ACT 07 忠実なアーネイが、主君に美味しい物を食べさせてあげるのこと
差し込んできた夜明けの光と共に、意識が覚醒する。
泥のように濁った夢の世界から現実へと引きずり出されると同時に、五感に現実感が戻ってきた。
痛飲した酒が残っているのだろう。鈍痛が頭の奥に巣食っているようだ。
それでも、悪夢を見ないで済む分だけ、痛みの方がましなのだろう。
……長生きは出来ないだろうな。こんな世界で別にしたくもないが。
ため息を洩らしてから、セシルは背筋を伸ばした。
乱雑に散らかっているホテルの個室を見回してから、廊下へと出た。
ホテル【ナズグル】に宿泊しているのは、大半がハンターたちであった。
吹き抜けの廊下から一階のロビーを見れば、早い者はもう出かける準備をしているようだ。
逆に、今頃になって外から帰ってきた同業者たちの姿も見かけられた。
一口にハンターといっても、狩りの獲物とする相手は様々である。
狡猾な人間や異世界人、宇宙人の賞金首を追う者もいれば、恐るべき暴走機械群に戦いを挑む者もいる。特殊能力を持つミュータントや悪夢のような変異生物を狙う者もいるのだ。
この田舎町に住まうハンターは、大半が華々しい英雄譚とは無縁の輩。
精々が変異した昆虫類やお化け鼠、有角犬を狩る者たちであり、ギルドのライセンスで見れば最下位のH級、I級ハンターに過ぎないが、逆に言えば生活に根ざしているという言い方も出来るだろう。
変異生物の肉や頑丈な皮革、骨などは様々な生活用品の材料になったし、数が増えれば防壁に囲まれた町さえ脅かす怪物をある程度、間引きすることで周辺の街道を行き交う旅人たちの安全にも貢献している。
正規、無免許を問わず、町でハンター稼業を営む者たちが獲物として狙う変異した昆虫類に限っても、その姿形や生態は千差万別であった。
熟練したハンターからすれば、戦闘能力自体はさしたる脅威ではないとしても、変異昆虫の種類や習性、生息する土地によっては、遠出や野営せざるを得ない時もあるから、一概にどのような生活パターンを取るハンターが、有能とも有効とも断言できない。
曠野を彷徨う怪物たちは、いずれも変異の果てに生み出された自然と科学の脅威の合いの子であり、人間にとっては未知の存在であって、いかな能力や習性を持っているかは、実際にあい見えるまで判明しないのだ。
兎に角、外で水を浴びている薄汚れた三人組は、セシルの顔見知りのハンターだった。全員、怪我もなく無事に帰ってこれたようだった。
それと入れ違いに、街路の隅でドラム缶に薪やゴムを燃やして、夜明け前から暖を取っていた集団が動き出した。
棍棒や鉄パイプを背負って歩き出した、七人ほどの男女混合の集団。彼らの仕事はこれからになるのだろう。恐らくは、川沿いにある下水溝跡で蟹虫や水棲の動物を狩る心算に違いない。そこが彼らの縄張りで、狙うのが最弱に類する獲物とは言え、半漁人だの蟹や海老のミュータントに襲われる可能性も低くない。
故に人数を増やして、対処できるように徒党を組んでいる。蟹虫は、排水溝跡などに群れて生息していることが多い。
装備や服装を見れば、大儲けとは言い難いようだが、危険にしても数が取れる縄張りを押さえているだけに、人数がいても食べていくくらいの採算は取れているのだろう。
ホテル、というほど格式が高い訳でもないが、この旅館は3階が個室、2階が相部屋。一階には壁際にベッドの並んだ広間と食堂。ロビーは吹き抜けになっており、宿泊客が思い思いに食事を取っている光景が見えた。階段を下りて一階の食堂に出ると、奇妙な帝國人の二人組が食事を取っていた。
ギーネとアーネイが食べているのは、塩茹でした蟹虫の白身肉であった。
