔王にはさせません!〜  作者: ねこおう
第4部 クズ達のレクイエム編(タイトル変更)
425/867

425話 リサヴィ派との出会い

 リサヴィがある街のギルドに入った時だった。


「お前らちょっと待て!」


 そう言って偉そうに近づいてくる一組のパーティがあった。


「「「「……」」」」


 彼らはリサヴィの前にくると、


「俺らはリサヴィ派だ!」


 と叫んだ。

 その者達の顔は皆どこか偉そうだった。

 そしてそのままの態度で話し始めた。


「お前らがクズ冒険者かどうか俺らが依頼について行って判断してや……ちょ、ちょ待てよ!」


 リオが依頼掲示板へ向かうのでそれにサラ達も続いた。

 リサヴィ派の者達は無視された事で顔を真っ赤にして怒りを露わにしてリサヴィの後を追って来ると前を塞いだ。


「邪魔です」

「聞こえなかったか?お前らがクズかどうかリサヴィ派の俺達が……」

「ぐふ。余計なお世話だ」

「んだとぉ!?」


 ヴィヴィは彼らの相手するのが面倒臭くなり、まだ食い下がってくるそのパーティの一人にリムーバルバインダーを叩きつけた。


「ぐへっ!?」


 その冒険者は宙をくるくるくる、と踊るように回転し、ぼてっと落ちてアホ面晒して気絶した。


「や、やりやがったな!俺らリサヴィ派に逆らいやがって!テメエはもう終わりだぞ!」

「ぐふ。お前は今、終わりだ」

「ちょ、ちょ待てよ……ぐへっ!?」


 更にもう一人がリムーバルバインダーの一撃を受けて、先ほどと同じく宙をくるくるくると小躍りするように回転し、ぼてっと落ちてアホ面晒して気絶した。

 

「ぐふ。まだ文句はあるか?」

「お、覚えてろ!!」


 残りのメンバーは気絶した仲間を放置してギルドから逃げていった。

 当然、話はこれで終わらなかった。



 リサヴィが泊まる宿屋の一階で食事をしていると昼間にギルドでヴィヴィがのしたパーティが現れた。

 更に知らない者達も数人いた。


「コイツらです!」


 ギルドで絡んで来たリサヴィ派を名乗る冒険者がヴィヴィを指差す。


「……」

「俺らリサヴィ派をバカにしたんです!絶対許せませ……」

「馬鹿野郎ー!!!」


 サラ達の見知らぬ男は説明していた冒険者を力いっぱいぶん殴った。

 その冒険者はぶっ飛んでいき、壁に激突してアホ面晒して気絶した。

 本日二度目のアホ面であった。


「な、何を……」

「見てわからないのか!?彼らが俺達が崇拝するリサヴィだ!」

「なっ!?」


 そう言われて初めてリオ達に絡んできたリサヴィ派の者達は自分達をのしたパーティの構成がリサヴィと同じであることに気づく。

 

「本物もわからないお前らにリサヴィ派を名乗る資格はない!」

「ちょ、ちょ待てよ!」

「黙れ!このクズ共が!!この失態は絶対に許さん!!」


 その男の殺意を察して「ひーっ」と悲鳴をあげてリサヴィに絡んで来た者達が逃げていった。


「追え!奴らを推薦した奴らを聞き出してそいつらも捕えろ!」

「おうっ」

「任せろ!ぜってい逃さねえ!!」


 その男の指示で残りの冒険者達が逃げた者達を追いかけて行く。

 


 その男、リサヴィ派のリーダーはリサヴィに向かって笑顔で挨拶する。


「お久しぶりです!リサヴィの皆さん!」

「……どこかで会った事ありましたか?」


 リーダーは悲しい顔をしたが直ぐにシャキッとした顔に戻り謝罪する。


「先ほどは大変失礼しました。組織が急激に大きくなったため、本来駆除対象であるクズが紛れ込んでしまったようです。本当に申し訳ありませんでした。奴らを推薦した者達を含め至急処分しますので」

「いえ、私達は関係ありませんし、物騒なことはやめてください」

「……わかりました。今回は皆さんのいう通りします」

「ぐふ。リサヴィ派などと名乗られて迷惑している。やめろ」


 ヴィヴィの言葉にリーダーは一瞬ムッとしたものの、ちらりとリオの表情を窺いながら反論する。


「ヴィヴィさん。残念ですがそれは出来ません」

「ぐふ?」

「何故ですか?本人の私達が拒否しているのですが」


 サラが理由を尋ねるとリサヴィ派のリーダーは驚くべきことを口にした。


「リサヴィ派を名乗っているのは俺達だけではありません」

「え?」

「今や各地で生まれています。そしてそれぞれが独自の判断でクズ冒険者を排除しているのです」

「ぐふ。つまりお前はリサヴィ派すべてを統べるリーダーではない、いや、そもそもそんな者はいない、と言うことか?」

「そうです。仮に俺達が名乗るのを止めても他の地域で活動するリサヴィ派には全く影響を与えませんし、ここには新たなリサヴィ派が生まれるだけでしょう。もうこの流れはあなた方リサヴィでも止められないのです。そう、あなたが俺達のトップにならならい限りです。リオさん」


 そう言ったリサヴィ派のリーダーはまるで狂信者のようの目をしてリオを見つめた。

 しかし、当のリオは、


「そうなんだ」


 といつもの返事をするだけだった。


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