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消しゴムを貸しただけで。  作者: 蓮太郎


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14/28

14.告白の計画。

「さぁ!召し上がれ!」

晩御飯をテーブルに並べ終わると、花蓮はウキウキした様子で座る。


「・・・魚、漬物、味噌汁。

朝ご飯みたいだな。」

雅は少しがっかりした表情をしている。


「これは、手抜きした訳ではないわよ?

演舞の実力を確かめるための料理。

いえ、今日の主役はこのご飯!」

花蓮は、嬉しそうにお茶碗を持つ。


「成る程。そう言われると、何だかご馳走に見えてきたぞ!」


「そうでしょ、そうでしょ!」


「ところで、漬物なんかスーパーで買ってたか?」


「あぁ、これは、一年間育て続けた私のぬか床ちゃんに漬け込んだ、花蓮スペシャル漬物よ。」


「おー!それは素晴らしい!

この漬物には池下のエキスが・・・。」

雅は箸を持ち、漬物をいやらしい目で見つめる。


「ちょいちょい変態が顔を出すわね。

今のは少し引きました。」


「・・・だよな。」

雅は俯いた。

「だって本当にそう思ってしまったから。この漬物は俺以外に食べさせないで欲しいな。」


「はい、はい。わかりました〜。

早く食べてみてよ?」

複雑ではあるが、一応、嬉しいと思おうと花蓮は自分に言い聞かせた。


「お、おぅ、ポリポリポリ。

うまい!そして、ご飯を。」

雅はすかさず、演舞で炊かれたご飯をほうばる。

「米、うまっ!」


「美味しいね〜。」


「買って良かったな!」


「うん!」


二人は、時折笑顔で見つめ合いながら、満足気に食事を進めた。


「ねぇ、何してるの?」

雅は、珍しく花蓮の前でずっとスマホを見ている。

「いや、今終わった。

なぁ、池下。」


「何?」


「あした、朝から出かけるぞ。」


「え?う、うん。でもどこへ?」


「行き先は秘密だが、一泊できる荷造りを今から頼む。」


「・・・まさか、私をかどわかすつもりね?」


「いや、それはほぼ同棲の状態で言う言葉じゃなくないか?」


「・・・それもそうね。」


「今晩からは、別々で寝れそうか?」


「うん。でも嫌。」


「はい?」


「一度一緒に寝たんだし、もう一緒で良くない?」


「俺の苦労も知らずに。」


「苦労って?」

意地悪な顔で花蓮は雅を見つめる。


「聞くのか?あぁ、教えてやろう。

キスしたい。そして、それに触りたい。」

雅は花蓮の胸元を指さす。

「しかも、直に。

そして、服を脱がせて、池下を色々堪能した後で、大人の階段を登りたい。」

雅は、当てつけの様に、願望を口にする。



「ゔっ。良くそれを口から出せたわね。

聞いているこっちが恥ずかしいわ。」


「穴が合ったら入りたい。」


「それは?」


「お前、珍しく下ネタか?」


「・・・。」

花蓮は、顔を赤くして俯いた。

「べ、別に、私はいつでもいいって言ってるのに、佐藤君が意地をはってるだけじゃん。

なんでもいいから、一緒に寝たいー!」


「駄々っ子かよ。

・・・わかりました。」


「・・・よろしい。」

花蓮は嬉しそうにする。


「でも、くっついたら、ダメだぞ?」


「嫌。」


「この子、ダメだ。」


「はい。私はダメな子です。」


「とりあえず、荷造りしようぜ?」


「うん。」


雅は、夜を恐れながらも荷造りを始める。


「よし!完璧!明日は、7時出発だからな。朝ご飯は、電車で何か食べる。

寝坊すんなよ〜。」


「あら、変態さんが、今日は頼れる男に見えるわ。」


「うるせっ。風呂先に入れば?」


「うん。今日は多分大丈夫だから、ゆっくりしてて。」


「うん。」

雅は、安堵の表情を浮かべる。

花蓮が風呂に入ると、雅はまた、スマホを手に取る。

う〜ん。池下はどんなところに行きたいだろうか。

雪ね〜。


ガチャ。

「お待たせ、佐藤君もお風呂どうぞ。」


「あぁ。はぁー!」

雅がスマホから花蓮に視線を移すと、そこにはバスタオルを巻いた花蓮が立っていた。

「お前、何してる?」


「何って何が?」

花蓮は、とぼけた顔をしている。

「キャッ。」

わざとらしい悲鳴と共に、バスタオルが床に堕ちる。


「バカっ。」

雅は、焦って視線をずらそうと横に向く。

「ん?」

視線をずらし座間、視界の端に人の裸の色ではない色が、映ったきがして、雅は視線を花蓮に戻した。


「期待した?ねー!ねー!」

花蓮は、バスタオルの下は、薄手だが、ちゃんと服を着ていた。


「怒るぞ?」


「恐い顔しないでよ。」


「すまん。」


「ほんのイタズラ心でした。

ごめんなさい。」


「分かればよろしい。」

雅は、父親が娘を諭す様に言った。


雅もこの後風呂に入り、二人は、ベッドに横になった。

「よいしょっ。」


「ゔっ。」


「ゔって何。」

背中にくっついた途端に、変な声を出した雅に、花蓮は不満そうにする。


雅は、花蓮の方を向いた。

「えっ?」

油断していた花蓮は、ドキッとして、俯く。

「無理だ。」


「だから・・・いいよ?」

花蓮は俯いたまま答える。


「いや、池下、下着つけてないだろ?」


「う、うん。」


「下着ないと、当たった時の感触が、桁外れなんだよ。」


「でも、あれ、寝る時苦しいの。

あっ、これは本当ね。」


「そ、そうか。なら仕方ないか。」

雅は、またクルッと回り、花蓮に背中を向ける。


「ちっ、期待したではないか。」


「心の声がもれてますよ〜。」


「あら、失礼。」


「そう遠くない。」


「何が?」


「覚悟しとけよ〜。」


「・・・はい。」

緊張した花蓮の、雅の体に回した手に少し力入った。

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