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怨霊の住む館・フラグメント  作者: リィズ・ブランディシュカ
第2章
7/10

07 勇気



 何度目かの遭遇。


 化け物と対峙した時の事。


 それは、私の人生の中で、おそらくもっとも輝いた瞬間で。


 いちばん最後の思い出だった。


「私だって、やればできるんだからっ」


 私はなけなしの勇気を振り絞る。

 ずっと勇気がほしかった。


 こんな状況じゃなかったら、出なかったかもしれない。

 でも、最後の最期にカッコいい所みせられたかな。


 私は死力を振り絞って、化け物が持っていたぬいぐるみを奪い取った。

 私をいたぶろうと近づいていた化け物は驚いて硬直した。


 今までめそめそするばかりの哀れな少女が、反撃して驚いたのかもしれない。


 私は奪い取ったそれを力いっぱい引き裂こうとする。

 焦げのあるぬいぐるみを左右から思いっきり。


 けれど、時間切れだ。

 あともう少しというところで、激高した化け物に殺されてしまった。


 ああ、生きてここを出たかったな。


 でも、がんばったよね。


「そうね、よくやった方だと思うわ」


 私の意識は暗い闇にのまれていった。



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