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『七行詩集』

七行詩 701.~710.

作者: s.h.n


『七行詩』


701.


一人がいちばん楽なのは


たとえば 寝返りを打つとき


隣の誰かにぶつかるかも なんて


考えなくたっていいから


独り言や 想いのあまり ため息をつくとき


隣の誰かに聞こえるかも なんて


考えなくたっていいから



702.


慣れない恋というものは


一人で延々と 神経衰弱をしていて


探り探り カードをめくるまで


それが正解かどうか分からずに


間違える度 一つずつ覚えていくような


気の遠いものであるけれど


次のゲームまで 貴方は顔を 見せていてくれますか



703.


貴方は幸せを探すために


ある時は 十字架に背を向けることを ためらうけど


私は伝えましょう 素敵な人の周りには


良い人ばかりが集まるのだと


それを証明するためなら


私も善人である努力をし


いつまでも 貴方の傍に 控えましょう



704.


誰かのために 注いだ時間は取り戻せない


けれど最初からやり直し 自分のために使えたとして


想うことで得た 充実感は取り戻せない


何度でも無駄だと 君は言う


僕の答えは他にあると 君は言うけど


君もまだ 一つの答えは見つけていないよね


人生は 素敵なことも含め 無駄なことばかりなんだよ



705.


貴方が透明人間になり 私にしか見えなくなればいい


そうすれば貴方は 私を頼り 私の家を訪ねるでしょう


私の仕業であると すぐに見抜いたかのように


怯えた目で見つめられながら 永遠に傍に置くのか


たった一度の 感謝の笑顔を受け取るために


その魔法を解き 幸せを願い 送り出すのか


私は選ばなくてはならないでしょう



706.


もしもこの出会いが 貴方にはなくても


何も変わらず 進んでこれたでしょう


なら 誰のための出来事であったか


神は私を見てくださっていた


意味のない会話はあっても


意味のない時間などなかった


この出会いは 私のためだけの贈り物だった



707.


三年前の七夕から ちょうど千夜を数えた日に


私はある決心をしました 


出会いがくれた支えを頼りに 自分の道を歩くこと


それが1000ピースのパズルであったように


一つ一つに導かれて ここまで来たのだから


前に進み 再び交わることがなくても


振り返れば あの川のほとりで 線は重なっていた



708.


私より 若く美しい人が現れたら


裕福で 有望な人が現れたら


貴方は私を忘れるでしょう


けれど私は 羨ましいとは思いません


私にとって 若さは無力さの象徴だった


何もしてやれなかった 望まれることもできなかった


そんな若さに どれほどの意味があるのでしょう



709.


よく嘘を吐いたり よく泣いたり


時間に間に合わなかったり


怒ると怖いことも知ってる


それでも貴方の笑顔が大好きで


貴方が 笑っていられる世界に


夢に力を注げる 健やかさに


心から感謝します



710.


雨上がり 泥濘の上 水溜まりを避けながら歩く


足元の花を 踏み折らないように


歩調を合わせる人もいないから


その愛らしく咲く姿に 私は足を止められる


私を励ましてくれた 桜の木達に


虫の音に 風の涼しさに


この道が好きだと 語りかけ 囲まれていたい


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