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朽ちた桜の大樹にそっとキスを

作者: 菜畑三太郎

君は言う。過去になんか捉われるから暗い気持ちになるんだよ。


僕は言う。過去に意識を向けるから明るい気持ちになるんだよ。


君は言う。過去は呪縛なんだよ。


僕は言う。過去は魔法なんだよ。


君は言う。だから私の事なんか忘れてね。


僕は言う。だから君のことは絶対忘れないよ。








今でも、あなたの言葉は私にとっての魔法だよ。

暗く沈んだ気持ちも、あの手紙に書かれていることを思い出せば、何度だって前に進める気がするんだ。


君が忘れるのと、僕が覚えているのと、どっちが先に終わっちゃうかな。

どっちが先に諦めちゃうかな。


僕があなたを忘れないことを諦めた時、あなたのことを恨むのかな。

お前なんか嫌いなんだって、また言い出しちゃうんだろうか。




でもね、って僕は再び口を開く。君がこの温かい気持ちを忘れないように。




どれだけ時間が経って、朽ち果てても、色褪せたとしても。

素敵なものは素敵なんだよ。

美しいものは、大切なものは。

信じたものは、そのまま僕の中で生きて行くんだ。




あなたがそうやって、昔の私に教えてくれたんだよ。


あなたが出来ないなら、僕はあなたがやろうとしたやり方で、世界にハグをするんだ。

僕は、朽ち果てた君を抱きしめてこれからも生きて行こう。

君を追い抜くんだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 何やら綺麗に纏まっていますね(*'▽')
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