側頭葉で朝食を
金曜日の夜、仕事から帰ると、ポストに一通の手紙が入っていた。
ブレニータさんからだ。
中には小さな便箋が入っていて、ただ一言、こう書かれていた。
「側頭葉で朝食を」
測頭葉?そんな店があるのだろうか。
おそらくは中華料理の店で、名前を間違って覚えているのだろう。
僕はその可愛らしさにクスリと笑った。
それにしてもこの手紙は、いい匂いがする。
それはブレニータさんが付けている香水と同じ匂いで、匂っているうちに、一昨日のことが走馬灯のように思い出され、ギンギンに勃起した。
ブレニータさんの白い肌、たわわな乳房、そして、僕を手玉にとるような焦らしかた。
ああ、ブレニータさんにもて遊ばれたい、ブレニータさんに玩具にされたい。
明日、またブレニータさんに、あんなことをされるのかと思うと、僕は、ぼくは……
ぼくは……
何故かテーブルに座っていた。
カーテンから朝日が差し込んでいた。
え?
向かい合う席にブレニータさんがいる。
キョロキョロと周りを見回していると、ブレニータさんが、微笑んで言った。
「おねぼうちゃんね、アーンしなさい」
ブレニータさんが、皿の上のものをナイフで切って僕の口に運んだ。
僕はぼーっとする頭で、それを口に含む。
に、苦い!あまりの苦さにむせ返り、僕は全部吐き出した。
「oh、バッドボーイね」
ブレニータさんは立ち上がって、汚れた僕のパジャマをナプキンで拭く。
「でも大丈夫よ、まだこんなにあるわ」
そう言って、彼女が鏡を引き寄せると、そこに写ったのは、額から上が切り取られ、脳が剥き出しになっている僕の顔だった。
「この辺りが一番おいしいのよ」
彼女は僕の側頭葉にスプーンを突き刺して笑った。