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記憶の彼方へ  作者: 山水
11/13

11話

日頃からあまり感情を表に出す方ではないが、ここ最近は自分でも自覚するぐらい苛々している。



「けい、体調悪いのか?」



「いや、別に。」



正樹も心配して話しかけて来るが、わけを話すわけにもいかなかった。


まさか、萌と最近会ってないのが原因だとは。



あの日、小雪との練習を終えて以来、萌と顔もあわせていない。

こんなに会わないのは、意図的かもしくは偶然か



たが、本当はこれでいいはず。

本当は萌が違う学校にいき、距離が離れていく。

これが目的であったはず。



萌の両親の。



「もーまたもえ失敗したのー?」



正樹も驚くぐらいの反応で廊下をみれば、まったく萌に似てないが女子生徒が楽しげに話していた。



「あの子、もえって言うの?」



「あー?お前、同じクラスの名前ぐらい覚えろよ。城咲もえ。」



「同じクラスか・・・。」



気づかなかった。

と、言うか、クラスの人と話した事ない、あんまり。



萌と一緒の学校にいきたい。

また同じクラスでいたかった。




そればっかり考えて、萌と会う事だけ考えて。


クラスと馴染む事なんて考えてなかった。




「なぁ、正樹。萌離れしろって言ってたよね?今が・・その時なのかもしれない。」




「お、おい、けい?」




萌がいない日常になれる為には、違う日常を作るしかない。

そうでなきゃ、一生、萌を追ってしまう。

閉じ込めて、誰にもあわせないで、自分だけのものに。




そんな狂った考え、捨てなきゃいけないんだ。

萌を傷つけてしまう前に。







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