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ヒロイン矯正!  作者: アールエー
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2/16

その2 ヒロイン登場!


時間指定投稿のやり方が、ヘルプ見ても分からない…。


「レイナと言ったな。お前に頼みたいのは儂の娘の侍女として仕え、一緒に勉学に励む事だ。ありがたく思え」


男爵家に着いて、グラバス男爵に会って開口一番が上のセリフだ。

親父は頭を下げたって言ってたが…。

命令じゃなく「頼みたい」って言葉で頭を下げた事にしたのかな?…ありそう…。

村長の娘如きに頭は下げないだけかも知れないけど。


しかし、逆らう事ができない。とりあえず革命的な事にはしたくない。下剋上は戦国時代でないと当たりが厳しいのだ。

革命するなら、他国に逃げるぞ私は。

仕方なく、コンチクショウ今に見てろよ…と思いつつも、素直に頭を下げる。面従腹背ってやつだ。

私は大人だからな。御歳12歳だけど。


とりあえず、教師を付けてくれる事だけは有り難く頂戴しよう。いつの時代も教育は大切なのだ。


挨拶もそこそこに、娘さんと顔合わせをする事になった。まず自分の部屋に案内されて、サッと侍女服に着替えて男爵の元へ戻る。

今、娘は部屋にいるらしい。家庭教師が教育してる…筈なのだが、その家庭教師と一緒に向かった。なんか、勉強教えていたら発狂して部屋から追い出されたみたい。

うーん、どんな山猿なんだ…。


「ところで男爵様。お嬢様はかなり我儘…いえ、山猿だとお聞きしましたが、教育の為に何処まで許容範囲でしょうか?ゲンコツするまでは大丈夫とか?」


「…おい、言い直した方が酷いぞ?それに教育の為にいきなり暴力とはどういう事だ!?」


「失礼しました。山猿を調教するのに、鞭の使用許可はおりますでしょうか?」


男爵は答えず、こちらをドン引きした目で見てた。

ふん、追い出すなら追い出せ!こちとら、そもそもやる気ゼロじゃ!


「…あ〜、武器は使うな。というか暴力はなしで頼む」


…おや?答えてくれた。

うーん、疲れた顔してるから、余程娘の教育に手こずっているのか。私、相手ができるのか?


ひとまず、言葉でやってみろと言う事か。


「村娘に任せたのは間違い…?いや、毒をもって毒を制すと…」


なんかブツブツ言ってるが、聞こえてますよ?




男爵の娘、キャサリン・グラバス嬢に会ってみた第一印象。

見事なブロンドの髪は先の方でややカールし、シミ一つない顔を覆っている。琥珀色の瞳は真っ直ぐこちらを見つめ、私の方が恥ずかしくなりそうな輝きを秘めていた。特に化粧をしなくても健康的な赤い唇は、天使の大笑みを連想させる。

顔だけでもまるで丹精込めて創り上げた彫像が、血肉を持って生まれた様だ。

確かに暴力は振るい難いな。

身体付きもくびれたウエスト、丸みのあるヒップ、そして12歳ながらも最低Dはありそうなバスト。男の理想を詰め込んだ様なスタイル。


…同じ12歳だよなぁ〜?私も自分の容姿が悪いとは思ってないけど、こりゃ比べようがない。容姿だけで言えば完敗である。


「あんたが新しい侍女!?大体、ゲームに侍女なんて出なかったんだから、超モブだよね~!」


ああ、うん、黙っていれば可愛らしいのに。そして、こやつも転生者か。


それでもまあ、大人な私は貴族の挨拶の作法であるカテーシーをしながら挨拶をする。実はこの国じゃ、侍女がカテーシーをする相手は上級貴族以上なんだけど、よいしょの為だ。


「お初に御目にかかります。新しく侍女として雇われましたレイナ・ターナーと申します。宜しくお願い致します」


「ああ、モブの名前なんて覚える必要はないわ」


…おう…香ばしいわ…。

隣で男爵が、引き攣った顔で眺めてる。

この男爵も酷いが、より上級クラス(さらに馬鹿 )と対面すると、こうなるのか…。


「男爵様…旦那様。後はこちらで…」


「お…あ、そうだな。後は若い者同士で…」


お見合いじゃねーんだから。

男爵はそそくさと退散して行った。


一つそっと溜息をつくと、山猿…キャサリンお嬢様に向き合う。


「ところでお嬢様…。今の時間は勉学の時だとお聞きしましたが…?」


「あん?私はこの世界のヒロインなのよ!そんなカツカツ勉強しなくても」


「ヒロインとは、勉強しなくてもできるんですか?」


「ええ、そうよ!私は選択肢まで全部覚えているんですからね!その通りに動けば、王子様と結婚も夢じゃないわ!」


うーん、王子様と男爵令嬢が結婚?かなり無理っぽい様な…。

でも、何とか勉強だけは仕向ける様に誘導できないかな?


