9 出会い
「ん~~~」
昨日は服をそのまま来たままに寝たみたい。あっちこっちが皺をできてしまった。この世界はアイロンは多分ないから、服はもうだめかもしれない。
「まあ、どうせ替えの服を買いに行くだし。いたたたたっ……」
全身が筋肉痛で悲鳴をあげている、休みたいけど、ランディさんは許してくれないだろう。それに、彼は自分のためにやってるんだから、無下にできない。
重い体を引きずって1階に降りる。
「おはよう~お兄ちゃん、昨日はありがとう~」
すでに10歳のルビちゃんは働いている。重いはずの体が一気に治ったみたいに元気だした。我ながら現金なものだっと思うんが、一応年上のプライドというものがある。そして、笑顔のルビちゃんは可愛い。可愛いは正義、否定は許さない。
「おはよう、ルビちゃん、ご飯貰える?」
「分かったなの―、お父さん~朝ごはん一人前なの―」
元気なルビちゃんの後姿を眺めながら、一番近くのテーブルに座る。
「あいよ、兄ちゃん。お待ちどおさま。昨日娘がお世話になったようだ、ありがとう」
エプロンを着ている小麦色肌の男性が料理を持って俺の前に置いた。どうやらルビちゃんのお父さんのようだ。
「いえいえ、ルビちゃんの頑張っている姿が微笑ましいので、気にしないでください」
「そうだろう、そうだろう。うちの娘は可愛いだろう。ハハハハッ」
「もう~お父さん、何を言ってるんだが、早く他のお客様のご飯を作って来て」
ただの親バカだ。俺たちの話を聞いていたのか、顔を赤くして、照れながらもお父さんの手を繋いで厨房に戻る。昨日お母さんの雰囲気といい、すごいいい家族だ。
ご飯を食べ終わって、宿を出た俺は先にギルドに向かった。服を着替えてから訓練に行くと、せっかく新しい服がすぐにダメになるから。今は55万はあるけど、他の収入源はまったく無いから、節約しないといけません。
ギルドに入らず、直接ギルドの裏の訓練場に入る。中央にすでにランディさんが仁王立ちながら待ってる。
「来ることについて褒めてあげる。が、遅い!いつまで待たせる気だ。自覚が足りないぞ?お前はいつ狙われるのかも分からないから、ちゃんと気を引き締めとけ」
「はい、すみません」
怒っているように見えるか、多分心配させてしまったみたい。明日は早めに来るようと心で誓いながら素直に謝る。
「よし、じゃ今日も昨日みたいに、短剣で俺を攻撃しろ。筋肉痛はあるだろうけど、動きが昨日より鈍いなら、容赦しないぞ?終わったらそのままランニングだ。分かったか!」
「はい、行きます!」
やはりニヤッっとしている顔で俺の攻撃を待っているランディさん。
(もしかして、実は心配しているじゃなくて、俺を扱くのが楽しみしているんじゃないだろうな)
などと内緒に考えながら、辛い一日の訓練が始まった。
「よし、もう終わっていいぞ。今日の動きはなかなかだぞ?昨日より大分動けるようになったな」
「ありがとうございます」
ランディさんも気づいたようだが、俺のほうも結構実感できた。何回も攻撃を避けれるようになったし、何より昨日より走ったのに、疲れは昨日より大分楽になっている。ランディさんの指導の成果もそうだろうけど、レベルアップもある程度の効果が出たかもしれません。
「それにしても、お前汚いな―。ちゃんと着替えを持ってる?」
「これから買いに行こうと思ったところ」
「ならいい。場所は分かるな?」
「はい、大丈夫です」
俺にはマップ様がついてるんだから。
「よし、じゃ帰れ、帰れ。シッシッ」
ランディさんは満足そうな顔つきで俺を追い払おうとする。やはり俺を扱くことが結構楽しんでいらっしゃる?