簡素な味付けだが海老に似た淡白な味わいの蟹肉は、口の中で弾けるようなぷりぷりした食感もあって、けして悪い味ではないとアーネイなどは思っている。
フライにしたら合うのではないかなどと思いつつ、味わって食べている最中に、しかし、彼女の主君は例によって訳の分からないことを言い出してきた。
「アーネイ、アーネイ。帝國ホテルの白身魚のフライを食べたいと思いませんか?」
「四の五の贅沢言わずに虫を食べてください。贅沢は敵です」
アーネイの諌める言葉なんか、ギーネは聞いちゃいない。
「私はあれにタルタルソースを掛けて麦パンに挟んだものが好きでねえ。
新鮮な葡萄ジュースと一緒に食べると、とても幸せな気持ちになれるんです。
調達してきたら、食べてやらないこともないですよ?」
アーネイは首を傾げると、フォークに刺した熱々の蟹虫肉をそのまま主君の口に詰め込んだ。
「ほら、お嬢さまの大好きな白身ですよ。幸せですか?」
「ほっ熱ちゃああ!!」
咽ている帝国貴族にセシルは水を差し出してやった。
「大丈夫か?」
セシルの姿を見とめたギーネとアーネイが、挨拶を返してきた。
「ぐふッ……くっ。
やあ、おはようございます。セシル。ちょっとお酒臭いけれど今日も綺麗ですね。
それとお水はありがたくいただいておきます。
わたしが捲土重来した暁には、帝國産ウィスキー醸造所をひとつ差し上げますぞ」
「おはよう。セシル。
それと、お嬢さまの大言壮語は無視してくださって結構です。
いまだに自分が帝国有数の大貴族だと思っているんですから」
「朝っぱらから元気だな。君らは」
落ち着きを取り戻したギーネは、少しずつ水を喉に流し込んでいる。
「ふふっ……アーネイにあーんしてもらっちゃいました。
まったくそれほど私が好きだなんて。溢れる忠誠心が痛いです。
それにしても、いくら乳姉妹同然の幼馴染とは言え、ちょっとは主君離れしないといけませんよ」
鼻の穴から虫の肉を出しながら、ギーネは人差し指を振って涙目で微笑んでいる。
フロントでは受付の少女に、見慣れぬ男が熱心に話しかけていた。
常連客とも旅人とも見えない、ビジネススーツを着込んだその男。どうやらセールスマンらしいが、スーツの袖は擦り切れていた。そもそも、大量生産の効かない今の時代は、スーツ自体が相当に高級品ではある。
持ちかけている商談の中身は、電化製品とエネルギーパック。ホテルの持ち主と思しき少女になにやら熱心に売り込んでいる。
「電灯は買おう。それだけでいい」
つれない少女の言葉に、セールスマンが辞を低くしてカタログを見せている。
「テレビを買いませんか?200クレジット。お買い得ですよ」
「番組もやってないのに?」
「再生装置と古い番組のデーターもサービスでつけます。
1万時間分。この間、ハンターが持ってきてね。面白いですよ」
セールスマンの売り込みを聴いて、少女は悩み込んだ。
「ううん。内容を見てから決めるよ」
「そりゃあ駄目です。一番のお楽しみなんだから」
「客に見せるのに映画とかならいいけど、当時の時事ニュースや経済番組か何かだったら目も当てられないよ」
食堂のテーブルの席で、会話を小耳に挟んだアーネイが呟いた。
「……映画ですか。もう随分と見ていませんね」
ぼやいているアーネイの真正面で、ギーネが片目を閉じて考え込んでいる。
「映画ですか。私も昔、シナリオを書いたことがあります」
「へえ?」
「唐突にゾンビが溢れた20世紀地球が舞台なんですが、なんとか持ちこたえたけれど娯楽に餓えた日本人が、遠征隊を組織して北米大陸を横断しながら、幻の名作映画のマスターフィルムをハリウッドに取りに行くって話を考えたんですよ」
「お嬢さまの考えにしては、ちょっと面白そうですね」
「でも、よく考えたら日本人が娯楽に餓えるって変じゃないですか?