「王子様と結婚ですか。それが叶ったとして…マナーとかは必須じゃないですか?」


「…え?何言っているのよ、あんた。そんなもの習わなくても、何とかなるでしょ?」


「お嬢様、考えてもみて下さい。優雅にお食事をする王子様、その横で手掴みでがっつく男爵令嬢。それを一枚の絵にした時の事を」


「はい!?な、何を…一枚の絵…スチル?」


「例えば優雅にダンスを踊る時、足を踏み外してすっ転んだ令嬢と、その横に立つ呆れ顔の王子」


「……………え…」


「詩を書くような素敵な恋文を送る王子と、それを辞書片手に読み解いた挙句、違う解釈をして笑われる令嬢」


「……い、いや、分かった、分かりました!な、何なのよ、そんなのシナリオにない…勉強するから許してぇ!?」


何やら叫び出すと、素直に机に向かいました。

いやぁ~素直な娘は好きですよ?



キャサリン視点


ううう…。

何なのよ、あの女!侍女なんてゲームに出なかったのに、突然登場して現実を見せ付けてくるなんて、聞いてないわよ!なんだか胃の辺りがキリキリ痛いわ…!

と、とにかく勉強しなきゃ。後ろで見ているし…。やっぱり、可愛らしくありたいし…。

大体、こんな英語みたいな言語なんて分からないわよ!日本語にしなさいよ!

私は攻略通りにやれば、お妃様になるんだから通訳を頼めば事足りるじゃない。


「そこの綴り、間違っていますよ。レイナさんは御学友との事ですが、先ずは文字くらい読めなくては一緒に勉学すらできませんよ」


うるさいわね、この家庭教師!

家庭教師の方をギロッて睨むと、いつの間にか家庭教師の横に立ってた侍女のレイナと目が合う。目にハイライトがないわ、こ、こわ!!

や、やるわよ。私はこのゲームの主人公なんだから、チート的に頭が良い筈なんだから、やればお茶の子サイサイよ!


このゲーム、「フォーリングラヴァーズ」、略してフォーラヴは、男爵家に引き取られた私生児の主人公が、学園に通う最中に5人(内、隠しキャラ1人)を攻略して成り上がる、王道ゲーム。

前世で虐められて学校も向こうの味方で、親も庇ってくれなかった私の唯一の心の拠り所だったスマホゲーム。

何度も何度も繰り返し解いて、全ての道順やセリフまで覚えているのよ。

その通りやれば逆ハーレムは勿論、初回では普通出ない隠しキャラすらモノにできる自信があるわ!

高校中退になって、無理矢理外に追い出されたらトラックと正面衝突して転生して。

フォーラヴの世界だと気付いた時は天に昇る気持ちだったわ。


思えば、辛い貧乏暮らしの母子家庭に育って苦労しながら、テンプレネームだった私の名前から調べて、国や王子様の名前を聞いて確信して以来、順調に進んでいたのに。

こっちのお母さんが馬車にはねられて死んで(言っとくけど、ゲームでの死因なんて知らなかったから、止めようがなかったわよ!)、いよいよゲームが始まるかと思いきや…。

まさか男爵家で勉強の毎日とは!

文字こそ読めないけど、算数や理科は小学校低学年レベルだし、地理はゲームがフィールドを歩くタイプだからある程度知っているわ。

隣国まで知らないけど、そんなの王妃になって覚えたら良いじゃん!


それなのに、あの新しい侍女!レイナとか言ったかしら、モブなのに腹パンとかして!

何者か聞いたら「自分が何者かとか哲学な話ですね。自分が自分を思うから自分ではないかと」とか変な事を言うし!

そんなに睨まないでよ!勉強するわよ!!


でもあれ?

文字は崩れたアルファベットみたいだけど、語順は今喋ってる日本語と同じだから、単語さえ覚えたら難しくない…?

多くはローマ字の様だし。


な~んだ、簡単じゃないの!

見てなさい!高校は中退したけど、義務教育は終わったんだから。ここの世界の人達とは、教育レベルが違うの!


やってやるわ!これ以上、私の世界の邪魔をさせるもんですか!!


ハーメルン様で評判が悪かった所を修正しました。

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