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記憶の彼方へ  作者: 山水
13/13

13話

「と、言う事だから、母さん。私、萌と付き合うから。」



目覚めた時にけいがいたのもびっくりしたが、着替えをそくしたかと思えばけいのお母さんに突然のお付き合い宣言。



まだ昨日の事が夢に思えて仕方ない私には、展開が早過ぎた。



「あんた、人様の娘さんを何だと思ってるのよ。」



「仕方ないだろ。萌がいなきゃ生きてる気しないんだから。萌は私がもらう。」



思わず赤面してしまうくらい、けいの言葉はストレートだった。

人間ふっきるとこんなに変わるものだろうか。



「萌ちゃん、いいの?この子、本当に馬鹿よ?」



「馬鹿で悪かったな。」



「薫さん、私幸せです。」




反対しているのではない事を知ってるだけ、今のやりとりはおかしかった。

心配してるのだ、心から。



だから飛びきりの笑顔で伝えた。




「あー俺、萌ちゃんより可愛い嫁さん貰える自信ないなぁ。」



「にーちゃん?」



「ネタに使わしてもらうわね。」



「ねーちゃん⁉つか、盗み聞きすんなよ!」




けいには、歳の離れた兄と姉がいる。

いつもはあまり家にいないのだが、たまたま今朝はいたようだ。

久しぶりの、顔合わせだった。




「勝手に騒いでたのはけいだろ?聞こえたんだよ。」




「萌ちゃん、けいが浮気やらしたらいつでも私達に言うのよ?しばいてあげるから。」




お姉さんは護身術の為に習っていた空手で何度か大会で優勝していた。

過去、練習だいにされていたけいは、一気に青ざめるけい。



「いや、浮気とかしないし・・。」



「この前酔って帰ってきた時、やたらいい香りさせてたけどなー。」



「誤解させる事いうなよ!クラスの子と飲んでただけで!」



「けい、後でちゃんと聞かせてね。」



「・・・・・。」




尻にしかれる事決定のこの会話。


すると薫さんは心配気に小声で話しかけた。



「ご両親は大丈夫なの?」



「まだ理解はしてもらえませんけど。時間の問題です。」



相変わらずいい顔をしない2人。

けれど、けいを家にあげた時点でもうだいぶ許している事は間違いない。




「薫さんの言ったとおりですね。」



「親としては複雑だけど、仕方ないわ。あんな死んだような顔で生活されちゃーね。」



「私も・・凄くきつかったです。」



「まぁ!なるようにしかならないわ!こーんな可愛い彼女連れてきたんだし、応援するしかない!出来の悪い娘だけど、よろしくね。」





「ありがとうございます・・・薫さん・・・。」




きっと薫さんも本当はごく普通の幸せを見つけて欲しかったに違いない。

なのに、背中を押してくれて。

悩んで悩んで・・・・


だしてくれた答え。




「母さん、心配しないでも子供なら私が見せてあげるわよ。」




「そうそう、俺も孫みせてやるから。」




「相手が出来てからいいなさい、2人とも。」




薫さんはほんの少し目を潤ませて笑った。

私もけいも。




「母さん、ありがとう。」



「薫さん、ありがとうございます。」




「まさか・・・高校生でこんな気持ちにさせられるなんてね。ほんと、若い子は。」




「てかさ、2人とも学校は?」



感動の締めには悪い兄の台詞。

時計をみれば、とうに登校時間は過ぎていた。



「いい?2人とも。交際は認めるけど、本業をおろそかにしたら・・・。」



「はい!行ってきます!」




萌はすでに制服だったが、けいは私服。

急いで部屋にこもった。




「俺達も応援してるよ。」



「生意気だけど、けいは末っ子だから。放ってはおけないのよね。」




昔、けいが言っていた。

「にーちゃんもねーちゃんも、私に甘いんだよ。子供扱いしてさ。」



一人っ子の私からすれば、羨ましい家族構成。

その家族の一員になれたような気がして、胸が熱くなった。



「おまたせ。萌、いこ。」



「うん!いってきます!」


「いってきまーす!」



「いってらっしゃい!」




あの時、もう二度とまたげないかと思ったけいの家の玄関。

今は始まりの時を刻む。



やっと私達は動きだしたのだ。



「またね、萌!」




離れるのは寂しいけど、繋がりがある。




「いってらっしゃい、けい!」



無邪気に笑うその笑顔は、私の為にある。



それだけで、幸せになれた。


だー!


ハッピーエンドにしたくて焦り過ぎましたかね?(笑)


とりあえず、これで完結です。

でも番外編書いちゃうかもっす。



拙い文章を最後までよんでいただき、ありがとうございました!

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