なので、英国人を主役にしようかと思ったんですけど、ほら、私は日本文化の専門家ですけれど、英国の習俗にはさほど詳しくないでしょう?」
アーネイは『こいつ、何言ってんの?』みたいな表情を浮かべて、ギーネをじっと見つめている。
「幾つかのエピソードは書いたけれど、現時人が見て違和感を覚えないかどうか不安なんですよ。
例えば、エピソードの1つに午後の紅茶を飲む為に水場を探す探検隊のメンバーがダムに茶葉をぶち込んだら、下流の住人が生きてる人もゾンビも動物も全て英国人になっちゃうんです……でね。
英国人は紅茶を飲まないと禁断症状に襲われるでしょう?探検隊の持ってる残り少ない茶葉を巡って、英国人と化した現地の人々が探検隊を襲ってくるんですけど……」
「……お前、英国人にぶっ飛ばされますよ?大体、植民地人は紅茶を飲みません」
我慢できなくなったアーネイが、遂に主君の構想に駄目出しをした。
「えっ、まじで?」
驚愕しているギーネ・アルテミス。紅茶を飲む必要がないなど、アメリカ人は水分を取る必要もない究極の生命体なのだろうか?
変なところが無知なギーネに対して、アーネイは仕方なく懇切丁寧に一から説明してやることにした。
「植民地人たちは、突然変異を起こしてコーヒーしか飲めませんし、紅茶には拒絶反応を起こすんですよ。
彼らは紅茶に異様な憎しみを抱いていて、ボストンで茶葉を海にぶち込んだ挙句、英国と戦争になったんですから。地球史の教科書に載っていたでしょう」
隣席のセシルが水を吹き出した。背中を丸めながら咳き込んでいる。
「咽たんですか?」
アーネイの心配そうな声に手を振って、無言で大丈夫だとセシルは知らせる。
「むむ……ちょっと悔しいですね。何で、そんなに地球に詳しいんですか?英国人の知り合いでもいるのですか?」
「お忘れですか?そもそも建国時に国名をアルトリウスと命名したのが、開拓者たちの中で一番ポーカーが強かった英国人です。
初代植民者たちの回顧録や手記を一通り読んで、当時の議事録。米国系植民者と英国系植民者の心温まる会話を読めば、地球人の生態に関して今の知識くらいは常識です」
「うむむ……しかし、紅茶を飲むと米国人は先祖帰りを起こして英国人に成るとか、植民者たちの間では常識らしいのですが……拙い料理しか作れないのは、きっと紅茶ばかり飲んで先祖帰りしたからに違いないと、当時の医師が残したカルテにも書いてありました」
ようやく落ち着いたセシルが、今度は何故か腹を抱えてぶるぶると震えている。
「お腹でも痛いんですか?」
「大丈夫……大丈夫だから」
心配そうなギーネに大丈夫だと告げてから、暫くして顔を上げたセシルが会話に口を挟んできた。
「……アルトリウスだと余り地球の歴史は残ってないの?」
「残念ながら。私たちは結構、遺伝子を弄くっていますし、異種族との激しい戦争で地球の歴史記録や習俗に関する文献も散逸してしまいました。
当時の記憶は断絶し、もはや過去の資料の断片に頼るしかありません」
無念そうなギーネにアーネイが尋ねかけた。
「それにしても、お嬢さま。自分は日本文化に関しては専門家と言われましたが、そこまで詳しいとの自信がおありなのですか?」
「当たり前ですよ。全次元世界でも、日本人を除けば、私ほど日本に詳しい人間はいませんね。なにしろ、前世が日本人の侍だったんですから」
ドヤ顔で胸を張るギーネ・アルテミス。アーネイは呆れたように呟いた。
「はあ?前世?前世系ですか?」
