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プラネットリライト  作者: 真っしろサマー
6/10

6 エリクサ―

 案内されたのは2階奥の一室だった。

 「まあ、好きなところに座りたまえ」

 言われたとおり、ソファに座ると、ギルドマスタ―は俺の反対側に座った。エリ―さんはギルドマスタ―の後ろに泣きそうに立っている。

 「まず自己紹介とするか、わしの名はアトリック。ここの責任者だ」

 「えっと、轟刀矢です。刀矢と呼んでください」

 「うむ。では、うちの馬鹿(・・)従業員がご迷惑をかけて申し訳ない」

 っと、アトリックさんが頭が下げた。その後すぐに、後ろで立っているエリ―さんも頭を下げている。俺としては、そこまで迷惑を感じない、が

 「うむ。その顔だと、事態の大きさに分からないのかな」

 「ええ、まあ……」

 はい、まさにその通り。ゲ―ムだとエリクサ―確かに希少な薬で、値段はそれなりに高い。でも、ここがそんなにレアなものなのでしょうか?

 ギルドマスタ―は俺がカウンタ―で出したほかの3本の瓶を机に置いた。

 「まず、ポ―ション類はドロップしか出ることができないことが分かっておるな?つまり、製作は不可能だ。」

 ギルドマスタ―の話に頷く。そして彼は残りの1本、つまりエリクサ―も机に置いた。

 「そして、このエリクサ―というものもそうだ。では、このエリクサ―の出ところはどこだと思うかな?」

 「えっと、レインボ―スライムというモンスタ―っていうやつ?」

 確かにエリ―さんはそんな名前を言った気がする。

 「そうだ。だが、そのレインボ―スライムはダンジョンに湧くには1年に一度かないかの確率だ。さらにだ、レインボ―スライムからエリクサ―をドロップする確率はもっと少ない。現在、この国には現存するエリクサ―はゼロじゃ。そして、前回このエリクサ―がドロップしたのを確認したのは500年前のじゃ。これで分かったかな?」

 なんだと!?別の国にあるかないかのを分からないけど、この国は一本もない?しかも、前回出たのは500年前?そんな俺がドロップした。考えただけでぞっとする。


 「えっと、俺はどうすれば……」

 「どうしようもないだろうな、この1本だけで、国を買えるのじゃ。もし不法なものが知れば、なりふり構わず奪えに来るだろうな―。最悪、お主の命を落とすかもしれん。」

怖っ、人を殺すまで手に入ろうとするのも怖いけど。しかも、一本だけで国を買えるだと?どれだけすごいのか、このエリクサ―は。

 「これで、うちの馬鹿(・・)従業員がどれほど迷惑をかけたのが分かったんだろう?」

エリ―さんはギルドマスタ―の言葉に泣きそうに何度も「すみません、すみません」っと頭を下げた。ていうか、すでにもう泣いている。


 「それで、じゃ。お主は登録しに来たであろう?」

 「はい」

 「では、登録料金は無料とさせていただくとしよう。そして、こちらのHPポ―ション(大)2本と(中)1本は通常ならそれぞれ1万ゼルニと5000ゼルニだが、今回はそれぞれ2万と1万と買わせていただきます。

 さらに、じゃ。お詫びとして、こちらの50万ゼルニをあげましょう。まあ、お金は命を買えないから、お詫びにもならんかもしれん」

 ギルドマスタ―が言ったことがもとっもだ、いくらお金があっても、使う命がないと意味がない。それでも、一気に55万が渡されたのが正直助かった。よく見ると、渡されたのお金は金貨みたいな大きいと小さい5枚ずつ。多分小さいのか一枚1万で、大きいのが一枚10万だと思う。

 「あと、そうじゃな―。これをあげよう」

 そう言って、ギルドマスタ―は後ろの棚から一つの鞄を持ってきた。

 「これはマジックバッグというものの、サイズの大きさに関わらず。300キロのものを入れることができるのじゃ。しかもこれは特別製じゃ、持ち主が死なぬ限り、中のものを盗むことが無理じゃ」

アイテムボックス来たかこれ。スキルじゃないけど、十分に役に立つ。しかも、盗み防止機能付き。正直エクリサ―騒動一つだけで、ここまで貰うのは気が引くだけど。これも命のためだと思って、有難く頂戴致します。

 「うむ、これは全部かな、本当にすまなかった。そうだそうだ、お主が着た目的が忘れておった、登録だったな。エリ―、新しいカ―ドを持って来い」

 「あっ、はい」っと慌てて外へ出て、すぐに戻ってきたエリ―さん。

 そして、銅製で作られたタグネックレスを俺に差し出した。

 「はい、トウヤ様。このタグに血を垂らしてください」

 言われたとおりに、少し指を切って、タグに血を垂らすと、タグが少し光り始めた。その光が収まると、

 「はい、登録できました。これで、トウヤ様の個人情報や、持ちアイテム情報を確認できます。無くすと、再発行するには1500ゼルニが必要ので、できれば無くさないでいただきたい。お試しにタグを触ってください」

 タグを触ると、ステ―タス画面と同様、目の前にウインドウらしき画面が現れた。


 【名前】 轟 刀矢

 【年齢】 17歳

 【Lv】  1

 【HP】  38

 【MP】  12

 【攻撃】  14

 【防御】  10

 【魔力】  6

 【精神】  20

 【速度】  16


 【スキル】 マップ

 【装備】  モイラの短剣 レア度 9

 ランダムに1~99までダメ―ジを与えられる神の短剣。


 学生服 レア度 10

 異世界の服、防御力はまったくないが、鑑賞用なら少々。


 ロ―ファ― レア度 10

 革靴の一種。異世界の物なので、あんまり役に立たない。

 【アイテム】マジックバッグ レア度 3 盗み防止機能付与

       サイズを無視することができるマジックアイテムです。300キロ以内のアイテムなら何でも入れます。


 殆どステ―タスのと同じが、二つほど違う。一つは称号がない、自分の称号はちょっとおかしいので、さすがに聞けない自覚はある。もう一つは【アイテム】、これがあれば、自分が持っているアイテムの詳細を見ることができるらしい。今の手元はマジックバッグしかないので、表示されているのはこの一つのみ。


 「そうだ、マスタ―。トウヤ様はまだ登録したばかりで、戦うことも慣れていないと思います。これから会うかもしれない危険な事情の中で生き延びるために、うちの訓練場のランディ先生に彼を鍛えさせるのはどうですか?」

 っと、俺がギルドカ―ドの機能を確認している時、なにやらエリ―さんがギルドマスタ―に何かをお勧めした。

 「うむ、なるほど。そうじゃな。馬鹿もたまに考えるんだな」

 「馬鹿じゃありません」

 「馬鹿じゃないんなら、この騒ぎはなんじゃ」

 「あうぅぅぅ」

 二人は何かを議論していると、再び落ち込むエリ―さん。

 「トウヤ殿」

 「あ、はい」

 「君はどうじゃ?」

 「はい?」

 ごめん、聞いてませんでした。だから、

 「お任せします」

 っと、丸投げする。一応、ここまで俺を思ってしてくれたんだから。今更、俺に害することはないと思 う。

 「よし、そうっと決めたら。エリ―、ランディを呼んで来い」

 「はい」

 エリ―さんが部屋が出ると、俺はこれからのことを考え始めた。


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