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消しゴムを貸しただけで。  作者: 蓮太郎


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17/28

17.保健室の女神再び。

キュッ、キュッ。

パスッ。

「よっしゃー!取ったー!」

ダムダムダム。

パシュッ。


練習の最後、いつもの様にランダムでチーム分けしての試合形式の練習。

雅は、キャプテンからボールを奪い、

シュートを決めた。


「よっしゃー!」


「雅、お前、朝練の時も思ったけど、なんか動きよくなったな。」


「やっぱりそう思います?

体が軽くて!ただ、使いこなせないと言うか、調子が良すぎると言うか。」


「まぁ、怪我だけは気をつけろよ。」


「はい!」

雅の体は、休息と、バランスの良い食事で絶好調となっていた。

少しの調子の違いが、判断能力をバグらせる。

雅は、いつもならパスに転じるところを、イケる!と判断した。

ダムダムダム。

ドリブルで雅は切り込む。

「しまった!」

無理な動きで足がもつれ、雅は派手に転んだ。

「雅!大丈夫か?」

部員達が駆け寄ると、膝から血が流れている。

「す、すいません。また、保健室ですね。」


「お前、最近怪我多いぞ。

気をつけろよ?」

キャプテンは心配そうにする。


「すいません。」


「まぁ、今日のは、ボーッとしてた訳じゃないから許してやろう。早く保健室行って来い。」


「はい!」

雅は、保健室へと急いだ。


「失礼しまーす。」

「あっ、みや・・・どうしました?」

またまたこのタイミング?

もう誤魔化せないかしら?


「あっ、どうも。」


「きょ、今日はどうされました?」


「また、転んだ。」


「あら、また女の子に見惚れたのかしら?」

今日は、私、体育館前を通っておりませんが?


「いや〜、何だか体の調子が良すぎて、判断能力がバグってると言うか、イケると思ったらイケなくて、足がもつれたんだよ。」

花蓮との事、お礼言わないとな。


「そう、バランスの良い食事の効果が出てきたのかもね。」


「そうだと思う・・・えっ?何で知ってんの?」


「・・・えっ?」


「・・・ん?」


「す、座って、血が床に落ちちゃう。」


「あ、あぁ。」


花蓮は、無言で膝の手当を進める。


「なぁ。花蓮。」


「な、何?

よ、呼び捨てにする程、私たち仲良しじゃなくってよー。ハハッ。ハハッ。」

花蓮は、必死に誤魔化そうとする。


「じゃぁ、花蓮さん。

何で知ってんだ?

まさか!本当は、花蓮と友達なのか?」


はぃ!私の彼氏はバカでした〜!

「ま、まぁ、色々相談されてたわ。

隠していてごめんね。」


「やっぱり。」

雅は、少し膨れた表情だ。

「俺の気持ちは筒抜けだったって訳か。

道理で、自信満々のアプローチが続いた訳だ。」


「あなたの気持ちは伝えてないわ。

あの子がそれだけ必死だったんじゃない?」


「そっ、そうなのか?

なぁ、花蓮さんなら、付き合う前に体を許したりするか?」


「・・・う〜ん。どんな手を使ってでも、その人の事を手に入れたいって思ってたら、その人の人柄とかも考えてだとは思うけど、無い事は無い。かしら?」


「そ、そう。」


「お付き合いできたそうね。」


「うん。お陰様で。」


「今の話の流れだと、もう、そう言う関係なのかしら?」

この機会に、色々探ってみようと、花蓮はイタズラな質問を続ける。


「いや、まだだよ。

花蓮はいいよって言うけど、無理してると言うか。メガネ取ってくれないし、まだ心を完全に許してくれた訳じゃないと言うか。とにかく、俺は、心から花蓮が俺を信頼してくれないと、そう言う事はしたくない。と、思ってる。」


「そう。あなた、人の事を簡単に信用しすぎよ?私達はまだ3回しか会ってないよね?そんな事、仲の良い親友くらいにしかいっちゃダメよ?」


「あ、本当だ。

何でだろ?何故か君には話してしまう。

まぁ、その。花蓮と付き合えたのは君のお陰と言うとこもある。

ありがとう。」

雅は、ニコッと微笑む。


「どういたしまして。さっ、手当終わったわよ。」


「うん。ありがとう!

保健室の先生って、やめたのか?」


「はぁ。あなたがタイミングを見計らっているかの様に現れるだけよ?」

そう、驚く程タイミング良く。

1日に数秒しかないタイミングに3度もね。

「そっか、なら良かった。

もしやめてたら、君が大変だろうなと思って。」


「ご心配無く。」


「じゃ、行くわ!早くしないと試合終わっちまうー!」

雅は足速に保健室を後にした。

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