「間違いありません。だって、お城の天守閣でお腹に火薬詰めて主君と共に自爆する夢を見ましたもの。
今際の機に、凄い悪人面をした主君の松永何某とか言うのが、私に向かって平……なんとか。共に冥府に赴こうぞと、呼びかけて来たんです。
だから、わたしの前世は、主君の信頼厚い平という苗字の侍だったんです。間違いない。分かるよー」
前世の自分が大好きな日本の侍だったに違いないと断言するギーネ・アルテミス。
「テンション高いなー。でも、しょせんは夢でしょう」
アーネイの醒めた感想にもめげないで、ギーネは確信を言葉に乗せて熱く語った。
「いいえ。あの臨場感。あれは前世の最後を垣間見たに間違いありませんよ。
最後に、ご主君は私の蓋を開けて手ずから火薬を詰めるところまで、感触から匂いから音まで其れはもうハッキリと……あれ?蓋?……なんで私に蓋?」
夢の矛盾を思い出して、ギーネは困ったような顔でアーネイを見つめる。
「私に尋ねないでくださいよ」
(……茶釜!!……前世が茶釜!!!)
セシルはうつむいてさらに変な痙攣を起こしていた。
「さっきから変ですね。セシル。体調が悪いのですか?」
心配そうに顔を覗き込んでくるギーネから顔を背けつつ、セシルは無言で肯いた。
「まあ、いいです。サイボーグかなんかだったのかも知れません。
兎に角、そのうち絶対に地球は日本国に行ってガッディーラを捕まえるんですから。
知ってますか?ガッディーラ。昭和から平成に掛けては特に出現回数が多かったそうです。
アメリカにも何度か出たそうですよ。二度目はかなり強かったそうです」
自信満々に怪獣を捕まえるのだと宣告するギーネを見て、アーネイは何ともいえない表情を浮かべた。
「読み方が、ガッディーラではないということ位は知ってます」
「ふふふ。帝國動物園に連れ帰って、チャレンジャー教授のように帝國学会に不朽の名声を打ち立ててやりますからね。見てなさい」
二人の帝國人の傍らで、セシルはようやく呼吸を落ち着けながら天井を見上げていた。
愉快すぎる。面白いから此の侭、放置しておこう。
やがて食べ終わったギーネはお腹がくちくなったらしく、食堂の机にうつぶせになったまま、うとうとと居眠りを始めた。
ギーネの背にコートを掛けると、アーネイは道具の準備をしつつ、携帯端末を取り出して操作し始めた。
と、端末の画面に表示された地形を目にしたセシルが、興味を示して身を乗り出した。
「それは町周囲の地図を表示しているのか?」
「ええ」
「へえ、高度差や現地の写真も表示できるんだ。随分と詳細だね」
感心したような同業者の声に、アーネイは手を休めるとセシルに尋ねてみる。
「歩くだけで自動で地図を作成してくれます。
元は軍用規格なので、結構、正確に作成されるんですが、町では、こうした地図情報は売ってないんですか?」
「そんな便利な代物はないねえ。普通の地図すらないよ。
なにしろティアマットは廃棄世界だもの。
中央の方だと工場も幾らか残っていて、他の世界のハイテク製品も流れてくるって話だけど……ここら辺じゃ滅多に見ないよ」
ぼやくセシルにアーネイが何かを言おうとした時、食堂に甲高い怒声が響き渡った。
「なんだと、てめえ!もう一度云ってみろ!」
「ああ、何度だって云ってやる!てめえみたいな愚図は足手まといなんだよ!」
「ふざけんな!」
食堂のテーブルで転寝していたギーネが、慌てて起き上がるとうろたえた様子で左右を見回している。
「……ひっ!なんです?なにごとです?共和派の襲撃ですか?
