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放浪記  作者: セルロイド
7/15

旅人の手記・4

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◇ 4.

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 どーもー

 ミーニャでーす

 今日からこの本は「大盗賊ミーニャの王子サマゆーかい日誌っ!」になりまーす

 国王さまから身代金をいくらふんだくれるか、みんな、予想してねー



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◇ 4-1.

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 いたい……

 ぶたれた……



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◇ 4-2.レギデア平原 昼

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 招宴の月・10日。

 こんなのに2度も日記を盗まれるなんて。

 我ながら情けない。

 注意はしていたはずなのだが、あっけなく盗られてしまった。


 俺もまた「世間知らずのお貴族サマ」の一員だったってことなのかね。

 自信なくすわー。



 旅のほうはすこぶる順調。

 平原は中ほどまで過ぎ、そろそろ山脈の裾野に入る頃。

 わが絢爛たる檻は地平線に隠れてもう見えない。

 あと2、3日も歩けば平原を渡り切るだろう。


 ……。

 懸念点がひとつ。

 守衛が見あたらない。

 猫を引き渡すつもりで朝からずっと探しているのだが、1人も出会さない。

 昨日まではそこらじゅうに居たのに。


 嫌な予感がする。



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◇ 4-3.レギデア平原・ムスク川 夕

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 今夜は川辺でキャンプ。

 焚き火を作り、フリムの日課を眺めながら「雄鶏」で貰った鶏肉を焼く。

 ああ。最高。

 ここにはしがらみなんて何もない。

 おこぼれを狙う髭面の側近も、義務だ責務だと口やかましい侍女も、ここには誰も居ない。

 俺は自由だ。



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◇ 4-4.レギデア平原・ムスク川 夜

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 ミーニャが魚を釣ってきた。

 今は串を通して焚き火で炙っている。

 魚の種類は分からない。

 黒の斑点模様で腹が太い。

 ヤマメ、だろうか。


 というかおまえいつのまに縄を。

 木の幹に縛られていたはずじゃ。


 まあ。いっか。

 明日は釣りをしよう。

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