通學思
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天晷高臨見肺肝
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彼知遙極揜心難
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仰之常謐無言意
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獨混群衆愧不完
【句形】
七言絶句、仄起式、上平14寒(肝、難、完)
【訓読】
天晷高く臨みて肺肝をも見る
彼の知遥かに極まれば心を揜ふこと難し
之を仰ぐも常に謐かなれば意を言ふ無し
独り群衆に混じりて完からぬを愧づ
【大意】
太陽の光は高くから降って来てはらわたをも覗いてくる。
あれの知るところは遠くまで行きわたっているので、内心を隠すことも難しい。
見上げても静かにたたずんで、言葉を発することもない。
僕は一人群衆の中に混じっていき、自分が欠けた人間であることを恥じるのだ。