ランディさんに追い払われた俺は、マップに表示されている服屋さんに目指す。
そして、近道を使おうっと、いくつの裏道を歩いた俺の前に、冒険者らしき4人が輪を作って、何かを囲んでいる。
彼らの輪の真ん中にもう一つ反応があるのをマップでも確認済みだ。あんまり面倒事に関わりたくない俺は無視しようっと、別の道を探したところ、
「おいおい、こいつ。本当に死んだじゃねぇ?」
「バーカ、そんなに簡単に死ぬ性質かよ。こいつ、いくらを売れるともう?白毛なんて相当レアだろうよ」
「おい、バカ。もう蹴るな、本当に死んじまうだろう。売れなくなるだろう?」
「チッ」
そんな話を聞いたあと、さすがに無視できなくなったので。とりあえず隙間から真ん中の存在が何か覗こうとする俺の視界には、白い毛並みの子狐が血で汚れたでいて、倒れたままに死んだように動かない。
「おい、お前ら!何をしている?」
一瞬頭が真っ白になって、何も考えられずにそんな言葉が出た。
「あんっ?なんだこいつ。へっ、英雄気取りか?じゃ、これでも食らえ」
一人は不機嫌そうに俺へ殴りかかろうとしたが、俺は体を横にずれて避けた。残りの人はそれを見て、次々へと殴ってきた。
二人目攻撃もはっきり見えて、はしゃがんで避けたので、訓練成果が出たっと少し自惚れた俺はさすがに三人目は避けられなかった。一発殴られて、倒れたままに袋叩きされた。それでもなんとかあの白いものに近づいて、懐に抱きしめた。
「こいつは!おい、待って。クィック」
四人中の一人はなぜか他の三人を止めた。
「何だよ?ヨハン。お前の知り合いか?」
「そうじゃなくて、こいつ、あのエリクサーのやつだ!」
「こいつか?」
「そうだ。彼の服結構珍しいから、間違いない。」
このヨハンという人は俺のことを知っているみたい、たぶんあの時にギルドにいるはず。
「じゃエリクサーも頂こう、そうすれば、俺たちは超お金持ちだ」
「バカ、やめろう。ギルドを敵に回すんだぞ?最悪、この国もいられないんだぞ?」
「チッ、さすがにそれだとリスクがてかいな。じゃ、ケモノはどうすんだよ?」
「もうびくともしないから、多分死んだはずだ。ほっといていいだろう?行こう、もしギルドに知られたらやばいって」
「チッ、わーったよ」
意識を朦朧して、なんとか四人の足元が遠くなっただけを確認した。筋肉痛の上にここまで殴られた。多分体中に痣だらけになっていると思う。
懐の子狐はあの時から全然動いていないので。慌てて心臓あたりに手を当てると、まだ動いていることでホッとした。
「どうしよう」
ポーションは手元にないし、今から買いにいくにも、間に合うかどうかも分からない。そして効くかどうかもわからない。
「やっぱあれしかないな」
鞄にある伝説の薬、エリクサーだ。死んだいないんだから、きっと治れるだろう。正直俺にとって、この薬は厄病神な存在でしかない。持ったままだと、今後もっとトラブルに会うかもしれない。ここで使うのはいいかもしれない。
「ギルドマスター当たりは怒るんだろうな、でも悩んでも仕方ない、迷いならやるまでだ」
鞄からエリクサーを出して、ちょっとずつ子狐の口に垂らす。ビクっと体が震えて、子狐の目はすこしずつ開けた。血だらけの体も不思議に消え始めた。
さすがに伝説な薬の効果だ。
完全に意識を戻った子狐は、ギョロギョロっと周囲を見渡して、最後に俺に気づいて、シャっと腕の中から飛び出して、周囲に気を配れずつ、俺を睨んでる。
「大丈夫、もうあの人たちはいないから。痛っ」
手を伸ばし、頭を撫でようと思った俺の指に、子狐が思いっきり噛んで来た。
指を噛ませたままで、もう片手で子狐を抱きあげて、落ち着かせようと体を撫でる。それでも暴れて飛 び出したいみたいだけど、まだ回復したばかりかどうかわからないが、それほど力が出ない。
「大丈夫、大丈夫だ。誰もあなたを傷つかない、傷つけさせないから」
俺の話しが分かっているように、キュっと頭を上げて、赤い目で俺をじっと見つめてくれた。俺は笑顔で返したと、やっと安心してようで、眠り始めた。
最悪な出会いだな、主人公なのに、弱っ