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消しゴムを貸しただけで。  作者: 蓮太郎


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15/28

15.心の準備。

ガタン、ゴトン。

二人は電車に揺られながら、コンビニで買ったおにぎりを食べている。

「あ〜、演舞が恋しい。」


「そうだね〜。

ところで、そろそろどこに行くか教えてくれないかな?」


「う〜ん。耐えてくれ。」


「はいはい。」


花蓮は、行き先を告げられないまま、電車を降りた。


「ここ、空港?」


「あぁ、飛行機大丈夫だったか?」


「まぁ、何度か乗ってるから。」


「良かった。」


飛行機に乗り、二人は、北海道へと降り立った。

「なんで北海道?」


「池下、雪が見たいって。」


「覚えててくれたんだ。」


「うん。数日前に寒波が戻ったらしくて、今はこの通り!」

空港の窓から、雅は外の真っ白な景色を花蓮に見せた。


「素敵〜。私、雪ってあんまり見たことがないから、見るとうれしい気持ちになる。」


「俺もだ。じゃぁ、とりあえず行こうか。」


二人は、旅館に付き、チェックインを済ませた。


「わぁー!広い!」

部屋の入り口で、雅は花蓮の腕を掴んだ。

「どうしたの?入ろうよ。」


「ここにはまだ見せられない野望が隠されている。荷物をここに置いて、出かけるぞ?」


「・・・大体、分かった気がする。

私は、覚悟をしないといけないという事ね?」


「・・・察しが良すぎて可愛げがないぞ?」


「普通分かるでしょ?それとも、気付かないフリして、何〜?とか言う子の方が好き?」


「まぁ、池下のそう言う正直な所はいいと思う。」


「そう、良かった。じゃぁ、行こ?」


「お、おぅ。」


二人は観光を楽しんだ。

花蓮は、雪に触れて、嬉しそうだった。


「このお店、素敵。料理もすごく美味しかったよ〜。」

二人は、お高いディナーを堪能した。

「旅館でご飯食べるのだと思ってた。」


「あぁ、旅館の人にはちょっと嫌そうな顔されたな。」


「なんでここなの?」


「ここは、父さんと母さんが結婚を約束した場所なんだ。」


「あら、素敵。」


「池下・・・いや、花蓮。」


「はい。」

花蓮は、少し俯き気味に答えた。

「好きだ。多分、消しゴム貸してくれた時から、引かれ始めた。

付き合って下さい。」


「・・・告白の言葉に、まさか消しゴムが出てくるとはね。

私も、雅くんの事が好き。

これから、よろしくお願いします。」


「ありがとう。

・・・何だか不思議だな。

まだ恋に初めて気付いてから、一ヶ月も経ってないのに、恋人ができるなんて。」


「何だか悔しい気持ちだ〜。私は、ずっと雅くんが好きでしたよ。ずっと、ずっと、諦めて、我慢して、なのに、不公平だわ。」


「そ、そうだったんだ。

いつから?」


「秘密。また今度教えてあげる。」


「なぁ、池下。」


「ん?誰それ?」


「・・・ごほんっ。花蓮。」


「はい?」


「そのメガネ、とってくれよ。」


「・・・。」


「・・・その、まだダメか?」


「その、いざとなると恐い。」


「恐い・・・か。じゃぁ、俺の野望も今日は封印しないとだな。俺は、花蓮が恐いと思う気持ちがなくなった時に、そうなりたい。」


「また意地をはるのね。

・・・ごめんね。ありがとう。」


「うん。大切にしたい。花蓮の事。

話せる様になったら、そのメガネを外して、花蓮が秘密にしてる事を全部教えてくれ。」


「うん。」

花蓮は、俯きながらも嬉しそうにする。

「でも、混浴もったいないね。」


「・・・バレてましたか?」


「バレバレです。」


「ふふっ。」

「ハハッ。」


二人は見つめ合い、笑った。


二人は、旅館に戻ると、別々に部屋の露店風呂に入った。

そして、旅館の浴衣姿で、布団で見つめ合っている。


「今日は、ありがとう。

すごく楽しかった。

雪も見れたし、何より、雅くんが彼氏になってくれた。

人生で一番幸せな日です。」


「俺も。一番幸せな日だ。

彼女になってくれてありがとう。」


花蓮は、顔を雅に近づけて、目をつむる。

雅は、吸い込まれる様に、花蓮にキスをした。

「やったね。念願が叶いました。

キスってなんだか不思議な気持ちになる。」


「そうだな。そして、ここまでで耐える決意が鈍りそうだ。」


「ふふっ。メガネっ子で良ければ、大歓迎ですが?」


「いや、俺は、素顔の花蓮とそうなりたい。」


「ほんとに理想がお高い事。」


「ただ。」


「だた?」


「ちょっとだけ触りたい。」


「・・・どうぞ。」


雅は、花蓮の胸元に手を伸ばし、触れた。

「あっ。」


「すごい。柔らかい。

・・・もう、やめとく。」


「どうでした?」


「花蓮が大きくて良かった。」


「あら、大きいのが好きでしたか。」


「はい。」


「ふふっ。」


二人は抱きしめ合うと、目を閉じて眠った。


のは、花蓮だけだった。


あぁ、無理!

触るんじゃなかったー!!


雅は、耐えながらも、花蓮の香りに包まれ、幸せを感じた

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