ギーネさんが賞金首トランプのクイーンだからってしつこすぎませんか?
折角、世界の果てのティアマットまで逃げてきたのに」
共和派が帝国政府の要人とその首に掛けた賞金額を印刷した賞金首トランプで、見事、ダイヤのクイーンを射止めたトラウマが唐突に、呼び起こされたらしい。
「違います。お嬢さま。どうやら喧嘩のようですね」
アーネイの指摘に落ち着きを取り戻したのか。脅えていたギーネは目を瞬いてから、床で取っ組み合っている子供たちを視界に入れて、しかつめらしい表情を作った。
「ふむ、子供たち?それにしても凄い剣幕ですね」
悪罵を発しながら、床を転がっている少年たちだが、近くにいた大人が掴み上げると、そのまま表通りへとつまみ出した。
「彼らは私たちと同業だね」
セシルの言葉に、アーネイが首を傾げた。どうにもピンと来ないようである。
「……子供がですか?彼らは随分と幼いように見えますが」
「うん。会話からすると比較的、安全な小物狙いだろう。
軟体アメーバや芋虫、蟹虫みたいな小物なら、素人でもそう死ぬことはないからね」
アーネイとは対照的に、ギーネは深刻そうな顔で聞いている。
「ふむ、私たちの獲物は小物なのですか。
いえ、それは兎も角……それで朝っぱらから、分け前を巡っての争いですか」
洩らした呟きをセシルは訂正した。
「いや、あれは違う。引き抜きかな」
「引き抜き?」と怪訝そうにギーネ。
「ハンターの腕の良し悪しは、狩りの成否だけでなく、生死も左右するから。
人数を増やせば取り分は減るが、かといって少人数では危険が増す。
そこらへんを見極めて、できるだけ効率的に動きたいってのは皆、同じさ。
なので、できるだけ腕利きの仲間を揃えたいと思うんだ。
今、巡って争っていたお嬢さんは臨時雇いで、まだどちらのチームの正規メンバーにも入ってないらしいけど。
まあ、可愛らしい娘でもあるし、若い男二人だから痴話喧嘩の側面もあるかな」
セシルの説明を聞いたギーネが、得心いった様子で肯いた。
「仲間がいた方が何かと有利なのですね。ふむ。セシルは中々にいい奴ですし、美人です。
貴方さえ良ければ私たちが徒党を組んでやってもよいですぞ」(キリッ
ギーネが宣告すると、食堂にいてそれを聞きつけた周囲のハンターたちの間にざわめきが広がった。困惑したような呆れたような視線をギーネに投げかけてくる者も多い。
「くくっ、物を知らない奴は此れだから恐ろしい」
「セシルは、Dランクハンター。ソロでありながらD。町でも五指に入る凄腕」
「仮免ですらない素人ハンターが仲間に誘うなど、おこがましい」
見ず知らずのハンターたちは、嘲弄するように囁きあっている。
周囲から押し殺した忍び笑いが発せられると、ギーネは戸惑いを表情に浮かべたまま、笑い声の響いてきた方向に視線を走らせた。
いじめか?いじめなのか?
内心、困惑を感じたものの、ギーネは堂々とした態度を崩さずにセシルに尋ねてみる。
「どうですか、セシル。きっと楽しいですぞ」
お嬢さま。相変わらず、土壇場になると堂々と振舞えるのだな。
主君の性格の複雑怪奇なことに妙なおかしみを憶えながら、アーネイは勧誘されたセシルを観察していた。
お嬢さまはあれで、人の好悪の念には意外と敏感だ。
気に入ったということは、現時点では彼女に私たちへの悪意や隔意はないのか。
「誘いは有り難いけど、ソロの方が身にあっているかな」
苦笑してそう断ったセシルが勧誘された一瞬、妙に強張った表情を見せたのが、アーネイには奇妙に気になったのだった。