誰か――
どこで間違えてしまったのだろう。
就職出来なかった事?
引き込もってしまった事?
それとも……。
それでも何とかしたいと思っていた。
自分を変えていきたいと思っていた。
だがら、少しずつ行動していった。
それは亀のように鈍い歩みではあった。いや、亀よりも鈍い歩みだった。それでも、僕からすればどれもが大きな一歩だった。
けれど、長く続かない。
どうしても、自分に甘えてしまう。
そのことでまた心が悲鳴をあげる。
切っ掛けは何だったか。
きっと、タイミングも悪かったんだと思う。
両親とのちょっとした言い争い。
『あなたは、今何をしているの?』
僕を心配しての言葉だったんだと思う。
でも、僕はこの言葉が堪らなく嫌だった。
何を言い争っていたのか、今では思い出すことも出来ない。
たぶん、ちっぽけなことだったんだと思う。
落ち込んで、けれど眠りにつけば、また明日はやってくる。そう信じていた。
だけど、僕は死んだ。
自室の片隅でひっそりと冷たくなっていた。
他人からすればくだらない理由。でも、僕の心は堪えられなかった。
母の背中をいつも見ている。
すっかり痩せてしまった背中を、ずっと。
触れたくても触れない。謝りたくても声は届かない。
『疲れたぁ』
そう言って帰って来た母の肩を、なんで揉んであげなかったんだと後悔しても、もう意味はない。
僕はただ見ていることしか出来ない。
家族が悲しみに沈んでいく姿を。
母が痩せ細っていく姿を。
ずっとずっと、どこまでもどこまでも。
誰か――。
習作でした。
ヒヤッとしてもらえたでしょうか?
最初はお涙頂戴ものを書いていたのが、こんなことに。
何にしても、ホラーも感動ものも難しいです。
展開も後味悪いですしね。
ホラー企画に出したかったんですが、色々と断念しました笑
ではでは。




