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放浪記  作者: セルロイド
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世界観を作るのだ

 ここには衝動しかない。


 あなたは筆を置き、言うのです。


 書き留めなければ。

 

 吹き上がる空想が夜に溶ける前に。


 閃きが陽の光に先んじて現れているさなかに。

 


1.世界の成り立ち

 そういうわけで、世界観設定を書いていきます。めちゃくちゃですね。

 まあ、ストレス発散が主な目的ですもの。良いじゃないですか。別に。


 この世界の舞台は地球です。

 でも、今から1万年ぐらい未来の地球です。

 この頃の地球には、人類はたった一人しかいませんでした。

 他の人類のみなさんは肉体の殻を捨て、星の子供達よろしく外宇宙へと旅立っていきました。


 地球には量子力学者のオリバーさんが残りました。

 なぜか、彼だけは精神体になれなかったのです。

 残念ながらオリバーさんには音楽の趣味はありません。

 ひたすらに孤独です。


 なので、彼は孤独を紛らわせるための装置を作りました。

 確定された現在の軸と並行に走る、量子の振る舞いが未確定な「可能性だけの世界」。パラレルワールドを覗く装置です。

 彼は未来の人類です。寿命は500年ほどあります。

 100年くらいの時間を費やして、いざ、完成。

 電源を入れ、いそいそと動作スイッチを押したところ、装置は暴走しました。


 猫が人だったかもしれない世界、犬が人だったかもしれない世界、エルフが居たかもしれない世界、オークが居たかもしれない世界……。

 その他無数の、人間以外の人類が居た「かもしれない」世界が混ざってしまいました。


 オリバーさんは逃げました。

 戦争で絶滅してしまわないよう、全人類に言葉と魔法という制約を与えた後で。

 彼は学者さんです。

 王様なんてまっぴらです。



2.ミドルネーム

 この世界にはファーストネームとラストネームの間に誕生月にちなんだミドルネームを入れる風習があるようです。例えば、1月生まれの人の名前ははジョン・エイグル・ドゥとか、ジェーン・カメリア・ドゥとかになります。

 席替えのときなんかに便利ですね。



3.次元境

 最初は次元橋って名前だったんだけどねえ。それだと永遠衆さんがやってきちゃうからねえ。


 次元境っていうのはその名の通り、各パラレルワールドの間にある次元の境目です。

 とても不安定で、ちゃんと整備された場所を通らないと「可能性の海」に流され、何千キロも離れたところに出てしまいます。

 脱出できたならまだ良くて、最悪、「可能性の海」の沖に流され、どこにも辿り着けなくなってしまいます。

 おそろしや。


 次元境の横断は大変です。

 あらゆる可能性がうごめいているので、何が起きても不思議ではありません。

 竜や悪魔や鬼などの故郷でもあります。

 でもまあ、だいたい、内部の環境は隣り合う2つのパラレルワールドのどちらかに寄っていますが。


 魔法も、電気も、捻じ曲げられてしまうものだから、パラレルワールド間の通信環境は劣悪。この世界では情報を確実に伝えられる紙媒体がもてはやされています。

 習字はずっと儲けられるでしょうね。


 良いこともあります。

 次元境の中は可能性しかないので、資源が永遠に減りません。

 強大な魔物たちも倒してしてしまえば素敵な資源です。

 ローグライクです。まれに貴重な鉱物が湧いたりします。

 そのため、次元境専門の発掘家などもいます。

 命がけだけど。


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